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野田聖子独白70分 総理をめざす女たちの「悪名」と「宿命」
日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第3弾に登場するのは、過去に何度も断念した自民党総裁選に昨年やっと出馬を果たした野田聖子・男女共同参画担当相(61)だ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。第1弾(高市早苗氏)、第2弾(稲田朋美氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全5回の第1回】竹下登氏「悪名は無名に勝る」──今日は週刊誌のインタビューです。「ですね。ずいぶん私も叩かれてきましたけど」──(この記事が載る)『週刊ポスト』ですか?「他の週刊誌なんですけど、記者さんに『野田聖子と小渕優子の名前が出ると売れるんですよ』って言われたことがあります。もう、女性議員は面白おかしく叩かれる対象なので、自分たちの宿命なんだと納得するようにしています」──そういう感覚って、先輩の誰かに教えてもらえるものなんですか。「一年生議員の時に、生前の竹下登先生からいただいた言葉がずうっと自分の軸になっているんですけど、一つは『悪名は無名に勝る』。埋没することは永田町では死に等しいということ。もう一つは、『数字で勝負しろ』。女は子宮でモノを考えているというのが世間一般の理解だから、男の人たちにバカにされないように統計をもとに政策で押していけということ。少子化問題も、グラフを見れば一目瞭然なんだけど、みんな何となく気合いだ、気合いだの政治家が多い。私は数字を追いかけながら、法案を組み立ててきました。気合いよりも実務で見せる。だから、かわいげがないの(笑)」──来年で初当選から30年を迎えますが、悪名をも「宿命」と受け止められるようになったのは、いつ頃からですか?「子どもを産んだ頃かな。50歳で産みましたから、10年ぐらい前。子育てしていたら、些事に構っていられなくなった。まあ、やむを得ないんですよ。女性は数が少ないから、どうしても目立ってしまう。だから、大臣になれるのも早いということもあるかもしれないけれど、その分、攻撃される。男性の地味な議員だったら話題にならないことでも、女性だと記事に書かれやすい。そこは、もう天秤にかけて、数が少ないから仕方ないというのが帰結ですよね」──それは、30年間変わってないですか?「全然変わってないです。いまだに昭和。昭和って相当ディープなんだと思います。昭和の価値観が日本社会の随所にいまだに色濃く残っている。それで、若い男性も苦しんでいると思う」──「昭和」に苦しんでいるのは女だけでない?「うん。たとえば、男性が育休を取りにくい空気とか、そもそもパワハラなんて、昭和にあった上下関係の名残りですよね」──現在は内閣府の大臣ですが、役所も「昭和」のままですか?「割とみんなテレワークを活用しています。こないだも私の秘書官の娘さんが受験直前で、父親としてコロナ予防をするためにリモートで出勤していました。大臣室のスタッフも24時間、365日、大臣のそばにいなきゃいけないという時代ではなくなってきています。 事務所に出れば、いい仕事ができるわけでもないから、男性も女性も仕事量を半分くらいにしていいと思うんですよ。それをはばむ壁が、『昭和』という名の岩盤の上にあるのかな。そこがポコッと割れれば、一気に流動性が生まれる。もう、小泉純一郎顔負けの構造改革ができる」──自民党こそ「昭和」。そこで野田さんが党内で訴えてきた「ジェンダー平等」という概念も、以前よりは浸透してきました。「男の人たちの間にも、少子化が安全保障上の危機であり、ジェンダー不平等は国家の危機だという理解がだいぶ広がりました。私が小渕恵三内閣で郵政相だった時、経済企画庁長官が作家の堺屋太一さんだったんです。その当時、すごくかわいがってくれて、『聖子ちゃん、ウソも100回言うとホントになるよ』と教えてもらいました。ホントのことだけれど30年間言い続けて、今、やっと聞き入れられるようになってきた。──逆に、30年も聞き入れられなかった……。