被告人は高校卒業後、職業を転々とし、事件当時はキャバクラ店に勤めていた
「今なら言えるかもしれない」
第2回公判では、その通報で臨場した警察官の証人尋問が行われていた。
佐藤被告は到着した警察官に対して、リビングでのいざこざを説明し、その結果としてAさんの顔を10発ほど殴ったと主張したという。なお、罪状認否で佐藤被告は「首を絞められた」とも主張していたがこの時は警察官に対するそういった申告はなかったという。
警察官は当時、取り調べをするために佐藤被告とAさんの距離を離そうとした。すると佐藤被告がAさんに対し「リビングから出るな、何も喋るな」などと声をあげたのを見て、通報された際の被害者と加害者が逆ではないかと感じたという。
佐藤被告とAさんに対して任意同行を求めると、佐藤被告は頑なに拒否した。Aさんが自身の荷物をまとめようとするのに対し、佐藤被告が「出てったら別れるぞ」「友だちや親とか頼るとこないのに出ていくのか」などと言うと、Aさんの荷物をまとめる手が止まり、任意同行を拒否しようとした。警察官は必死に説得したという。
このときの様子について、Aさんは自身の尋問でこのように答えた。
検察官「これまで被害申告してなかったのに、そのときは申告しようとしたのはなぜ?」
Aさん「自分ひとりじゃ判断できなかったけど、第三者が介入して、今なら言えるかもしれないと」
検察官「任意同行に応じようとしましたよね?」
Aさん「警察官の人が『2人でいるといけないから』って言ってくれて」
検察官「しかし、渋りましたね?」
Aさん「被告人が『1人で生きていけるわけないでしょ』とか言ってきたので」
検察官「でも、最終的に応じたのは?」
Aさん「警察の人が『今しかないよ』って言ってくれたので」
