マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」が殺人事件に関与している疑惑が報じられた(Instagramより)
10月22日、マレーシアの首都・クアラルンプールにあるホテルの一室のバスタブで、遺体となって見つかった台湾の「ナースの女神」こと人気インフルエンサー、アイリス・シェ(謝侑芯)さん(31)。マレーシア当局は本件を殺人事件と断定。バスタブで意識不明のアイリスさんを発見し、救急に通報をしたという男に疑惑の目が向けられている。【前後編の後編。前編から読む】
「その男は、アジア圏で人気の中華系マレーシア人ラッパーです。映画監督やYouTuberとしての顔も持っています。有名セクシー女優とのコラボなどもあり日本でもラップファンらには知られた存在ですが、台湾ではさらに知名度が高く、台湾のグラミー賞と呼ばれる『金曲奨』にたびたびノミネートされています。
10月22日、マレーシア当局はネームウィーをエクスタシーとみられるドラッグの所持および使用の容疑で逮捕、起訴しました。一度は釈放されたものの、11月5日にアイリスさん殺人事件の捜査に協力するためとして、再び拘束されました」(大手紙国際部記者)
ネームウィーは、政治、人種、宗教などをめぐって物議を醸すパフォーマンスを繰り返してきたアーティストで、警察沙汰になるのはこれが初めてではない。
前出の記者はこう続ける。
「ネームウィーは2007年頃の初期の作品から、マレーシア国歌をからかったり、人種差別的な言葉を使ったりして批判を浴びてきました。
2016年には『オーマイゴッド』というタイトルのミュージックビデオをイスラム教の神聖な場所で撮影。その上、曲中で神を意味する『アッラー』という言葉を多用し、マレー系イスラム教活動家たちから抗議を受けました。この件でネームウィーは一時警察に身柄を拘束されましたが、『ビデオは宗教的寛容を促すためのもの』と主張して起訴はされませんでした。