「つい最近ですよね。今でも実態は聞き入れられてなくて、直近の衆院選挙でも自民党の初当選者は30人以上もいたのに女性はゼロ(※参院から鞍替えした2人を除く)。他党も女性が減ったし、こんどの参院選挙の候補予定者も女性がめっちゃ少ない。自民党もまったく変わってないなっていう感じですよね。 まあ、まだまだですけど、出産や子育てとか、母子福祉的な話を男性でも恥ずかしがらずに言えるようになってきた。入り口に来た感じがします。たとえばね、自民党の若手に『ミスター生理』がいるの」──え!?「宮路拓馬君(内閣府政務官)。すごいですよ」(第2回につづく)【プロフィール】野田聖子(のだ・せいこ)/1960年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業後、帝国ホテルに入社。1987年、岐阜県議会議員(当時最年少)に。1993年、衆議院議員に初当選。その後、郵政大臣、総務大臣、女性活躍担当大臣、マイナンバー制度担当大臣、幹事長代行などを歴任。現在は、男女共同参画担当大臣。衆院岐阜1区選出、当選10回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.04.01 18:40

稲田朋美独白60分 「ポスト岸田」高市早苗・野田聖子両氏との大きな違い
日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第1回】──稲田さんはいつもおしゃれなメガネをかけていますよね。「これは、いちばんのお気に入りです。2年くらい前に地元の福井市で買いました」───福井県のメガネといえば、鯖江市が全国的に有名ですが、福井市にも工房がある?「あります。『おしょりん』という新作映画の撮影がまもなくはじまるところなんですけど、明治時代にメガネ産業の礎を築いた福井市の増永眼鏡の物語なんです」──今調べたら、メインキャストの一人が小泉孝太郎さんのようですね。「はい。私の選挙区が舞台ですから、元小泉チルドレンとしてもうれしいです。やっぱり鯖江のブランド力は強いですが、福井も敗けていません。職人さんたちには『こっちが元祖や』というプライドがあります」──何種類のフレームを使い回しているんですか。「30から40くらい持っていますね。第2次安倍政権でクールジャパン担当大臣になった時(2012年)、日本製の良いものを海外に向けてアピールしようと目を付けたのが、地元産のメガネだったんです。同じ福井の繊維産業から生まれた、おしゃれな網タイツと一緒に。それで毎日かけるようになった頃はまだ、度を入れてなかったんですが、今ではすっかり老眼になってしまって……」──稲田さんがメガネ姿に“イメチェン”して戦ったのは、当選4回目の選挙(2014年)からということですね。「はい。当時の秘書にはちょっと心配されました。『これから“メガネの人”にイメージが変わっちゃいますよ。いいんですか?』って。まあ、けっこう似合ってるからいいかなって(笑)」──ポジティブ! この連載の第1弾(3月18・25日号)でも高市早苗さんとメガネの話になりました。長時間かけていると、鼻の付け根の肌が剥けてしまうので困っている、と。「私も鼻の付け根がシミになるのを気にしていましたが、こめかみで留められるタイプもあるんですよ。じゃあ、こんど高市先生に勧めてみよう。ご主人(山本拓・前衆院議員)は鯖江出身だから、高市先生がメガネを掛けるとみんな喜ぶと思う」──昨年秋の自民党総裁選では、高市さんが出馬し、1回目の国会議員票で2位になりました。稲田さんは高市支持で動いた。その理由は?「政治の師である安倍さんが支援したことが大きいですね。また、保守の部分での国家観は非常に近いし、(稲田氏が前事務局長を務めた)神道政治連盟の国会議員団も高市先生を推していましたので」──高市さんに加え、野田聖子さんも出た。総裁候補4人のうち2人が女性という画期的な戦いでした。2人とも稲田さんと同年代ですが、政治経験は10年以上も先輩。同じ「女性議員」とはいえ、見てきた永田町の景色に違いはありますか。「私の初当選は女性の新人が16人も通った小泉郵政選挙(2005年)でしたが、おふたりの時代はもっと少なかった。