筒抜けだった内部情報
球団関係者は「背景には阪神独特のチーム事情がある」と指摘する。
「阪神は伝統的に在阪スポーツ紙との関係が密接です。引退したOBが専属評論家として雇われ、そのOBがのちに監督やコーチとしてチームに戻ることが常態化している。そうしたなかでシーズン中にお家芸の内紛が起きると、いつクビになるか疑心暗鬼の監督やコーチは、解任後に古巣の媒体に戻れるようコーチ会議の内容などをリークして“得点”を稼ぐ。専属評論家のOBたちも情報を聞き出そうとする。球団の内部情報がマスコミに筒抜けでした」
そうした“伝統の体質”を根本から変えるため、藤川監督は球団内の情報管理を徹底したという。
「スポーツ紙に作戦や選手起用などの内部情報が載ると流した犯人を捜し、二軍からの昇格情報が掲載された際は昇格を取りやめたこともあったという。かつて非情なまでの情報管理で常勝軍団を築いた中日・落合博満監督を彷彿とさせる厳しさでした。岡田さん個人がどうというより、チームを変えるためにOB排除に踏み切ったのでしょう」(前出・球団関係者)
結果、チームは史上最速でリーグ優勝を決めた。生え抜きとして初の2000本安打を達成した阪神元監督の藤田平氏は「そこまでOBを遠ざけた印象はないが、人間やから好き嫌いもあるわな」としてこう語った。
「とにかくシビアにやったのは間違いない。選手交代の判断も早かった。先を見据えて若手もよく使ったし、ベテランにも競争をさせて、それが結果に結びついた。いいチームが作れたのだから、そのことをもって評価すべきやろ」
ここで日本一を獲ることが、OBたちへの恩返しにもなるはずだ。
※週刊ポスト2025年11月7・14日号