習近平・国家主席に媚び、屈してきた政治家も(写真/EPA=時事)
中国の“高市叩き”が止まらない。大阪総領事のSNSでの「汚い首は斬ってやる」投稿や中国外務省局長の「両手ポケット」交渉に始まり、国営中国テレビは高市早苗・首相の醜悪な風刺動画を放送。国連でも中国の大使がグテーレス事務総長に高市発言を非難する書簡を送るなど、居丈高な“戦狼外交”を展開している。そこまで強気にさせたのは、習近平・国家主席に媚び、屈してきた日本の政治家たちの歴史があったからではないか──。【全3回の第3回。第1回から読む】
留学生30万人受け入れ計画
今回、台湾有事をめぐる高市早苗・首相の「存立危機事態」答弁を引き出したのは、その民主党政権の中心にいた岡田克也氏(立憲民主党元幹事長)だ。日中友好議連の副会長でもある岡田氏は今年3月に立憲民主党の議員団を率いて訪中し、中国共産党中央宣伝部長と会談、日本産水産物の早期輸入再開を要請している。ノンフィクション作家でジャーナリストの門田隆将氏がこう指摘する。
「岡田氏は3年前にも当時の岸田文雄・首相に『(台湾の)独立は支持できないと米国も言っている。その表現を口にできないのか』と国会質問して支持できないと言わせようとした。今回の高市首相への質問も、中国におもねる意図があったと感じざるを得ない」
もっとも、インバウンドなど中国人の大量受け入れ政策を進めてきたのは民主党ではなく、自民党だった。親中派として知られる福田康夫・首相は、習氏が副主席に就任した2008年に「留学生30万人受け入れ計画」を打ち出し、留学生が大挙して押し寄せる始まりとなった。評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏が言う。
「その後、安倍政権の菅義偉・官房長官が主導してインバウンドを推進し、ビザの発給条件もどんどん緩和された。結果、オーバーツーリズムの問題が噴出。本来は受け入れ推進と同時にオーバーツーリズム対策も講じるべきなのに、受け入れを拡大するのみだった。菅氏は親中派ではないが、結果的に中国人受け入れに門戸を開く政策を推進したのは事実です」
岩屋毅・前外相が昨年12月に訪中した際、ビザ発給の要件をさらに緩和し、中国富裕層向けの「10年有効」の観光ビザなどを提案。与野党から反発があったが、石破内閣の退陣で立ち消えになった。
前出の門田氏は媚中政治家の3番目に「反日教育に加担する政治家」を挙げた。鳩山由起夫・元首相は2013年に、「南京大虐殺記念館」を訪問して「戦争中であっても多くの民間人・捕虜を日本兵が殺したことは申し訳ない」と謝罪し、福田元首相も2018年に同館を見学して花輪と黙祷を捧げた。それ自体は批判されることではないかもしれないが、結果的に中国政府から「反日宣伝」に利用された。
高市政権は過去の歴史、今回の問題を踏まえ、どのような対中姿勢を築くのか。注視する必要がある。
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※週刊ポスト2025年12月12日号
日本の尖閣諸島国有化に対する抗議デモ(2012年9月15日、中国・河南省。写真/AFP=時事)

