ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
鈴木:高山さんにモノを言える、世界にたった1人の存在ですもんね。
溝口:今回も人事のすべてを弘道会が独占するのはさすがにまずい。山口組の若頭も弘道会以外から選出し、竹中組の安東美樹組長を擁立しようという話があった。これは司組長の意向だったと言われています。すぐ吹っ飛んじゃって相手にされなかったけどね。
鈴木:七代目組長が誕生するために絶対に必要なのは、六代目組長がトップの座を降りること。ことあるごとに田岡一雄三代目組長を崇拝していると言い続けてきた六代目組長が、神戸の山口組本家を取り戻していない情況で身を引くとは考えにくい。だからすぐ七代目が誕生する可能性は低いと見ることもできる。
溝口:山口組本部事務所は特定抗争指定で立ち入りが禁止され、手入れのために立ち入ることすら出来ない。もうボロボロらしい。いよいよ総本部が神戸から名古屋に移る可能性が強まりました。20年前からそう言われていたけど、今は移転に反対する声も上がらないような状態です。警察は山口組にとって象徴的な本部を、もう使わせないと言っている。このまま特定抗争指定が解除されなければ売却する可能性もある。
鈴木:2025年、年末恒例の事始め式が静岡県の清水一家で開催されました。これも本部移転の兆しかもしれないですね。万が一、山口組が発祥の地である神戸を捨て、名古屋に移転するなんてことになったら、完全なる新世代の幕開けです。
(前編を読む)
【プロフィール】
溝口敦(みぞぐち・あつし)/1942年生まれ、東京浅草出身。ジャーナリスト。早稲田大学政経学部卒。『食肉の帝王』で講談社ノンフィクション大賞を受賞。『暴力団』『続・暴力団』(ともに新潮社)、『ヤクザ崩壊 浸食される六代目山口組』(講談社+α文庫)など著書多数。
鈴木智彦(すずき・ともひこ)/1966年生まれ、北海道出身。フリーライター。日本大学芸術学部写真学科除籍。ヤクザ専門誌『実話時代』編集部に入社。『実話時代BULL』編集長を務めた後、フリーに。主な著書に『サカナとヤクザ』『ヤクザときどきピアノ』など。
※週刊ポスト2026年1月16・23日号