以前に野田先生から聞いたのは、1993年の初当選時、自民党の同期が26人いて、女性は自分一人だったそうです。高市先生は後に他党から合流されましたが、おふたりともそれぞれ自分で道を切り開いて、今の地位を築いている。でも、私だったら、一人で切り開くのは大変やなと思ったんですよね。16人いた女性の同期も、3人(※参院鞍替えは除く)まで減ったし。だから、同世代の女性たちで派閥を超えた塊をつくって、『女性議員飛躍の会』(2019年設立)という議員連盟を党内で立ち上げました」 稲田氏の政界デビューは比較的遅い。野田氏の26歳、高市氏の32歳に対し、46歳だった。ただ、両者より結婚は早く、30代で出産を経験。大阪で弁護士事務所を一緒に営む夫と、元教師の実父はともに筋金入りの民族派だったが、自身は政治と無縁の人生を歩み、2児の子育てに邁進した。 それがある時、言論誌に投書したのをきっかけに草の根保守運動に携わるようになった。日中戦争時に旧日本軍が中国人に行なったとした「百人斬り」の報道を虚偽とする訴訟では原告側代理人に。2005年の郵政選挙前夜には安倍晋三・党幹事長代理(当時)の目に留まり、公示日の2週間前にスカウトされる。稲田氏は郵政民営化造反組への刺客として衆院福井1区に送り込まれ、373票の僅差で勝利。福井県から女性議員が当選したのは、59年ぶりであった。 稲田氏は福井県越前市生まれだが、4歳で京都に引っ越している。地元との地縁は薄く、世襲でも元官僚でもない。事実上の“落下傘”でありながら、これまで6戦全勝を誇る「無敗の女」である。その点でも落選経験のある高市、野田両氏と異なる道を歩んできた。──2015年あたりから高市さん、野田さんと並んで「初の女性総理候補」と目されましたが、その中で自分だけ昨年の総裁選に出ませんでした。党史上初めて複数の女性が挑む歴史的決戦を見ていて、稲田さんには悔しさもあったでしょう?「自分も出て論戦したいなとは思いましたが、やっぱり2人とも圧倒的な力を持っている先輩ですし、むしろ肯定的に、複数の女性が出るってことはすごくいいことだと思いました。私がいなくても扉は開いた、私も総理を目指していいんだ、という気持ちになりましたよ」(第2回につづく)【プロフィール】稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 13:09

「ガラスの天井はなかった」高市早苗独白60分 野田聖子氏とは異なる女性論
世界では続々と女性リーダーが誕生しているのに、日本ではいまだ実現していない。それほどまでにこの国の「ガラスの天井」は硬いのか──。先の自民党総裁選で岸田総理に肉薄した高市早苗・同党政調会長(61)は、日本初の女性総理候補のひとりと目される。ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。【全4回の第4回。第1回から読む】 * * * 昨今の高市氏といえば、保守系言論誌の誌面を飾るような「タカ派的発言」に注目が集まり、その思想性が称賛や批判の対象にされることが多い。だが、総務相時代は行政手腕を発揮し、当時を知る記者たちからの評価は高い。 かんぽ生命の不正販売問題や、ゆうちょ銀行の不正引出事件をめぐり、総務省や日本郵政が隠蔽に走る中、高市氏が率先して情報公開に踏み切る場面が相次いだ。役所の論理と対峙し、国民のために戦う大臣を演じた。 そんな高市氏が目標とするマーガレット・サッチャーは、こんな言葉を残している。「リーダーは好かれなくてよい。しかし、尊敬されなければならない」。 サッチャーは領土を侵す他国の暴挙に立ち向かい、弱者を困窮させる不人気な改革も断行した。お国のために──。男より男らしい「鉄の女」は、女性の出世をはばむ「ガラスの天井」をものともしなかった。 一方、日本版サッチャーは保守派の男性たちを惹きつける反面、一部のフェミニストからは「女性に厳しい女性」と批判を浴びる。それも女性の総理候補ならではの「宿命」なのかもしれない。「私、『ガラスの天井』って言葉があまりよくわからなくて。総裁選って20人の推薦人を集めたら男性でも女性でも出れるやないですか。別に、『ガラスの天井』はなかった」──男性の有力議員であっても、推薦人を集められない人はいました。