鉄道模型も愛する伊藤さん
──絵本に出てきそうな光景ですね。寝台列車のような古い列車が好きなんでしょうか。
「そうですね! 音もいいですし、年季の入った運転台は渋い。例えば南部縦貫鉄道で走っていた車両ならば、昔ながらのクラッチ(編集部註:エンジンと変速機の間に取り付けられている装置)の感じとか、アナログで手間がかかる分、人の血が通っている感じがするというか……。温もりを感じられるところが好きなんです」
──2016年にJRの全路線を制覇されて、私鉄の制覇にも挑戦されています。今までで、どこの駅が一番良かったですか?
「JRは全路線、私鉄はすでに8割乗りました。ですが正直、絞れないです。多くの鉄道マニアの方がきっとそうであるように、一番っていうのはすごく難しいなと思うんですけれども……」
──今日は特別に絞ってみてください!
「私は渋い木造駅舎が好きなんです。その中でも少し特別な駅があって、山形鉄道フラワー長井線にある『羽前成田駅』なんです。2015年に『登録有形文化財』にも登録された駅舎は、地元のおじいちゃん達のボランティア団体『おらだの会』で守られているんです。
クリスマスはイルミネーションで駅の飾り付けをしたり、駅に来た人に芋煮を振る舞ったり。皆さん鉄道ファンじゃないんですよ。でも地元の駅が廃れてしまうのが寂しいと。駅が色んな人が集まる場所であってほしいっていう思いから、自分たちで駅でイベントを開催したりして維持しているんです。
1922年に開業した駅なんですけど、昔の駅舎室とかもちょうどいい塩梅に昔のままの趣を残したり、ボランティアの中に元大工のおじいちゃんが手入れしていたり。待合所に囲炉裏も作ってあるんです。それに私が行くと、おらだの会の方がみんなで『おかえり』って迎えてくれるんですよ。たんまりお酒を用意されていて……(笑)」
