SNSを用いて情報を交換しているという(イメージ)
インバウンド需要が膨らむなか、国別で1位となる1兆7000億円(2024年度)もの金額を日本に落とす中国人観光客。日本経済を潤す存在ではあるが、昨今、一部の訪日中国人のなかで「違法買春」に興じる動きがあるという。摘発事例も相次ぐ中国人観光客の実態をレポートする。【前後編の後編。民泊でサービスをしている女子大生の証言を報じた前編から読む】
近年、東京・大久保公園では路上に売春目的で客待ちする女性がずらりと並び、訪れる男性が次々と声をかけて近くのホテル街に消えてゆく。国籍問わず観光客が訪れるこの無法地帯が、中国人観光客から熱視線を浴びている。上海在住の旅行代理店関係者が語る。
「数年前まで中国の富裕層の間では高額の参加料を払う『セクシー女優対面ツアー』が人気でした。今では新宿に行けば日本の若い女性を安く買えるということで、中間層にまで『日本人姑娘(若い娘)立ちんぼツアー』が広まっています」
一部の中国人観光客は中国版インスタグラムの「小紅書」などSNSを用いて情報を交換しているという。〈ここは中国よりずっと安いよ。可哀想な桜ガールたち〉といった書き込みから、〈俺はこの前2万使った。ロリ系の美人で甘い声。中国に連れて帰りたかった。これ実話〉と、自らの体験を明かすものまであった。
背景には日中間の法律格差もあるという。中国国内で買春は「治安管理処罰法」で罰せられる違法行為にあたり、違反すると15日以下の拘留に加えて5000元以下の罰金が科され、外国人なら国外退去になる可能性もある。しかし、グラディアトル法律事務所の森脇慎也弁護士によれば、「相手が未成年の場合を除き、日本は買春する側が罰せられることは基本的にない」という。
「日本は『売春を助長する行為』を取り締まることに主眼をおいており、客が性的サービスを購入する行為(買春)そのものに対しては罰則を設けていません。そのため売春防止法で処罰対象になるのは売春の斡旋や勧誘など売る側だけになっているのが現状です」
昨年10月以降、中国人を含む複数の外国人観光客を相手にした大久保公園の立つ女子たちが相次いで摘発されている。