高市さんの出馬経過を見ていると、推薦人集めで性差を感じませんでした。「それに、女性議員は増えてほしいけど、無理やり増やすための枠を作っちゃうと、行き過ぎた結果平等になってしまいます。私は昔から『チャンスの平等』をちゃんと確保すべきだという信念なので、法律を変えてクオータ制(候補者の一定比率を女性にする規定)を導入することには明確に反対です。公職選挙法は男性も女性も同じ条件で、配れるビラの数も法定費用もまったく同じですから。そこは法律をいじっちゃいけない」──クオータ制を主張する野田聖子さんと真っ向から対立する立場ですね。「でも、同じ阪神ファンなの。ついでに福島瑞穂さんもタイガース」──意外な共通点(爆)。「多くの女性議員にとってネックになっているのは、子どもを産んで育てたり、親の介護もある中で、出馬する時期や上のポストを狙うチャンスを逸することですよ。元日も含めて1日も休みが取れない仕事ですから。私もしんどい思いをしたのは親の看病と介護の時でした。父が最初で母が次って、長いこと続いたんで。そういう負担が女性にのし掛かる場合が多い現状は変えていかないといけない」──高市さんは自分の苦労を他人に一切見せない。「そんなの私の事情ですから、みなさんに語ったって仕方ない。ただ、そういう中で一生懸命働いて、大臣になっても、男性議員には『女性枠だから』と揶揄されます。『いいよな、女は。オレも性転換したいよ』と面と向かって言われましたよ」──「永田町は嫉妬の海」と言われますが、思った以上にシビアですね。「安倍政権で総務相を足掛け4年やりましたが、『アイツに総務省が回せるのか』と、周りから見ていた男性議員も多かったでしょう。私はずっと経済産業の分野をやってきたので、(地方自治や郵政を所管する)総務省はミスマッチだという声もあがりました。安倍総理が、(総務省が所管する)情報通信政策に私が強いと言葉を添えてくださったので少し救いになりましたが、地方自治に詳しい男性議員には申し訳ないという気持ちがありました」──男たちが良かれと思って結果平等を促す「女性枠」には功と罪がある。「だから、女性が申し訳ないという気持ちで働くのと、『実力があるから選ばれたんや』と自信と誇りを持って働くのでは、エラい違いなんです。多様性という言葉で女性を大事にしているように見えて、結果的に傷つけてしまうという現実があるということも、しっかり踏まえたうえで政策を打ち出していきたいですね」(了。第1回から読む)【プロフィール】高市早苗(たかいち・さなえ)/1961年生まれ。神戸大学経営学部卒業、松下政経塾卒塾。1993年に初当選後、衆議院では、文部科学委員長、議院運営委員長などを歴任。内閣では、内閣府特命担当大臣(3回任命)、総務大臣(5回任命で史上最長在職期間を記録)などを歴任。現在は、自民党政調会長(3期)。奈良2区選出、当選9回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年3月18・25日号
2022.03.08 13:37

野田聖子氏 石原派、石破派の残党集めで「野田派旗揚げ」なるか
総選挙が終わって自民党では“ポスト岸田”をにらんだ動きが始まっている。安倍晋三・元首相の後見によって総裁選で予想以上の健闘を見せた高市早苗・自民党政調会長が存在感を増しているのに対し、それに激しくライバル意識を燃やしているのが野田聖子・こども政策担当相だ。 2人は同学年で初当選も同じ。政治キャリアも似ている。高市氏は旧新進党から自民党入り、野田氏は郵政民営化に造反し、1度は自民党離党に追い込まれ、その後、復党した。いずれも総務大臣、自民党3役を務め、派閥を離脱して現在は無派閥というところも重なり合う。 総選挙の“応援合戦”でも、野田氏は高市氏や河野太郎氏という総裁選のライバルに負けじと全国を回ってアピールした。その野田氏が選挙戦最終盤、10月30日(投開票日前日)に二階俊博・前幹事長の地元・和歌山県に応援に入ったことが党内の一部の憶測を呼んでいる。 二階氏は今回、地元に張り付いて個人演説会を重ねるなど異例の熱の入れ方だったとはいえ、対立候補は共産党候補で「最初から負けることはない選挙」(自民選対)と言われていた。