「TM文書」は韓鶴子総裁(左、Aflo)への報告文書だった(右は高市首相、時事通信)
突如「衆院解散」をぶち上げた高市早苗首相。就任3か月での解散という異例の決断には様々な声が上がっているが、その背景にはある重大な疑惑も燻っている。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党との関係についての問題だ。
疑惑再燃のきっかけは、1月8日発売の「週刊文春」がスクープした韓国統一教会の内部文書である『TM特別報告』、通称“TM文書”の存在だ。高市首相やその側近を含む自民党議員と旧統一教会との関係も記されており、最側近の佐藤啓氏(参院議員・現官房副長官)はNEWSポストセブンの取材に対し、安倍晋三元首相の銃撃事件当日、奈良教会で行われていた「応援集会」に代理として妻が出席していた事実を認めた。
“TM文書”の内容と信憑性を検証することは、旧統一教会と自民党の関係性を追及することにつながる。さらに同文書には、まだ公になっていない“続き”があるというのだ——。【前後編の後編。前編から読む】
旧統一教会が答えたTM文書内容の“信憑性”
高市首相の最側近である佐藤議員は、安倍元首相が銃撃された際、まさに現場で応援演説を受けていた議員だ。TM文書には事件当日の様子が詳細に記されている。事件の数日後に奈良の教区長(当時)が報告したとされる内容には、次のようにある。
〈勝利に向けた全食口(編集部注:食口は旧統一教会の会員を指す)総動員・天心苑祈祷出発式が終わり、自民党奈良県公認候補の佐藤啓候補者の応援集会を10時から行いました。候補者本人は11時から大和西大寺駅前での安倍元総理の応援演説があるため来られず、夫人が代わりに来て奈良教会で応援集会を行いました〉
〈応援集会が終わり、一部の食口は安倍元首相の応援演説に参加するために駅へ向かい、残りの食口たちは勝利のための電話かけ大会を行っていました〉
佐藤議員がNEWSポストセブンの取材に「私の代理として妻がお尋ねの『応援集会』に参加したことは事実ですが、同集会が開催された経緯については承知しておりません」と回答したのは、前編記事で報じた通りだ。
一方、旧統一教会はどう答えるか。問い合わせると、おおむね次のように回答した。
「『TM特別報告』について、現在当法人では調査委員会を立ち上げ、韓国語の文書の翻訳や真偽の確認作業を行なっています。
(安倍元首相銃撃事件に関する記述について)調査を進めておりますが、該当箇所は事件の数日後に奈良の教区長(当時)が報告した内容とされています。しかし、当該報告については教区長が作成を否定しており、実際、事実と矛盾する点がいくつも含まれるため、当法人は特にこの報告箇所は後日作為的に付け足された怪文書であると考えています。
例えば山上被告がもともと会員であったことは事実でなく、当然田中(編集部注:富広)前会長が会員記録の削除を指示したという事実もありません。現実の手続きとも矛盾が生じています。
奈良教会での『応援集会』や『電話かけ大会』については現在のところ確認できていません」
