仕事と人生をめぐり、対談が行われた(掲載時の週刊ポスト誌面より)
「あとに引けなくなると思う」
「企画の人」として常に新しいことにチャレンジし続けてきた久米さんだが、ひとつだけ叶えられなかった“夢”がある。
〈瀬戸内 60代からも充実するわね。
久米 みんなが60歳だというから、そうかと思うけど、実は、自分ではそう感じていない。
瀬戸内 私も82歳なんて思ってない(笑い)。
久米 自分にいい聞かせているところがありますよね。「今年60歳になりましたので」っていうのは、自分にいっています。そういわないと忘れちゃうから。
瀬戸内 だったらなおさら、充実させなきゃね。仕事なさいよ。例えば、映画を作りたいとは思いませんか? あれは男にとって一番面白い仕事というでしょう?
久米 何回やりたいと思ったかわかりません。あんな面白い仕事はないと思いますね。あれをやったら、あとに引けなくなると思う。
瀬戸内 ほうら、ようやくやりたいものが出てきた。私は無責任な扇動者なの。ああ、いい気持ち(笑い)〉
久米さんがメガホンをとる映画は、どんな作品だったのだろうか。天国で、瀬戸内さんにもう一度久米さんの背中を押してもらいたい。合掌。
(了。前編から読む)
