危険な撮影もあったという(左から古谷敏氏と藤岡弘、氏)
ウルトラマンがテレビに初めて登場してから60周年を迎えた。節目のいま、自叙伝『ウルトラマンになった男』でも知られる俳優でスーツアクターの古谷敏氏と、『仮面ライダー』の本郷猛役をつとめた藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談が実現。第1回記事では、石ノ森章太郎先生が「仮面ライダーは死なない」と言われた藤岡氏が、生き抜く覚悟をした体験について語った。第2回では、古谷氏が円谷英二監督との思い出について明かす。【全3回の第2回】
「子供たちに夢を……」
古谷:『ウルトラマン』の生みの親、円谷英二監督もそうでしたよ。たしか、『ウルトラマン』の放送直前の撮影会のような催しで、ウルトラマンのスーツを着込んだ僕に、監督がツカツカと近寄り、こう言ったんです。「子供たちに夢を……」。夢をと言ったあとの言葉は聞き取れなかったのですが、その後、ウルトラマンとして多くの怪獣や宇宙人と戦っていくうち、監督はきっと「子供たちに夢を……与え続けてください」と告げに来たのだろうと思えてきたんです。
藤岡:先輩のその話、心を震わせますね。
古谷:与え続けてきた結果、今もウルトラマンのイベントを開くと、それこそ藤岡さんの話のように親子3代にわたるファンが詰めかけてくれる。小学生が「ウルトラマン、応援しています」と言ってくれると、こちらの胸もいっぱいになってね。
藤岡:ありがたいですね。
古谷:今から思えば、円谷監督と石ノ森先生、この2人の偉大なクリエイターは同じ方向を見つめながら、二大ヒーローを生み出したともいえますよね。「子供たちに夢を与え続けるために、ヒーローは死なない」というね。見事なまでに合わさっています。
藤岡:円谷監督と石ノ森先生のヒーローに託した遥かなる願い、素晴らしいシンクロですよ。
古谷:まあ、ウルトラマンはゼットンに敗れ、一度は死んでいますが、ゾフィーによって再び新しい命を手に入れているし。
藤岡:たぶん、先生と監督がヒーローに込めた願いが、初めからブレていないんですよ。ヒーローは子供たちのために戦い続けなければいけないという信念に、一切の迷いがない。その純粋で一直線な想いが今日まで先輩と私を走り続けさせてくれている。
