橋下氏の影響力の大きさを懸念する声
その橋下氏は政界引退して10年経ち、維新本部は「現在は顧問やアドバイザーなどの関係は一切ない」と言うが、今なおその発言は維新の議員たちに強い影響力を持つ。
「維新が連立を組めばいい」と橋下氏が発言した番組で共演していたジャーナリスト・鈴木哲夫氏がこう語る。
「今から振り返ると、橋下氏は自維連立を言い当てたわけです。本人は個人的な意見として発言しているのでしょうけど、実際は維新の方針に大きな影響を与える。維新にとってそれほど大きな存在なのでしょう」
一言で維新を自民との連立に踏み出させた橋下氏は、逆に「連立解消」へと踏み出させる発言力も持つと考えられる。
大阪の維新地方議員が言う。
「維新には吉村代表はじめ橋下派の議員が多い。橋下さんが『高市さんは連立合意を守っていない。維新は連立離脱したほうがいいんじゃないか』と発言すれば、党内で連立離脱の議論が高まるのは間違いない」
そうしたなかで維新内部からも、橋下氏の影響力の大きさを懸念する声が上がり始めたという。
別の維新関係者が語る。
「藤田文武・共同代表や馬場伸幸・前代表に近い議員の間からは、吉村代表は橋下氏の発言に左右されすぎているとの声がある。国政に責任を負う立場になった以上、橋下氏の発言で党の方針が揺れるようでは国政が混乱する。橋下氏の影響下から独立すべきという意見が広がりつつある」