国内

「リベラルから自民党右派、保守の顔」に転身した高市早苗・自民党総裁 運命を変えたのは“当選同期”故・安倍晋三元首相との出会いだった 

自民党総裁に就いた高市早苗氏(時事通信フォト)

自民党総裁に就いた高市早苗氏(時事通信フォト)

 女性初の自民党総裁に就いた高市早苗氏は、ついに「ガラスの天井」を破り、日本初の女性リーダーになるのだろうか──。高市氏のこれまでを振り返る【全4回の第2回。第1回から読む】 

華やかなエンターテイナーが「自民党右派、保守の顔」に 

 1961年、奈良県に生まれた高市氏は、会社員の父と、警察官の母という一般家庭に育った。幼い頃から熱心に教育勅語を教えられ、大学受験は早稲田と慶應に合格するも学費の面から国立の神戸大学に進学。往復6時間かけて実家から通い、在学中は両親からの援助を受けず、アルバイトで学費を稼いだ。軽音楽部に所属してヘビメタバンドでドラムに熱中するなど青春を謳歌し、政治家になりたいという強い思いを持っていたわけではなかった。 

 大学卒業後に多くの政治家を輩出した松下政経塾に入塾したのも、政治ではなくビジネスを学ぶためだった。政治評論家の有馬晴海さんが語る。 

「松下幸之助先生の面接を受ける際、奈良から神奈川まで大型バイクをぶっ飛ばしてやって来たことは語り草です。高市さんの先輩で、当時、面接を担当したという野田佳彦・立憲民主党代表は『バイクに乗って、革ジャンを着て、ヘルメットを取ったら長い髪がたなびいてかっこよかった。二重丸をつけました』と振り返っています。 

 そんな強烈な印象とともに入塾を果たし、『成功の要諦は成功するまでやり続けること』という幸之助先生の訓示は彼女の座右の銘になっています」 

 バブル真っただ中の1985年、24才のときに「国の仕組みを作りたい」と国政挑戦を決意。アメリカ連邦議会への派遣を経て、1989年からテレビのキャスターの仕事を始めた。同じ時期にテレビ出演していたのが、のちに“天敵”となる蓮舫参議員議員(57才)や、小池百合子都知事(73才)だった。 

 1992年の参院選に出馬するも落選し、1993年の衆院選で初当選を果たし、政界入り。いまでこそ“自民党の顔”だが、政治家人生をスタートしたのは自民党ではなかった。最初の参院選と衆院選は無所属で出馬し、衆院選に当選すると、政策集団「リベラルズ」に参加した。国際政治学者の舛添要一さんが指摘する。 

「その後もリベラル思想の強い議員たちが結党した自由党に参加し、さらに新進党へと移った。昔の彼女には、いまのような保守派の面影はありませんでした」 

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト