日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
昨年10月の総選挙では、公明党が長年議席を守ってきた大阪6区で、「将来の公明党代表」との呼び声が高かった伊佐進一・元厚労副大臣が、大阪府議から衆院選に転じた日本維新の会の西田薫氏に敗れた。公明党の連立離脱により、自民党が進める維新との連立交渉で選挙協力の鍵を握る選挙区だが、そのキーマン、西田氏に持ち上がった「政治とカネ」の重大な疑惑。姑息な“隠蔽工作”の証言を本誌・週刊ポストは掴んだ。
浮上した収支報告書の「虚偽記載」疑惑
問題は、2023年4月の府議選の際に西田氏が選管に提出した選挙運動費用収支報告書(以下、報告書)をめぐるものだ。今年6月、『週刊文春』が電子版で〈維新・新星議員のデタラメ収支報告書を告発する《9人分の領収書を“偽造”か》《専門家は公選法違反・私文書偽造罪の疑いを指摘》〉と題する記事を報じている。報告書には選挙事務員や車上運動員(ウグイス嬢)の9人に報酬を支払ったと記載されていたが、実際には支払われていない「虚偽記載」疑惑だ。
記事では報告書に「報酬を支払った」と記載されていた支援者の「私は選挙戦を手伝いましたが、一銭も受け取っていなかった」とする証言や、報告書に掲載された領収書が、西田氏側が偽造した可能性があることなどが報じられた。それを受け、西田氏は選挙運動費用収支報告書を訂正、報酬支払いの記載を全面削除したことを発表し、会見で「慣れないスタッフの記入ミス」と釈明した。それを受けて維新は西田氏に「戒告」という軽い処分を下している。
本誌は今回、受け取っていない報酬が報告書に記載されていた9人の支援者を改めて取材のために訪ね、複数の支援者からこの虚偽記載をめぐる西田氏の“隠蔽工作”とも取れる言動についての重大な新証言を掴んだ。西田氏の支援者A氏はこう証言する。
「昨年の総選挙前の10月5日の夜でした。西田さんと奥さんが私の自宅にいらして、『持っておいてください』と私には5万円が入った封筒を、同席したもう一人の支援者には13万5000円が入った封筒を差し出したんです」
13万5000円を渡された支援者B氏はこう話す。
「奥さんは『私の財布から出たお金でなんの心配もない。好きに使ってください』と言いました。後日、心配になって奥さんに『これは公金ですか?』と聞いたのですが、同じ説明をされました」