芸能

視聴率低迷『いだてん』 受信料無駄遣い国会審議入りの声も

ドラマの打ち上げに出席した中村勘九郎

 NHKにとって、釈然としない2週間だったのではないか。10月13日放送の大河ドラマ『いだてん』は、裏番組のラグビーW杯「日本vsスコットランド」戦の煽りをもろに受け、視聴率3.7%と大河史上最低の視聴率を記録した。その翌週の20日、逆に、総合テレビの同枠で「日本vs南アフリカ」を放送する立場となり、視聴率は41.6%と、驚異的な回復を見せた。

「もともとBSでの放送予定が、日本が予選リーグを1位で勝ち上がったため、地上波でも放送されることになったんです。上層部は上機嫌だそうですが…」(NHK関係者)

『いだてん』は初回こそ15.5%とまずまずのスタートを切ったが、6話にして1ケタ台に転落。その後は5~7%と低迷し、浮上の兆しはおろか、沈み続けている。コラムニストの吉田潮さんが低視聴率の原因を指摘する。

「これまで大河ドラマであまり取り上げられてこなかった近現代史で、学校でもほとんど教わってこなかった内容なので視聴者が興味を抱きにくい。しかもテンポが速いうえ、アスリート編と落語編で時代が行き来してしまい、視聴者が混乱したことも理由だと思います」

 その『いだてん』の“体たらく”によって、大河ドラマにメスが入るという。

シンプルな装いで登場した勘九郎

 NHKは公共放送として国民の受信料で成り立っている。それゆえ毎年度の予算は国会の承認を得ることが放送法で定められている。全国紙政治部記者はこう語る。

「毎年、通常国会でNHKが組んだ次年度の予算が審議され、承認を得るという流れですが、来年は『いだてん』の低視聴率がやり玉に挙げられるのは確実だそう。大河ドラマは1話の制作費が衣装やセットなど含め、1億円かかるといわれている。そんなにお金をかけているのに視聴率が取れないので、“受信料の無駄遣い”が指摘される、ということのようです。

 昨年の審議でNHK側は大河ドラマについて“視聴者のニーズや時代の動きをくみ取って企画を決定している”と答えていただけに、“本当にニーズに合っているのか?”という質問がされることが予想されます」

 NHKは、来年の国会での審議について、

「そのような情報は、把握しておりません」(広報部)

 と答えた。

 来年の『麒麟がくる』は、大河ドラマの原点ともいえる明智光秀が主役の戦国時代が舞台。巻き返しなるか――。

※女性セブン2019年11月7・14日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン