スポーツ

最速大関・安青錦は横綱・大の里を超えられるのか 対戦成績は0勝3敗で「体重差」は大きいものの「実力差は縮まっている」との指摘も

安青錦(時事通信フォト)

安青錦(時事通信フォト)

 安青錦の快進撃が止まらない。2023年秋場所で初土俵を踏むと、序ノ口、序二段と連続優勝し、2024年九州場所で新十両に昇進。十両を2場所で通過すると、新入幕から3場所連続で11勝を挙げて新小結に昇進し、初土俵から所要12場所での新三役は付出を除けば史上最速記録となった。新小結でも11勝を挙げて所要13場所での関脇昇進も最速記録に。そして、新関脇場所となった九州場所で初優勝を飾り、大関昇進を決めたのだ。

 元NHKアナウンサーで大相撲取材歴70年以上の相撲ジャーナリスト・杉山邦博氏をして、「感謝の気持ちを忘れず、素直で謙虚で、稽古熱心な姿は、過去の外国人力士のなかでもまさに異色の力士です。日本語をわずか3年であそこまで深く理解している姿には感心、感激しますね。九州場所の千秋楽の優勝決定戦では、横綱(豊昇龍)が興奮気味に仕切っていたのに対し、淡々と仕切っていた姿が今でも印象に残っています。2026年は秋か九州には異色の横綱誕生が期待されます」と言わしめた。

 先の九州場所では14日目に横綱・豊昇龍を破り、千秋楽は本割で大関・琴櫻を内無双で下すと、豊昇龍との優勝決定戦も制した。初土俵から14場所目、21歳8か月での快挙である。場所後に大関昇進が決まり、付出を除く初土俵から所要14場所での大関昇進は琴欧洲の19場所の記録を更新。21歳8か月での大関昇進は貴乃花、北の湖、白鵬に次ぐ4番目の若さだった。

 スピード記録で少し前まで注目されていたのは、横綱・大の里だった。幕下付出10枚目格デビューした大の里は大関昇進まで所要9場所の記録を持つ。新入幕から大関昇進までは所要5場所で、安青錦はこの記録に並んだ。相撲担当記者が言う。

「大の里は大関昇進後、4場所を要して横綱に昇進。新入幕から所要9場所での横綱昇進は大鵬の11場所を抜いて歴代1位の記録となった。横綱昇進条件は“大関で2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績”だが、新入幕から所要5場所での大関昇進で大の里に並んだ安青錦が初場所、春場所と連続優勝して横綱に昇進すれば、新入幕から所要7場所ということで大の里の記録を抜くことになる。

 大関在位2場所で横綱に昇進したのは、昭和以降では双葉山、照国の2人しかいない(明治時代には栃木山がいる)。大関から横綱に駆け上がったイメージがある北の湖、千代の富士、朝青龍はいずれも3場所かかっている」

 九州場所の千秋楽では八角理事長が「立派だ。来年は横綱になって(九州場所に)帰ってくるかもしれない」とコメントしたほどだ。

 九州場所では14日目に対戦した横綱・豊昇龍に頭を低くして攻め込み、最後は右手で押し出して勝利。これで豊昇龍に初顔から3連勝。千秋楽の優勝決定戦でも頭で当たったあとに後ろに回り込むと送り投げで勝利。どちらが横綱かわからないほどだ。

 ただ、もうひとりの横綱・大の里にはこれまで勝ったことがない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン