小笠原道大一覧/2ページ
【小笠原道大】に関するニュースを集めたページです。

中日からのFA流出 「落合GMの考え方と性格が仇に」の指摘
今シーズン5位に終わり、45年ぶりの3年連続のBクラスとなった中日ドラゴンズ。山本昌、谷繁元信、小笠原道大、和田一浩といったベテランが続々と引退し、チームは生まれ変わろうとしている。 だが、オフに入ると、貴重な中継ぎ左腕である高橋聡文投手がFA(フリーエージェント)宣言し、阪神への移籍が濃厚に。谷繁監督の説得により残留となったものの、外野の一角である藤井淳志も一時はFA移籍が噂されていた。いずれも、落合博満ゼネラルマネージャー(以下、GM)からの引き止めがなかったことが、原因と伝えられていた。野球担当記者が話す。「落合GMは『FAは選手が勝ち取った権利だから、とやかく言うことではない』と考えている。現役時代から一貫して変わらない考え方です。実際、自身の監督時代に育成選手として獲得した中村紀洋が、後にFA宣言をしたときも、何も言わなかった。普通なら、『恩知らずなヤツだ』との一言でも言いたくなるところですけどね。ただ、GMになっても、その考え方を変えていない点は、マイナスに働いているのかもしれません」 FAを考える選手の中には、他球団でのより高い評価を求める者がいる一方で、「本当に自分は必要とされているのか」と球団に対して疑問を持っているケースもある。球団首脳や現場の首脳陣が「おまえは必要な戦力だ」と声を掛けるだけで、今回の藤井のように局面が打開することもある。「落合GMは口ベタなので、周りにサポートできる球団関係者がいないと、相手を勘違いさせやすい。監督時代は森繁和コーチがうまくフォローしていたが、今はそのような相棒がいない。また、監督退任から4年が経ち、当時の威光も薄れているし、落合GMの監督時代を知らない選手も増えてきた。これから、ますます溝が深まる危険性があります」(同前) GM就任以降、ドラフト指名や外国人獲得などの補強面が、必ずしも成功しているといえないのも事実。来年もBクラスに沈むようであれば、落合GMの責任問題にも発展しかねない。「もともと、落合さんは人情深い人。照れ屋が邪魔しているだけの面もある。そういう意味では、監督や選手時代とは考え方を変えて、情の部分で選手に接していく必要もあるのかもしれません。GM業は時に、優しい性格を見せることでうまくいくケースもあるはずです」(同前)
2015.11.21 16:00
NEWSポストセブン

高橋周平が育たぬと苛々中日ファン キヨシ称賛の横浜ファン
プロ野球シーズンが終わったとき、ひいきのチームの成績が悪かったファンは来季のことを考えてひと息つく季節にホッとする。たとえば、2015年の中日ドラゴンズは夏場から最下位と5位を行ったり来たり。ファンの視点は早い段階で来期以降を見つめていた。「あんなにエラーしたら勝てない(失策数12球団ワースト)。まあ今は過渡期だから仕方ない」(50代男性) チームを支えたベテランが大量引退。その中には山本昌や小笠原道大など、名球会に所属する超大物が多数含まれ、何度も引退試合を観ることになった。「来季こそ若手が奮起しないと。一番中日ファンが腹立たしいのは高橋周平がいつまで経っても育たないこと。背番号3を背負っている意味をそろそろ考えてほしい」(30代男性) あきらめがよいことで知られる横浜DeNAベイスターズのファンは、前半戦はまさかの首位ターンを久々に堪能した。最終的には失速したが、ファンは中畑清監督に最大の賛辞を送る。「キヨシのおかげでマイナスがゼロになり、なんとか戦えるチームになった。素直に感謝」(40代男性) チームについてはまだまだという意見が大半。「バッテリーミスが多すぎる。投手もだが捕手が酷い。いい捕手を獲らないと誰が監督をやっても浮上できないと思う」(20代男性)※週刊ポスト2015年11月13日号
2015.11.06 16:00
週刊ポスト