それでも野田氏があえて応援に行ったのは、「総裁選で二階派から推薦人を借りたお礼をするため」(同前)というのが党内の見方だ。 だが、野田氏の“二階詣で”はもっと先を見据えた動きだという。二階派幹部が語る。「総裁選の推薦人集めに苦労してきた野田は次の総裁選に確実に出馬できるように自前のグループ(政策勉強会)を作ろうとしている。今回の選挙でも自分の推薦人の選挙区を重点的に応援して回っていた。二階さんの地元に入ったのは御礼の意味だけではなく、近い将来の野田グループ旗揚げに協力を求めるための布石。二階さんは来る者拒まずの人だから野田の応援を喜んでいたし、協力してもいいと考えているようだ」 野田氏は過去2回の総裁選(2015年、2018年)に出馬を目指しながら、出馬に必要な議員20人の推薦人が足りずに断念。その後、「女性議員増」を訴えて超党派の勉強会を開くなどシンパ議員を増やそうとしてきたものの、9月の総裁選ではやはり推薦人集めが難航し、結局、二階派から8人の推薦人を借りてなんとか出馬できた。 そこで総裁選の後も自分を支持してくれた議員を集めた会合を続け、「次」をにらんで「野田グループ結成」を目指しているが、「野田グループにするにはメンバーが躊躇する。派閥に所属している議員は親分の許しがなければ政策集団には参加しにくい」(同前)という。そこで親分の二階氏を口説く必要があった。 二階氏の“お墨付き”があれば、野田グループの旗揚げに弾みがつくはずだった。ところが、である。総選挙の結果はそんな野田氏にとって厳しいものだった。 自民党全体では善戦したとはいえ、野田氏の推薦人(衆院は10人)は2人が引退したうえ、二階派の神谷昇氏(大阪18区)、出畑実氏(比例南関東ブロック)、福井照氏(比例四国ブロック)、無派閥の木村弥生氏(京都3区)らが次々に落選して衆院はわずか4人しか残らなかった。グループ結成には大きな痛手だろう。野田氏に近い自民党閣僚経験者が語る。「総選挙では石原派が会長の石原伸晃氏と会長代行の野田毅氏らが落選して派閥解体の危機、石破派も12人に減って存続が危ぶまれている。石原派にも石破派にも野田シンパがいるから、野田としては両派からこぼれた議員を勧誘して落選した推薦人の分をカバーするしかないのでは」 主を失った、あるいは主が力を失った“残党”を集めきれるか。悲願のグループ旗揚げはまだ先が長そうだ。
2021.11.08 11:25

立憲民主党代表選、蓮舫氏への待望論なし 女性政治家の人材不足が課題
立憲民主党の枝野幸男代表が総選挙敗北の責任を取って辞任。後任代表候補には元総務政務官の小川淳也氏、党役員室長の大串博志氏が意欲を表明しているほか、馬淵澄夫・元国土交通相や泉健太・政調会長も出馬を検討していると伝えられている。さまざまな名前が挙がる一方、女性候補の擁立が取り沙汰される様子はない。なぜなのか。野党番の全国紙政治部記者が語る。「ネット上では蓮舫氏の立候補を求める声が多く上がっていますが、党内では待望論はあまりありません。蓮舫氏は枝野氏と並んで民主党政権時代の印象が強く、世代刷新を求める世論に受け入れられないのではないかとの意見があるからです。 蓮舫氏と並んで立憲の女性議員の顔的存在だったのが辻元清美氏ですが、残念ながら今回の総選挙で落選してしまいました。新潟1区で自民党の塚田一郎・元国交副大臣に完勝した西村智奈美氏は6期目で永田町では政策通として知られていますが、一般的知名度が低いのが難点。党内に立候補できるような女性議員が見当たらないというのが実状です」 党としてジェンダー平等推進、男女半々の議会実現などを掲げる立憲民主党だが、女性議員の存在感は高まっていない。自民党が先の総裁選で高市早苗氏、野田聖子氏が立候補して健闘したのとは対照的だ。立憲民主党関係者も厳しい表情で語る。「安倍晋三氏や二階俊博氏の後ろ盾があるとはいえ、高市氏や野田氏の台頭が立憲にとって脅威なのは間違いありません。保守派の高市氏とリベラルの野田氏が総裁選でぶつかり合ったことで、ジェンダー政策や子育て政策、夫婦別姓にしても、いまや自民党女性議員のなかで議論が進んでしまっている印象があります。 彼女たちに対抗できる女性政治家が出現しないと、今後、立憲民主党の浮上は難しいですが、リベラルを自称する中高年男性のなかにも、いまだに男性優位の思考を持つ人が多い。まずは党内でジェンダー平等を実現していかないと、自民党には対抗できないでしょう」 女性議員全体の数も今回の総選挙で2017年選挙より2人減り、衆院全体に占める女性の比率は9.7%と、10%を割り込んだ。政党別に見ると、女性の当選者数が最も多かったのは自民党で20人。立憲民主党が13人。野党第一党の変革が、女性政治家のさらなる活躍にもうながるのではないか。
