西岡さんは1998年のフジテレビ入社

──入社後すぐにスポーツに関わる仕事はできましたか?

「2年目にニュース番組のスポーツコーナーにつきましたが、3年目は逆にニュースどっぷり。夕方のニュースを読む日々でした。もともと報道がやりたかった人間ではなかったので、『ポケベルがなったらすぐ行きます』みたいな生活が自分にはあまり合いませんでしたね」

──若手時代はそんな葛藤を抱えていたのですね。
「そうですね。ただ2000年のシドニー五輪が転機になりました。Qちゃん、マラソンの高橋尚子選手が金メダルを獲った大会です。現地に行かせてもらったのですが、高橋さんがスタジアムに入ってきた瞬間の感動がすごくって、本当に鳥肌が立ったんです。その時に、五輪、サッカーのW杯、というのを自分のアナウンサー人生の目標にやっていこうと固く決めました」

──その後の2004年、フィギュアスケート中継班に参加されています。

「そこも大きな転機でした。当時は安藤美姫さんや浅田真央さんら人気選手がたくさんいて女子スケートは絶大な人気でした。しかし僕が担当していた男子スケートはまだまだこれから、という時代。でもそこから、高橋大輔さんが出てきて、2010年のバンクーバー五輪で日本人男子初の銅メダルを獲得する。その歴史的瞬間を僕が実況できたんです。男子フィギュアという競技と一緒に自分も大きく成長できた。フィギュアスケートの中継に携われたことは、僕の財産です」

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