全ての電源が失われた場合に稼働する電源不要の注水設備。原子炉へ注水し核燃料の溶融を防ぐ。福島第一原発事故の反省から設置された
1990年代には世界最大級の規模に
1990年代には、2~7号機も次々と完成する。7号機が稼働した時点で同原発の発電出力の合計は821万2000キロワットに達し、世界最大級の規模を誇っていた。
しかし、トラブルも少なくなかった。2002年には1号機の壁に発生したひび割れに関する点検記録の改ざんが発覚し、全基が一時運転を停止。また2007年には最大震度6強の中越沖地震で設備が損傷し、放射性物質が海に漏れ出す事故も起き、再び運転停止となった。
柏崎刈羽原子力発電所副所長の大東正樹氏に話を聞いた。
1992年入社の大東氏は、柏崎刈羽原発5号機の運転員としてそのキャリアをスタートした。
「新入社員としてこちらの発電所に配属になった。当時は3、4、6、7号機の建設がまだ行なわれていて、かなり活気がありました。1997年に7号機の建設工事が完了して、世界最大級の原発になった。そこから7つの原子炉が動いている状態を長く経験しています」(大東氏)