引退後はホストにも挑戦していた橋本被告(本人SNSより、現在は削除済み)
「前向きな人生を歩んでもらえないかな?」
弁護人が再犯可能性について確認する。「やっつけたいリスト」については、「もう疲れた、人を殺したいとかそんなエネルギーはない」などと答えた。Aさん、Bさんとの関わりも持たないと誓約した。
将棋ファンなどとして橋本被告を知っている人に対する思いを聞かれた。
橋本被告「ファンは私が引退したことを残念と思っていると思う。AやBと知り合っていなければ、まだバリバリやれていた。多大な心配をかけたこと、警察に逮捕されたこと、迷惑をかけたことは本当に申し訳ない」
検察官が謝罪の対象にAさんやBさんが含まれるか聞くと、「AもBもやることやってるし」などと答え、一定の不安を残した。
最後に裁判長が、現場で長男が視界に入ったときの心情を確認する。
裁判長「Bさんとのやりとりで戦闘開始のスイッチが入ったというが、子を見ても変わらなかったのですか」
橋本被告「会った衝撃で頭が真っ白で、子らしいのが見えたというのと、目先に刃先が見えた記憶のみです」
裁判長「今回の事件、子どもはどう受け止めていると思う」
橋本被告「そもそも生まれて間もなく連れ去られているので、父がいないことに疑問を持っているのかどうか……」
裁判長は、なんとか橋本被告に人生の生きる道を見つけてもらうべく質問をしていたように感じる。しかし意図が伝わらないのか、生きる気力を見いだせないのか、噛み合わない。
裁判長「自分の将来についてどう思っていますか」
橋本被告「自分の将来は限りなく閉ざされたと思っているが、両親がサポートすると言ってくれ、そういう人物がいるならば支えてもらおうと」
裁判長「子のために前を向いて生きるというのは」
橋本被告「それはちょっと気力がないです。辛さ、悲しみが強いです。子への愛は余裕があるときに生まれるものなので」
裁判長が少し言葉に詰まったのち、ゆっくりと伝えた。