2021.11.05 13:20

自民党総裁選、高市早苗氏は「弱者よりも国家」か 求められる「女性」への視点
29日に投開票を迎える自民党総裁選。河野太郎行政改革担当大臣、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務大臣、野田聖子幹事長代行4氏が熾烈な争いを繰り広げている。総裁選に女性候補2人が立候補したのは66年の自民党の歴史で初めて。女性リーダーには何が求められるのか? 作家の甘糟りり子さんが綴る。 * * * 最近よく見聞きするようになった「ジェンダーギャップ指数」という単語は、男女の格差を数値化したものだ。あちこちでもいわれているからご存知の方も多いかもしれないが、2021年、日本は156か国中120位。この体たらくは何度でも繰り返し発信していかなければならない。分野で見てみると経済と政治の順位が低く、政治に至っては144位という不名誉な数字である。もはや先進国とはいい難い順位ではないだろうか。 今回の自民党総裁選では女性候補が四人中二人となった。今になってやっと候補の半分、なのだ。1955年の結党から66年間で女性が総裁選に立候補できたのは2008年の小池百合子氏だけ。今回やっと立候補となった野田聖子氏は過去3回、意欲を示しても推薦人が集まらずに断念している。彼女はかつてインタビューで「自分が手をあげることで後の道につながる」と話していた。男性議員でそんなことを感じる人はいないだろう。彼らの行く道はしっかりと整備されているのだから。 日本にも早く女性のリーダーが誕生して欲しい。どんな人でもいいわけではないが、これまでの格差を埋めるために、意識的に女性を選ぶべきだと思う。能力や可能性が同じくらいなら、女性を優先するべきである。 こうした主張をすると、女性だから優先するのは逆に差別だといちゃもんをつける人が少なくない。そういう声の主はたいてい男性、それも中年か老年の方だ。偏見ではなくて、私の経験では少なくともそうだった。おそらく彼らは性別で差別をされたことがないのだろう。そして、差別というのはなんとなくスルーされたり気がつくと梯子を外されていたりすることではなく、サッカーの審判のようにホイッスルを鳴らされたりレッドカードを出されることだと思い込んでいる。世の中の差別は、誰しもが遠目にわかるものだけではないのだけれどなあ。 能力が同じだったとして、女性という理由で選ばれたとしたら、選ばれなかった男性がかわいそうという意見がある。それはわかる。でも、その場合の男性は女性よりも明らかに秀でている何かを示さなければならない。そんなの不公平だって? いやいや、あらゆる場面で女性たちはそうやって道を切り開いてきたのだ。男性よりも優れていなければ選ばれないというプレッシャーを抱えながら。今まで不公平に気が付かなったのを棚に上げて、逆差別だのかわいそうだのいわれてもね。 自民党総裁選に話を戻そう。では、高市早苗氏にリーダーになって欲しいのかといわれれば、それは違う。彼女は弁が立つし話には具体性があって、原稿の棒読みですら怪しかった菅総理大臣の後となると輝いて見えるのはわかるが、「選択的夫婦別姓に反対」で「女系天皇否定」の人が女性全体のことを考えてくれるとは思えない。夫婦の姓を統一するために煩雑な手続きで負担を強いられているのはほとんどの場合が女性である。四人の候補の中で反対しているのは高市早苗氏だけだ。 政治とは常に弱者を優先するものだと信じている。しかし、彼女の主張には、個々の弱者よりも国家、国を大切にしていることがひしひしと伝わってくる。ネットでかなり人気のようだけれど、Twitterでは出馬会見で膳場貴子キャスターに質問され、顔を強張らせる場面が拡散された。 自身の「さもしい顔をしてもらえるものはもらおうとか、弱者のふりをして少しでも得をしようとか、そんな国民ばかりいたら日本は滅びる」という過去の発言について見解を求められたのだ。