引退する棚橋弘至(左)と、エールを送る天龍源一郎(右)
予定調和はやってくれるな
――ましてや今度の1・4東京ドームは、新日本が24年ぶりに地上波プライムタイムで放送されるので、業界を上げてのことですからね。
天龍 そこで予定調和の試合だけはやってくれるなっていうのが、もう俺の切なる願いだよ。そもそもオカダっていうのは、言い方は悪いけど新日本に見切りをつけていった人間だろ?
――新日本を“卒業”というと聞こえはいいですけど、新日本がコロナ禍以降、なかなか観客動員が戻ってこない苦しい時に辞めて、AEWに行ったわけですからね。
天龍 そのオカダをお客様扱いするだけでいいのかって。棚橋には「オカダがアメリカでホットドッグをほおばってる間、俺はお前が捨てた新日本を歯を食いしばって支えてきた」っていう意地を見せてほしいよ。もう気分は社長なのかもしれないけど、プロレスラー・棚橋弘至の本音の部分を見せてくれよ。
――そこを見せてこそのラストマッチじゃないのか、と。
天龍 あいつが若手の頃から、多くの人間が新日本を投げ出していって、ここ数年だってWWEやAEWに行く人間が外国人含めてあとを絶たないわけだろ。現時点において、その筆頭がオカダなんだから「新日本が苦しい時代からずっと支えてきた俺の気持ちがわかるか!」っていう思いをぶつけなかったらウソだよ。
「棚橋はこれがやりたかったから、立命館大学の法学部まで出ながらプロレスラーになったんだな」って納得するような、男の集大成を見せてほしいね。これまで何度もやってきた棚橋vs.オカダの焼き直しみたいな試合をやって、最後はマイクでお互いを褒め称え合う御涙頂戴の田舎芝居みたいなことで終わらせてくれるなって、それだけは言っておきたいよ。
取材・文 堀江ガンツ
(了。第1回から読む)