今季ドラフト 大学、社会人から高校生育成狙う傾向に転換か
今年のドラフト会議が10月22日、行われる。ここ数年、社会人・大学生の即戦力を獲得する方針が強かった球団が、狙いを変えてくる可能性があるという。スポーツライターの加来慶祐さん今年のドラフトの傾向を分析する。 * * * 過去5年間のドラフトを振り返ってみると、1位指名の重複によって交渉権がくじ引きとなったケースは23回を数えた。4球団以上が競合した選手は4人で、最多は2010年の大石達也(早大~西武)で6球団。続いて2013年の松井裕樹(桐光学園高~楽天)が5球団の競合を受け、2010年の斎藤佑樹(早大~日本ハム)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭高~阪神)の4球団と続く。こうして指名が競合する選手というのは、各球団が即戦力として評価している、その年のアマチュア最高レベルにある選手たちである。 1位指名はくじに外れての再競合もある。ちなみに今季打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上のトリプルスリーを達成した山田哲人(ヤクルト)は、外れの外れ抽選でヤクルトが交渉権を獲得した“ドライチ”選手だった。 過去5年間における1位指名の競合23回のうち、最初の入札で競合したのは13回だ。内訳を見てみると、高校生が5回、大学生が7回、社会人が1回。“素材育成型”の高校生より、“即戦力・実戦派”の大学・社会人選手に人気が集まっていたことが理解していただけるだろう。 さらに、ここ3年間は大学・社会人からの1位指名選手が12球団中8選手を占めるという状態が続いている。このように、近年のドラフト戦線は将来性や育成強化を重視して高校生を獲得する球団よりも、すでにアマ球界で育成段階を経ている即戦力を獲得する傾向が強かった。高卒1年目で新人王を獲得した選手も、1999年の松坂大輔(当時西武)を最後に出現していないという事実も大きいか。 こうした大学・社会人優位のドラフトは続くのか? 果たして、高校生中心の“将来性ドラフト”へ移行していく可能性は、近未来も含めて残されているのだろうか? 某球団のベテランスカウトに話を聞いたところ「あくまで私見」として、今季ドラフトの傾向を予測してくれた。しかも「そろそろ潮流が変わる時が来ている」と、興味深い展望まで語ってくれている。「ここ数年のように、大学や社会人に核となるべき投手が少ないように感じる。昨年から1位候補として期待していた両左腕、上原健太(明大)、今永昇太(駒大)が今季は早々に出遅れました。さらにこの2投手に勝るとも劣らない即戦力評価の多和田真三郎(富士大)も秋の時点で投げていない。一方、今年の甲子園はスター揃いで盛り上がったし、大会後に行われたU-18ワールドカップの余韻もいまだ冷めやらない。となれば、自ずと目は高校生に向いてしまいますよね」 氏が名前を挙げた明大の上原は調整不足で春に出遅れたものの、秋のリーグ戦で復調傾向にある。しかし、今永は依然として長い回を投げる不安を抱えたままで、多和田に至っては右肩腱板炎症で秋のリーグ戦登板を回避している。 一方の高校生ドラフト候補たちはどうか。夏の甲子園で優勝した東海大相模の小笠原慎之介、準優勝した仙台育英の中核にあって大会3本塁打を放った平沢大河、高校球史に残るスピードスター・オコエ瑠偉(関東一)、夏の出場は逃したが最速152キロを誇る世代のエース・高橋純平(県岐阜商)など、注目された選手たちが実力相応の結果を見せ、プロ側の評価を大いに高めている。「山本昌や和田一浩、小笠原道大(いずれも中日)といったベテランの大物が相次いで引退し、長年にわたり球界の屋台骨を背負ってきた松坂世代もそろそろ幕を引こうとしている。球界全体が世代交代を加速させている時だけに、スター性を備えた高校生ってやはり大きな魅力なんです。どの球団も今年の山田や柳田悠岐(ソフトバンク)のような日本人スターが欲しいはず。もし、高橋やオコエらを上位で獲得できれば、球団は2軍で寝かせようとはしないでしょう」 過渡期の真っただ中にあるプロ野球界。氏の言うように、2015年ドラフトが時代転換の起点となる可能性は充分にある。
2015.10.18 16:00
NEWSポストセブン

プロ野球 今季の引退選手で打線を組んでみたら結構凄かった
プロ野球シーズンが押し迫り、今年もユニフォームを脱ぐ選手たちが現れ始めた。フリー・ライター神田憲行氏が、思い入れのある選手を語る。 * * * 10月1日現在までに引退を表明した選手をチーム別にまとめてみる。◎阪神タイガース渡辺亮(33)投手、関本賢太郎(37)内野手◎広島カープ河内貴哉(33)投手◎中日ドラゴンズ山本昌(50)投手、朝倉健太(34)投手、谷繁元信(44)捕手、小笠原道大(41)内野手、和田一浩(43)外野手◎横浜DeNAベイスターズ高橋尚成(40)投手◎日本ハムファイターズ木佐貫洋(35)投手、中嶋聡(46)捕手◎埼玉西武ライオンズ西口文也(43)投手、森本稀哲(34)外野手◎オリックスバファローズ平野恵一(36)内野手、谷佳知(42)外野手◎東北楽天ゴールデンイーグルス斎藤隆(45)投手、小山伸一郎(37)投手、山﨑浩司(34)内野手、小斉祐輔(32)内野手 かつての大選手の引退が多い。引退選手で打線を組んでみると、1森本稀哲(中)2平野恵一(二)3和田一浩(左)4小笠原道大(一)5関本賢太郎(三)6谷佳知(右)7谷繁元信(捕)8山﨑浩司(遊)9山本昌(投)(中継ぎ)西口文也(抑え)斎藤隆 打順やポジションに異論はあるだろうが、そこはお遊びなのでお許しいただきたい。彼らが全盛期ならAクラスは確実、リーグ優勝も狙える。 このなかで私の思い入れがとくに強いのは、楽天の小山投手だ。2005年に中日から移籍して球団創設時から在籍していた選手で、「ファウンダー」選手はあとはもう牧田明久しかいない。私は楽天1年目のルポ「97敗、黒字」を書いたときも、2013年の優勝時も現場で取材したときも、いつも小山がいた。 小山が楽天で初めてセーブポイントを挙げたのは2005年4月2日、フルキャスト宮城(現コボスタ宮城)での西武戦だった。西武の先発は松坂大輔だったが、貧打の楽天が5点を挙げ、最後に小山が締めて5対3で勝った。150キロのストレートにフォークボール、中日はなんと良い選手をくれたのか、これは「杜の大魔神」じゃないかと感激したものだ。その後のプレーは正直、「杜の大魔神」とはいかなかったが、中継ぎに抑え、敗戦処理のようなことまで与えられた役目を黙々とこなしていた。。 性格は陽気で、最初のころは「おちゃらけ」キャラのような存在だったと思う。それが年齢を重ねるとともに言葉と行動に重みが増し、優勝時には「投手陣のリーダー」と形容されるほどの存在感があった。そのころ小山は私に、「自分が楽天にやってきたばかりのころは、『楽天だから試合に出られている』といわれて、本当に悔しかった。いま優勝争いのチームで試合に出ていて、胸張ってやっていけるようになったと思います」 と、文字通り胸を張った。 2013年9月26日の西武ドーム、リーグ優勝を決めて、小山は喫煙コーナーに置かれた灰皿代わりの石油缶の前に座り、「ひぃひぃ」と声を挙げて泣いた。泣きながらライターの火を付けようするが、手が震えてつかない。そばにいた若い選手が「小山さん、なにやってんすか」と笑い、もらい泣きした。 その試合、抑えのためにブルペンからマウンドに向かう田中将大を小山は最敬礼して見送った。「田中に向かって敬礼されていましたね」 という私に、小山は、「いや、自分はどの試合でも、どの投手でも、ブルペンから登板する選手にはそうしています」 小山が中日から楽天に来たのは26歳、無償トレードだ。選手でも金銭でもない「無料で移籍」にプライドを傷つけられる選手もいる。しかし小山はこういう。「新しい球団では自分を先入観なく見てくれる。新天地で頑張りたいと思っていました」 プロ野球在籍期間は19年、楽天在籍10年で登板した試合数は409、とくに2008年から12年まで連続5シーズン50試合以上登板している。寒い仙台なのにいつもアンダーシャツは半袖だった。 もし小山がそのまま中日にいたなら、投手陣のリーダーとして、優勝の瞬間に立ち会えただろうか。引退記者会見をしてもらえるような選手になっていただろうか。本当に良いときに、良いチームに、良い選手がいてくれた。引退会見は腐らず、明るく、黙々と投げ続けた男につける最後の勲章になった。
2015.10.04 16:00
NEWSポストセブン

