国内

コロナ感染したれいわ・木村英子参院議員への誹謗中傷に見る「特有の嫌な感じ」

ワクチンはどこのメーカーを打つべきか(時事通信フォト)

ワクチン接種も始まった(時事通信フォト)

 ネットにおける誹謗中傷が社会問題とされるようになってから時間は経っているが、依然、折に触れて棘は表出する。コラムニストのオバタカズユキ氏が考察した。

 * * *
 新規感染者数が減ってきたとはいえ、まだまだ新型コロナウイルスに感染する可能性は誰にでもある。そして、いつどこでどのように感染したのか不明である場合がとても多い。だから、感染者に対してその責任を問うたり、批判をしたりといった行為はナンセンスで、あってはならない、との社会的コンセンサスがとっくに取れているはずである。

 なのに、だ。2月24日の夕方から夜にかけて「木村英子参院議員がコロナ感染」というニュースが流れると、ネット上に大量の批判的書き込みが湧いてきた。誹謗中傷の声が飛び交ったのだ。

 木村議員は、山本太郎代表が率いるれいわ新選組公認で、2019年7月の参議院議員選挙で比例区当選した人物。幼少期に事故で頸椎を損傷、脳性麻痺と診断された重度の身体障害者でもある。電動車椅子を操作する右手以外、体はほとんど動かず、政治活動も常に介護者と共に行っている。

 そんな木村議員のコロナ感染の事実を最初に公にしたのは、彼女の公式ツイッターアカウントだった。24日の午後6時6分に、〈【ご報告】昨日、医療機関においてPCR検査の結果、木村英子が新型コロナウイルス陽性であることが判明しました。本日、保健当局からのヒアリング等を受け、感染経路は調査中です。現在、自宅にて療養中でございます。ご心配おかけいたします。(木村英子事務所)〉とツイートした。

 このツイートに対しては、原稿執筆現在、816件のリプライ、330件の引用ツイートが寄せられている。そのほとんどは「お大事にしてください」など木村議員にお見舞いの言葉をかけるものや、入院せず自宅療養ではまずいのではないかと心配する声である。批判的な書き込みはひとつもない。直接、本人に石を投げるような者は見当たらない。

 誹謗中傷はもっぱらヤフーニュースのコメント欄や、ニュースを見てそれに反応したツイートなどでなされていた。本人を前にもの申すわけではなく、もっとお手軽に安全地帯から発した脊髄反射的な批判ばかり。なので、いわゆる炎上というのとは少し違うのだが、それらの中身がなんともひどいのである。木村議員の支持者だったら、怒り心頭に発するところだ。具体的には、こんな誹謗中傷がなされていた。

〈まず厳しい意見ですが…… 国会に出てないよね? 辞職すべきでは? 出てないのに金貰うって人としてどーなんだ? それで日本は成り立つのか? 税金捨てるようなもんだろ この今苦しい人もいるなか コロナ怖いからって国会にも出席してなかったのにコロナ感染 そして仕事してないのに給料貰うって どーなんだ?生活保護だけで良いでしょ〉

〈昨年以降登院もせず歳費もらっても仕事できないのでは何のための国会議員なのか? 社会的弱者の代弁者は社会的弱者でないといけないことはなく行動力のある者がすべきで理想や綺麗事では世の中が回っていかない〉

〈国会議員としての責務を果たせないことが最初から分かっているのだから、少なくとも国政議員に対しては被選挙権があってよいのでしょうか。「戦災、災害などにあたって内閣総理大臣が招集を宣言した際には、ただちに国会に参集する義務を負う」国会議員が障害を理由に登院できません、では通用しません。災害時に真っ先に見捨てられるのは、歩けなくなった人です。差別の意図ではありませんが、辞職されるべきではありませんか?〉

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン