レグザは2018年に東芝からハイセンスへ売却された(REGZA公式HPより)
国産車や国産バイクだって、うちで所有する複数台は1980年代、1990年代の代物だが外装の経年劣化さえ気にしなければいまも元気に走ってくれる。古い日本製のフィルム一眼レフカメラも健在だ。見れば見るほど金がかかっていることがわかる。良い意味で、商品価格と見合わないほどに。
日本人の作り手は物に魂を込める。日本では物には神が宿る。いまやこれをコスパだ、タイパだでバカにする向きもあるようだが、日本がこれで焼け野原から曲がりなりにもあらゆる世界一の製品を作り出したことは事実だ。20世紀を経験した方々ならメイド・イン・ジャパンの凄さ、実感あるはずだ。
当時の第三次世界大戦を描いた架空戦記系の漫画でSONYを見つけて大喜びで略奪するソ連(ロシア)兵、ある通俗小説でニコンのカメラを「JAPは首にキャディラックを下げてやがる」と日本人団体観光客を嫉視する南部の白人失業者、そんな「ジャパン・アズ・ナンバーワン」的な表現もまた今は昔、だろうか。
こうしたかつてのメイド・イン・ジャパンの栄光、当時の製品の素晴らしさを元大手家電メーカー技術者に語ると本当に嬉しそうに聞き入って、いろいろと当時の現場の話を教えてくれる。
「私だって、いや多くの技術者はみな日本国内で作りたかったよ。メイド・イン・ジャパンは私たちの誇りでもあった。でも、どうにもならないよね、1990年代後半から2000年代の価格競争なんか国内消費者は原価で作れどころか原価割れでも作れ、売れ、俺様たち客を満足させろ、だからね。言い過ぎじゃないよ、それだけが原因じゃないが、あげくに会社もギブアップだ。あんな大きかった会社でもね」
彼の会社はもうない。この挙げた中のひとつなのだが、その製品はいまもみなさんの家で元気に動いているかもしれない。いまは中国傘下でブランドのみが残る。
現在ではメイド・イン・ジャパンの選択肢は限られる。日本製が欲しくても買えない。作っていない。日本のブランドだとしても日本製でなかったり、下手をすると日本のブランドを買った中国だったりする。
「彼ら(中国)は上手だよね、自社のプライドより売れる名前なら日本のブランドのままで売る。レグザはいまだに東芝本体が作っていると思ってる人も多そうだ」