中村紀洋 古巣中日が獲得する可能性は「十分ある」と関係者
横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受けた中村紀洋(41)に、手を差し伸べる球団はあるのだろうか。昨年は不動の5番打者としてチームを引っ張ったが、今年はシーズン前にオリックスから同じサードを守るバルディリスが加入し、開幕二軍スタートとなった。 それでも4月18日に一軍登録されると4番に座り、勝負強い打撃を見せていたが、5月6日の巨人戦で「チームの方針に従わない言動があった」(中畑清監督)ため登録抹消に。以降、一度も一軍に昇格することなくシーズンを終えると、解雇通告が待っていた。 これまで近鉄、ドジャース、オリックス、中日、楽天、横浜と6球団を渡り歩き、トラブルを起こしては不死鳥のごとく甦ってきた中村。しかし、41歳を迎えた今回ばかりは、獲得に乗り出す球団があるのか疑問視されている。 そのなかで、最も注目を集めているのが、古巣・中日の動向だ。中村は、谷繁元信監督や、荒木雅博や和田一浩といった主力選手との関係も良好と言われる。何より、チームの編成権を握っているのは、かつての恩師である落合博満ゼネラルマネージャー(以下、GM)。はたして落合GMが獲得のゴーサインを出す可能性はあるのか。落合監督当時の中日球団関係者が話す。「実は、2011年オフに楽天を解雇されたとき、当時の落合監督に、ノリをもう一度呼び戻す可能性について聞いたことがあります。すると、落合さんは『どこを守らせるんだ?』と言っていました。サードは森野将彦、ファーストはブランコと不動のレギュラーがいましたからね。 そこで、『右の代打としてどうですか?』と聞いたら、結構考えていたんです。結局、小池正晃や平田良介という右打ちの準レギュラーがいたこともあり、獲得には至りませんでした。でも、今年の中日は、右の代打が明らかに不足していた。落合GMがノリを構想に入れても、何らおかしくありませんよ」 今年巨人から移籍し、打率3割をマークした左の代打の切り札・小笠原道大に加え、中村が加入すれば、相手にとって脅威となる可能性も。だが、ファンは過去の経緯を気にしている。2007年、オリックスとの交渉が決裂したノリは、落合監督(当時)に育成選手として拾ってもらい、中日に入団。復活を果たした。にもかかわらず、2008年オフにFA(フリーエージェント)権を行使し、楽天へ飛び立ってしまったという過去がある。「落合さんは、『FAは選手が獲得した権利。つべこべ言う権利はない』という考え方。FA移籍のことで、わだかまりを持つ人ではありません。また、選手が戦力になるか否かという点でしか判断しない。自分と仲が良い、良くないというのは、まったく関係ない。あくまで、使える選手かどうかしか考えません。 そういう意味では、『右の代打要員』として、ノリを獲得する可能性は十分あると思います。同じリーグに所属していたという点も大きいですね。今年、中日がDeNAに14勝9敗と大きく勝ち越したのは、昨年までDeNAでコーチを務めていたデニー友利、波留敏夫の2人の加入が確実に効いていたと思います。頻繁に対戦するチームの最新情報が手に入るのは、チームにとって間違いなくプラスに働きますからね」(同前) はたして今オフ、落合GMは中村をもう一度、獲得に動くかどうか。
2014.10.18 16:00
NEWSポストセブン

