「プロ野球ニュース」や「FNNスーパーニュース」でキャリアを重ねた
「フジテレビのアナウンサー」という肩書への違和感
──その後、2012年ロンドン五輪での金メダル実況、2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯(日本対ポーランド戦)、そして2022年カタールW杯(日本対クロアチア戦)と大舞台でマイクを握り続けました。2021年の東京五輪では、最も多くの金メダル実況を担当されています。まさに順風満帆ですが……、どうしてアナウンサーを辞めようと考えたのですか?
「ずっと辞めたいという気持ちはあったんです。人間としての自分っていうより、『フジテレビアナウンサー』という部分がすごく強い気がしていて。僕はそんなに知名度がないから、外でご飯を食べてても、別に誰も気づかない。ところが、この人フジテレビのアナウンサーですよって言った途端にみんなが見る、みたいなパターンなんですよね。会社員でありながらちょっと特殊なポジションだなっていう風には常に感じていて。
五輪とW杯の実況という、局アナにしかできないことを目標に決めていたんですが、それも達成してしまった。この先も『フジテレビのアナウンサー』という看板を背負って生きていくんだなと考えた時に、その覚悟が、僕にはありませんでした」
