ユニクロは中国での店舗数は2025年8月期事典で902(NurPhoto via AFP)
実際、技術者に限らず日本の労働者、とくにものづくりに携わる現場の人たちに対する扱いは歴代政府も経団連も本当に酷かった。現場を知らない文系幹部にいいように使われて、満足な出世も待遇も与えられないままベテランになったらポイ、全部がそうではないことは当たり前だが、消えていった数多のメイド・イン・ジャパンにこうした積み重ねの結果があり、ひいては中国依存を高めた結果でもあるように思う。
中国はとてつもなく大きく、強く、狡猾でときに懐の大きい態度で接して来る。日本はそんな中国に太古の昔から翻弄されながらも、したたかに独立を守ってきた。中国を下請けに使ってきたあげくに日本はハメられられたようなものだが、ハメてくださいと差し出したのは日本政府であり日本企業であり、ひたすら安さを求めた多くの日本人であった。
気分が悪いかもしれないが、まずこれを認めた上での中国依存脱却に思う。なにしろレアアースも含め日本ではどうにもならないサプライチェーン(供給網)という問題がある。トヨタすらレクサスのEV工場は上海に作ることを決めた(2027年予定)。供給元としてだけでなくソフトウェアでも太刀打ちできないことをトヨタはよくわかっている。
ユニクロも東南アジアに一部生産地をシフトしたが依然として中国シェアは高い。柳井会長自身「中国の重要性は変わらない」と撤退の噂を否定しているどころか中国国内の出店目標3000店舗、中国工場のさらなる投資、中国国内売上1兆円を目指すと宣言している。
その結果は誰にもわからないが中国に負けじと狡猾で頼もしいと思う。アメリカはもちろん世界中が心から信用なんてできないことはトヨタもユニクロも身を持って知っている。
ネットで一瞬の気持ちよさとか憂さ晴らしで中国をボコボコに書くのは勝手だし中国製品を使いながら反中もまあ、個人の勝手だろう。むしろ中国のことは使い倒すが中国は嫌い、くらい言う方がいいくらいだ。姿勢としては正しいと思う。中国に限らず過度の信用や依存は多くの国では間抜けがすることである。私たちだってビジネスや親戚づきあいではそうだろう、そういうものだ。したたかに渡らねば。
日本と中国は政冷経熱と呼ばれ続けた。日本だけが譲歩させられたり一方的に脅されたりするのは気分の悪いものだが、事ここに至るまでの日中の歴史もまた間違いなく私たちが日本人として、消費者として関与してきた責任がある。いまや、どんなにメイド・イン・ジャパンを選んでも主要な工業製品や日用品ではほぼ無理だ。「私は違う」「俺はそうじゃない」と言ったところで日本の現状はこの通りなのだ。この国のものづくりの失われた30年が40年になろうとしている、これが現実だ。