中日・小笠原 代打6打数連続安打記録した「不惑の復活劇」
統一球が導入された2011年から不振に陥り、昨年オフに巨人から追い出される格好でフリーエージェント(FA)宣言をし、中日に移籍した小笠原道大(40)。今季、代打の切り札としてチームに欠かせない存在になっている。スポーツライターが話す。「正直、復活は厳しいと思われていました。3年前、37歳という引退を考えても何らおかしくない年齢からスランプになった。かつて、その状態から40歳で復活を遂げた選手はほとんどいません。普通の選手であれば引退を選択するし、実際、巨人からは戦力外通告に近い形でのFA宣言となった。 それでも、日本ハム時代、現役をともにした落合博満GMに請われて移籍。やはり、球界随一といわれる落合GMの眼力は、衰えていませんでしたね」 前半戦終了時で、代打率3割5分3厘と高い数字を残し、7月1日のDeNA戦からは代打で6打数連続安打を放ち、1986年・谷沢健一、2000年・種田仁の球団記録に並んだ。「プロ野球の歴史の流れを考えても、この成績は価値があります。昔は先発完投が当たり前の時代。『代打の切り札』と呼ばれる選手は、先発が疲れてきた終盤の7~9回頃に登場していた。それが今では先発投手は100球程度で交代し、その後はセットアッパーやクローザーが登場する。しかも、150キロを悠々と投げてくる投手も少なくない。 それでも、『代打の切り札』の役割は、昔と変わっていません。終盤の試合を決める場面に登場し、結果が求められるわけです。要するに、昔以上に『代打の切り札』は厳しい状況になっている。 そのなかで、小笠原は結果を出している。7月1日からの6打数連続安打も、内容が素晴らしい。DeNA・三上朋也、巨人・マシソンというクローザーや、広島・前田健太という球界を代表するエースからもヒットを放っているし、9回に先頭打者として同点の口火を切るヒット、7回に逆転2点タイムリーと、その質も一級品です」 時とともに変貌を遂げるプロ野球界において、これまた昔では考えられない40歳になっての復活劇。不惑のバットマンは、まだまだ魅せる。
2014.07.25 11:00
NEWSポストセブン

中日優勝は巨人選手獲得した年に多い 小笠原効果で今季は?
いよいよプロ野球が開幕を迎えるが、特に注目したいのは、戦力が大きく入れ替わった中日ドラゴンズだ。落合博満ゼネラルマネージャー(GM)、谷繁元信選手兼任監督という新体制で臨む2014年の中日は、4人の新外国人選手、ロッテを自由契約となった工藤隆人、巨人からフリーエージェント(FA)で小笠原道大を獲得。一方で、先発要員だった中田賢一がFAでソフトバンクへ、年俸の大幅ダウンを提示され、退団した井端弘和は巨人へ移籍した。 外国人は未知数であり、小笠原や工藤はここ数年活躍していない。ファンにとっては、不安の残るストーブリーグとなったが、吉兆を示すデータもある。過去9度のリーグ優勝のうち、実に5度が巨人から選手を獲得した年なのだ。 巨人のV10を阻止し、2度目の優勝を果たした1974年は、ベテラン広野功が巨人から古巣の中日に出戻り。このときの監督である与那嶺要も、元巨人だった。 星野仙一監督が率いた1988年は、巨人を自由契約となった仁村薫を引き取ると、その年に仁村はキャリアハイとなる成績を残した。星野第2次政権下の1999年には、シーズン途中に捕手の吉原孝介をトレードで獲得している。 落合博満監督が就任した2004年には、巨人コーチ就任の決まっていた川相昌弘が突然の原辰徳監督の辞任に伴い、引退を撤回。落合監督に請われ移籍すると、貴重な場面でバントをきっちりと決め、チームに貢献した。落合監督2度目の優勝となった2006年には、FA移籍した野口茂樹の人的補償として捕手の小田幸平を指名。谷繁に次ぐ2番手捕手として、活躍している。 また、3度目の優勝となった1982年には選手の移籍こそなかったが、巨人のV9戦士である黒江透修が参謀として、前年から近藤貞雄監督に仕えていた。2010、2011年の連覇時にも巨人からの移籍はなかったが、2009年に以前巨人の抑えを務めた河原純一を獲得しており、小田は変わらず在籍していた。 振り返ると、中日の過去9度の優勝には、巨人に色濃く染まった人間が必ずといっていいほど関わっているとわかる。この傾向は偶然なのか。あるスポーツライターはこう分析する。「巨人を倒さなければ、リーグ制覇はできない。ライバルの内部を知り尽くしている選手を獲ることで、確実にチーム力がアップしました。特に、落合監督時代は意識的に巨人野球をよく知る選手を獲っていた。川相ほどのベテランになれば監督やコーチを含めた隅々まで理解しているし、捕手である小田は投手のクセや心理などを把握している。2人は成績以上に、目に見えない部分でかなりの貢献をしています。 また、与那嶺監督を代表として、『巨人を追い出された』という意識があるため、古巣に意地で立ち向かうという精神的な意味合いも大きいのでしょう。今年中日にやってきた小笠原はFA宣言をしたとはいえ、巨人での出場機会が見込めないための移籍となった。期待が持てるのではないでしょうか」 こうしたジンクスから行けば、今年の中日は優勝の可能性を秘めている。ただし、今年の場合は中日の核だった井端弘和が自由契約となり、巨人に移籍。古巣へ並々ならぬ対抗心を燃やしてくる。「巨人選手の移籍=中日優勝」というジンクスを、小笠原が守るのか。それとも、井端が破るのか。
2014.03.21 07:00
NEWSポストセブン

FA移籍の「人的補償」の歴史 成功例は福地、赤松、工藤など
プロ野球のフリーエージェント(FA)戦線が活発化してきた。今年は涌井秀章、片岡治大(ともに西武)、大竹寛(広島)、小笠原道大(巨人)など8選手が手を挙げ、争奪戦が始まっている。もちろん、宣言した当事者にとっては、自身の野球人生を左右する一大イベントだが、それとは別に各チームの“一軍半の選手”も、FA移籍を注視しているはずだ。 というのも、年俸ランクがAもしくはBの選手(※注)がFA移籍する場合、選手が流出する球団は人的補償を要求できるからだ。選手は28人のプロテクトに入らなければ、人的補償として他球団へ移籍せざるを得なくなる。【※注】各球団の外国人選手を除く年俸ランクで、1~3位はAランク、4~10位はBランク、11位以下はCランクとなる。 1993年オフにFA制度がスタートした日本球界では、これまで人的補償で15人が移籍している。1990年代は、川邉忠義が巨人から日本ハムへ移ったのみだったが、2000年代に入り、その数は急増した。スポーツライターはこう分析する。「投手でいえば、昔は先発完投を求められましたが、今は先発、中継ぎ、抑えと完全な分業制になりました。1990年代もその傾向はありましたが、2000年代に入り、顕著になった。 野手も、昔は9人野球が理想とされましたが、今は9人で試合が終わることは滅多に見られない。メジャーに倣い、主力が休養日を取るチームもあるほど。要するに、全体的に選手層が厚くなったのです。レギュラークラスの実力を持つ選手が増え、必然的に良い選手がプロテクトに入りきらなくなったのでしょう」 過去を振り返ると、2008年は人的補償の当たり年だった。西武へFAした石井一久の代わりに、ヤクルトへ入団した福地寿樹は打率3割2分で打撃ベストテン6位に入り、盗塁王を獲得。2012年に引退するまで、毎年2ケタ盗塁を続け、ヤクルトに欠かせない選手となった。今年からはコーチに就任。福地にとって、人的補償が野球人生の道を拓いたといえるだろう。 阪神へFAした新井貴浩の代わりに、広島へ入団した赤松真人は前年わずか28試合だった出場数が125試合まで増加。新天地で活路を見出し、翌年は初の規定打席に到達。2010年には、フェンスによじ登って、ホームラン性の当たりをキャッチするなど、すっかり広島の看板選手となった。 また、中日へFAした和田一浩の代わりに、西武へ入団した岡本真也は47試合にリリーフ登板し、日本一に貢献。中継ぎとして、貴重な役割を担った。 この年は、FAした選手も活躍した上に、人的補償の選手も飛躍を遂げ、両球団にとって良い形となった。人的補償という言葉にはマイナスイメージがつきまとうが、選手にとっては大きなチャンスだともいえる。 なかには、FA選手よりも人的補償選手が好成績を残す場合もある。2006年、巨人は中日から野口茂樹を獲得。かつてのMVP投手は期待を寄せられたものの、わずか1試合の登板に終わる。野口は2008年限りで巨人を戦力外通告に。代わりに、中日へ移った小田幸平は、谷繁に次ぐ貴重な2番手捕手として、未だに現役生活を続けている。 2007年、巨人は横浜から門倉健を獲得。2年連続2ケタ勝利の門倉は開幕2戦目に先発するなどローテーションの一角として期待されたが、なかなか勝てず、1勝5敗でシーズンを終えた。いっぽうで、門倉の代わりに横浜へ移った工藤公康は先発として7勝を挙げ、チームの4位浮上に貢献した。 入団時は三顧の礼をもって迎えられるFA選手たちだが、1年後は人的補償で移籍した選手のほうが活躍している可能性もある。現在のFA交渉でホクホク顔の選手たちが、来年も笑っていられるとは限らないところに、プロ野球の面白さがある。
2013.11.23 16:00
NEWSポストセブン

小笠原FA宣言 巨人へFA移籍の15人中12人が巨人で現役終えず
巨人・小笠原道大(40)がFA(フリーエージェント)宣言をした。2010年の統一球導入から打棒が奮わなくなり、今年はわずか22試合出場で打率2割5分、1本塁打、8打点と成績を残せず。日本シリーズに出場できる40人枠から外されたことは、実質的な戦力外通告に等しかった。 それでも、巨人は小笠原を自由契約にはせず、トレード要員と噂されていたが、小笠原はみずから手を挙げ、現役続行を表明した。 小笠原といえば、2006年オフに日本ハムから巨人にFA移籍。このとき、巨人は4年連続V脱という低迷期。そのピンチを救ったのは、小笠原のバットだった。チームを5年ぶりの優勝に導き、MVPを獲得。リーグをまたいでの2年連続受賞は史上初の快挙だった。以来、4年連続で3割30本塁打を達成し、名実ともに巨人の顔となっていただけに、この退団の経緯は残念だろう。 巨人は、1993年オフの落合博満を皮切りに、一昨年オフまでに15人のFA選手を獲得してきた。FAで巨人入りすれば、高年俸と引退後の生活が保証されそうなものだが、どうもそう簡単にはいかないようだ。 実は、過去の15人のうち、そのまま巨人で引退した選手は川口和久(広島→巨人)だけ。これまで、現役の村田修一、杉内俊哉を除く12人が自由契約やFAの人的補償で巨人を去っている。小笠原のように巨人へFA移籍した選手がFAで他球団移籍するのは、初のケースだ。自由契約組は8人。 巨人初のFA獲得選手である落合博満は、3割を打った1996年オフに日本ハムに移籍。その落合を追い出した形となった清原和博(西武→巨人)は2005年オフに自由契約となり、オリックスに移籍した。広沢克己(ヤクルト→巨人)は阪神、河野博文(日本ハム→巨人)はロッテ、豊田清(西武→巨人)は広島で現役を終えている。 野口茂樹や前田幸長(ともに、中日→巨人)、門倉健(横浜→巨人)は、日本のプロ球界では巨人が最後の所属球団だが、その後アメリカに渡り、メジャーに挑戦している。彼らはいずれも、最終的には巨人から戦力外通告を受けている。 巡り巡って、みずからがFA人的補償の対象になるのも、巨人にFA移籍してきた選手の宿命か。江藤智(広島→巨人)は西武、工藤公康(ダイエー→巨人)は横浜、藤井秀悟(日本ハム→巨人)も横浜へ去って行った。 なお、引退後、巨人のコーチに就任したのは、川口和久、江藤智、豊田清の3人しかいない。現在、現役で巨人に残る2人のFA移籍選手、村田修一と杉内俊哉はどうなるか。
2013.11.23 07:00
NEWSポストセブン

“統一球最大の被害者”巨人・小笠原 限界説を払拭できるか
巨人・小笠原道大(39)がいよいよ一軍に昇格する。17日には東京ドームでの一軍の試合練習に参加、DHが使える19日の日本ハム戦から昇格すると見られている。 小笠原は、春季キャンプでフリー打撃中にバットが折れ、左手人さし指を裂傷。オープン戦終盤には一軍に帯同したが、結果を残せず、開幕を二軍で迎えた。「小笠原こそ、統一球最大の被害者といえます。5年連続3割30本を記録していたのに、統一球導入の一昨年、突如として調子を崩し、レギュラー定着以降、初めて100安打に届かず、本塁打もわずか5本。昨年も調子は戻らず、入団1年目以来の本塁打ゼロに終わりました」(スポーツライター) 今季、首位を独走する巨人だが、左の代打は石井義人、亀井善行(今季から改名)だけ。2人とも好調とはいえないだけに、まだまだチャンスはあるはずだが、小笠原は当初、二軍でもなかなか成績を残せなかった。「5月7日の日本ハム戦では、大谷翔平と対戦したことで、久しぶりに話題になりましたが、あの打席を観ればわかるように完全なボール球に手を出している。小笠原らしくない。周囲では、もう限界かとの声も聞かれていました。 しかし、今年のボールは昨年までと同じ統一球とは思えないほど飛んでいる。統一球に戸惑ったかどうかは、本人にしかわからないですが、事実として導入年から急激に成績が下降した。統一球導入以前と同じように、ボールが飛んでいる今年、二軍での調整を経て復活を期す小笠原の打撃に期待したいところです」(同前)
2013.05.18 16:00
NEWSポストセブン

ニッチロー イチローに会ったら「目の前でものまねやりたい」
ヤンキース・イチロー選手(39才)のそっくりパフォーマンスで注目のニッチロー(34才)。とんねるずの番組でその認知度をじわじわとあげているが、実は彼、アメリカではちょっとした有名人だ。現役メジャーリーガーたちからもその存在を知られるようになったのは、ある事件がきっかけだった。ニッチローに聞いた。――イチロー選手の試合観戦のためアメリカにも行っているとか。ニッチロー:2011年にはシアトルに観戦の旅に出かけました。そこであの事件が起きてしまって…(苦笑)。――インボールキャッチ事件ですね。ニッチロー:そうです。インプレー中のボールをファウルボールと勘違いして身を乗り出してキャッチするという失態を演じてしまいました。ちゃんと見ていなかったということもあり、すっかりファウルボールと思い込んで、キャッチして近くにいる子供にプレゼントしようとしたら、大ブーイングが起こって…。すぐに係員に連行されました。一瞬、頭の中が真っ白になりましたね。――しかもアメリカ全土にその姿が放送されてしまったとか。ニッチロー:試合前にアメリカのテレビ局から「今日はお前の姿をずっと追っかけるからな」と言われたんですよ。だから連行されるシーンも放送されてしまって…。でもそれを見ていたマリナーズのオーナー夫人が「彼は知らなかっただけだから、解放してあげなさい」と言ってくれたみたいで、なんとかセーフでした。大ブーイングでしたし、本気で殺されると思いました。次の日もチケットをとっていたので、“あーあ、その試合は見られないのかあ”と落胆しましたが、無事、観戦することができました。――とんねるずの石橋貴明さんも『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~」でそのことに触れていました。ニッチロー:番組の収録で、あいさつに行ったんですが、その時も「大丈夫だった?」って聞かれましたね。おかげで顔を知ってもらえたのか、そのあと、マリナーズの球場見学をしていたら、係員から呼び出され、フェリックス・ヘルナンデス選手と対面することができました。この間、テレビ番組の企画でヤンキースのカーティス・グランダーソン選手に会ったときも“あの時の人だよね?”と言われましたし。――日本のプロ野球関係者と会うことはあるんですか?ニッチロー:数多く会わせていただきました。張本勲さん、古田敦也さん、小笠原道大選手などなど…。――みなさんの反応は?ニッチロー:そっくりって言ってくれますね。憧れの選手たちだからうれしいですよ。――肩書きはパフォーマー兼俳優となっていますが。ニッチロー:もともと俳優志望なんですよ。今もぼくの中ではモノマネではなくて、イチロー選手を演じている俳優というスタンスなんです。――映画や舞台に出演経験は?ニッチロー:今年は舞台に出ました。ただし、イチロー選手役で。あとはゆずのライブにも出させてもらいました。2012年のゆずの東京ドーム公演では5万人の前でパフォーマンスをして。あれは気持ちよかったですね。――これからもイチロー選手を演じていく予定ですか?ニッチロー:俳優としてほかの役もやりたいですが、やっぱりイチロー選手はずっとやっていくでしょう。2010年に10年連続200本安打を達成したとき、実はぼくの誕生日だったんです。運命を感じて、飲食店の仕事を辞めて、パフォーマンス1本でやっていくことを決意しました。――イチロー選手に会ったら、まず何をしたいですか?ニッチロー:シアトル事件のことを謝りたいですね。そしてものまねをやってくれと言ってくれたら、イチロー選手の目の前でひと通りのパフォーマンスはしたいと思っています。無理して会いたいとは思いませんが、何かのタイミングで会える気がするんです。それまでにもっと今の芸を磨かないと!【ニッチロー】1978年9月23日生まれ。長野県出身。本名・今村健太。俳優でパフォーマー。2009年より路上でイチロー選手のものまねパフォーマンスを始める。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「博士と助手~細かすぎて伝わらないモノマネ選手権~」第17回で準優勝。ものまねショーレストラン「そっくり館キサラ」にレギュラー出演中。
2013.01.02 16:00
NEWSポストセブン

総額60億超 高年俸選手のみでWBC代表を選んでみた
WBC監督人事も終わり、ようやく代表選手選考が始まりそうだが、その前に『週刊ポスト』は独断と偏見でこんな代表を提案してみます。NPB、MLBの日本人選手を対象に、年俸の高い順にセレクトした。その名も“金満ジャパン”。 最高はもちろん約15億円を稼ぎ出すイチローで、最低でも金本の2億2000万円。監督は球界最高年俸の原監督で、金本と同額だった。メンツを見ると、監督はもちろん、クリーンアップまで全員、前回大会の出場者。ちなみに当時は田中、黒田も代表候補に挙がっている(未出場)。その意味では妥当な人選といえそうだ。【プロの評価はお金で決まる 高年俸軍団の底力「金満ジャパン」】「野手」(打順/名前/チーム名/ポジション/年俸・万円)1:鳥谷敬/神/遊/300002:田中賢介/日/二/270003:イチロー/NYY/中/1440004:阿部慎之助/巨/捕/400005:和田一浩/中/右/330006:城島健司/神/DH/400007:小笠原道大/巨/一/430008:金本知憲/神/左/220009:小久保裕紀/ソ/三/30000「投手」(名前/チーム名/年俸・万円)先発:黒田博樹/NYY/80000中継:松坂大輔/BOS/83000抑え:ダルビッシュ有/TEX/44000 日本人最高額は小笠原。続くのは阿部と城島だが、引退会見で涙ながらに述べた「もう捕手はできない」との弁から城島がDH。20代がダルビッシュだけという、ベテラン揃いのオーダーに。(年俸はいずれも推定)※週刊ポスト2012年10月19日号
2012.10.12 16:00
週刊ポスト

巨人の7選手が東京ドームの期間限定弁当をプロデュース中
セ・パ交流戦真っ只中のプロ野球。シーズン当初の不振からようやく抜け出した感のある巨人の本拠地・東京ドームで、開場直後から売店に行列ができるのが、選手こだわりの素材と味で勝負する選手プロデュース弁当だ。 昨年新登場で3選手のみだったが、人気を博したため今年は7選手に。販売は期間ごとに変わり、坂本勇人、小笠原道大、高橋由伸、澤村拓一は6月11日まで、阿部慎之助、坂本、内海哲也、長野久義は6月23~7月12日。目当ての弁当を食べて、熱の入った応援を。 写真は「ジャビット弁当」(1300円)。ジャイアンツカラーのオレンジ色で彩られた弁当は、薄焼き卵☆3つの旨さ。容器は再利用可。中身は期間によって変わり、写真のものは7/1まで販売。撮影■山崎力夫※週刊ポスト2012年6月8日号
2012.05.29 07:00
週刊ポスト

ポジション別守備下手選手に金本、新井、鳥谷――MLB指標
今季のプロ野球は極端な「投高打低」。必然的にロースコアの接戦が多くなるため、ひとつの失策や手を抜いた守備が試合の展開を変えることが少なくない。象徴的だったのは5月8日、巨人―横浜戦での捕手・阿部の落球だ。この失策がきっかけで同点に追いつかれている(結果は引き分け)。通算201勝を記録した平松政次氏はこう語る。「我々が現役の頃も、今と同じ投高打低で、防御率1点台の投手がゴロゴロいた。こうした状況では、守備のミスからガタガタ崩れるケースが多かった」 守備の優劣と聞いて誰もがまず考えるのは「失策」だろう。しかし失策が多いからといって、守備が下手とは言い切れない。それなら、プロ野球史上最も多く失策した選手が、一番下手だということになってしまう。ポジション別の歴代最多失策を見ると、捕手のトップは野村克也氏の271個、一塁手は王貞治氏の165個と、名だたる「名手」ばかりであることがわかる。 失策は重要な要素だが、その数だけで守備の優劣は判断できない。そこで本誌は、MLBの公式記録にも採用されているレンジファクター(RF)という指標に注目した。これは「野手が1試合につきアウトをとるのにどの程度貢献したかを表わす数字」で、「アウト寄与率」とも呼ばれる。守備範囲の広さ、捕球・送球の技術で、同ポジションの選手を相対的に比較する指標である。※レンジファクター=(刺殺+補殺)÷イニング×9 それでは各ポジション・リーグ別の1位と最下位を見てみよう。当該ポジションで500人以上出場の選手を対象とする。なお、データは2011年度の成績に対応している。<セ・リーグ>【一塁】1位:小笠原道大(巨人)10.63(RF。以下同)最下位:畠山和洋(ヤクルト)8.71【二塁】1位:井端弘和(中日)6.12最下位:東出輝裕(広島)5.52【三塁】1位:森野将彦(中日)2.75最下位:新井貴浩(阪神)2.33【遊撃】1位:坂本勇人(巨人)4.92最下位:鳥谷敬(阪神)4.43【左翼】1位:スレッジ(横浜)1.82最下位:金本知憲(阪神)1.13【中堅】1位:丸佳浩(広島)2.44最下位:長野久義(巨人)2.02【右翼】1位:廣瀬純(広島)2.21最下位:バレンティン(ヤクルト)1.70<パ・リーグ>【一塁】1位:浅村栄斗(西武)10.49最下位:カスティーヨ(ロッテ)9.20【二塁】1位:内村賢介(楽天)5.81最下位:井口資仁(ロッテ)4.92【三塁】1位:松田宣浩(ソフトバンク)2.75最下位:バルディリス(オリックス)2.27【遊撃】1位:金子誠(日本ハム)4.72最下位:川崎宗則(ソフトバンク)4.23【左翼】1位:伊志嶺翔太(ロッテ)2.47最下位:中田翔(日本ハム)1.75【中堅】1位:岡田幸文(ロッテ)2.58最下位:栗山巧(西武)1.99【右翼】1位:鉄平(楽天)2.07最下位:多村仁志(ソフトバンク)1.77※週刊ポスト2012年6月1日号
2012.05.26 16:00
週刊ポスト

野球の合同自主トレ、派閥作りの面も 巨人最大派閥は阿部派
いよいよ明日、プロ野球春季キャンプがスタートする。キャンプ以前に行う自主トレーニングは、何人かの仲間で「合同自主トレ」を行なうのが近年のトレンドだ。「キャッチボールするにも相手が必要だし、一人でグラウンドを借りたらカネがかかる。個人トレーナーや練習パートナーを雇える選手は例外ですが、若手選手の大半はこのパターンです」(スポーツ紙記者)一般的には同じチームの野手同士、投手同士で集まるが、最もポピュラーなのはベテラン選手が有望な若手を誘うやり方だという。例えば、原辰徳・巨人監督は現役時代、伊豆・修善寺に岡崎郁、川相昌弘、吉村禎章、村田真一を集めて自主トレを実施。こうした組み合わせの場合、ベテランが全員分の経費を負担することが多い。今年の巨人ではキャプテンの阿部慎之助が若手有望株の大田泰示を、エースの内海哲也は東野峻と沢村拓一を誘った。このスタイルには「チーム内の派閥づくり」という面があるという。巨人番記者が明かす。「巨人の最大派閥は阿部。食事や滞在費はすべて阿部持ちだから、年俸の低い若手にとっては神様のような存在です。ガッツ(小笠原道大)派というのもあり、こちらには日ハム時代から仲のいい実松一成らが参加しますが、朝9時から夜6時までみっちり練習した上、夜は浴びるように酒を飲む。参加選手は序盤からヘトヘトになっています(笑い)」若手選手から見れば、誰が誘ってくれるかで将来が左右されかねない。「オフになると“誰が最初に阿部から誘われるか”で気が気じゃないはずです。金銭的なメリットはもちろんですが、原監督から信頼されるキャプテンの弟分になれば、シーズンに入ってからも何かと都合がいいと考えているのでしょう。以前は高橋由伸も同じような派閥を率いて自主トレをやっていたが、近年の不振のせいかほぼ壊滅状態。若手にとっては、誰の自主トレに参加するかは大切な処世術なのです」(同前)※週刊ポスト2012年2月10日号
2012.01.31 07:00
週刊ポスト
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