生活保護の不正受給問題について議論する中で述べたものと説明したが、例えそうだったとしても、政治家なら社会全体を受け止める必要がある。不正受給に至ってしまった人たちをどうするのか考えるべきであって、「さもしい」と切り捨てる冷たさはリーダーとは程遠い。 女性は長らく弱者であった。いや、今でもまだまだ弱者である。日本にも早く女性のリーダーが現れて欲しい。同時に、女性がみんな同じ思想、同じ理想を持っているとはもちろん思っていない。心の中が全て同じだとしたら恐ろしい。しかし、高市早苗氏の主張はその恐ろしさに向かっている気がしてならない。 リーダーとなる女性には、今まで弱者の立場を強いられてきたその格差を縮めようとする気持ちがあって欲しいと願うのは、そんなに大それたことではないでしょう?◆甘糟りり子(あまかす・りりこ)1964年、神奈川県横浜市出身。作家。ファッションやグルメ、車等に精通し、都会の輝きや女性の生き方を描く小説やエッセイが好評。著書に『エストロゲン』(小学館)、『鎌倉だから、おいしい。』(集英社)など。最新刊『バブル、盆に返らず』(光文社)では、バブルに沸いた当時の空気感を自身の体験を元に豊富なエピソードとともに綴っている。
2021.09.28 17:48

自民党総裁選の候補者討論 報ステとWBSの仕切りの差異は興味深かった
自民党総裁選をめぐる報道が連日繰り返されている。候補者でない人について思わず気になってしまうことも少なくないのではないか。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘した。 * * * 本当に露出の多い4人です。自民党総裁選に立候補した河野太郎氏、岸田文雄氏、高市早苗氏、野田聖子氏が討論するシーンをあちこちの番組で見かけます。同じ日に複数のニュース番組をハシゴしている姿も。4人が横並びに座って語る同パターンが繰り返されるだけに、むしろ、各ニュース番組の「違い」の方が見えてくるのが興味深い。 9月17日、テレビ朝日系『報道ステーション』(午後9時54分)に生出演した4人。「次の感染拡大ではロックダウンをしますか」「休校にしますか」などの質問に「〇」か「×」か答を求められました。 しかし、そもそも考えてみれば日本の憲法下でロックダウンはありえない。質問が正確さを欠いていたこともあり、「法律改正もしていないのにロックダウンとはいかがなものか」と候補者から逆質問が飛ぶ。感染状況も地域などで条件が違うのに「休校しますか」とアバウト過ぎる質問に対して指摘され、MCの徳永有美アナは困惑気味に。「前提状況というところもあるんですけど…」などの説明に終始していました。 逆質問が来ることを想定していなかったのか。あるいは事前に作成された質問を、ただMCとして読み上げていたからか。ネット上でも「報ステの質問がグダグタ」「質問のレベルが低すぎる」と番組側に疑問を呈するコメントが目立ちました。 さて、その1時間後。今度はテレビ東京系『ワールドビジネスサテライト(WBS)』に同じく4人が生出演。「〇」か「×」の札で答えるコーナーで「将来的には消費税は上げなくてはいけない?」という質問が出されると、やはり4人から「どのぐらいの将来ですか?」と疑問の声が。 特にばっさり返す傾向が強い河野氏は、札すら上げないで「将来的というのがどれぐらいのタイムスパンを言われているのか分かりません」と回答拒否の姿勢を見せた。さぞやMCがタジタジになるかと思いきや……。 進行担当の佐々木明子キャスターは、即座に「就任中ということです。もし総理になられたら」と説明を返し、それに対して河野氏は「(総理を)何年やっているのか、日本の場合は分かりません」と答えました。ネットでは「消費税問題から逃げた」「はぐらかし」「国民と対話するつもりがない印象」と、政治家の姿勢の方を批判するコメントが多く見うけられました。 同じ「候補者4人が揃って討論する」というパターンでも、誰が質問しいかにやりとりするのかで、違う結果が出てくる面白さ。 そのWBSで水~金曜日のメインキャスターを担当する佐々木明子アナは、テレビ東京へ初の新卒採用女性アナとして入社し、さらに同局初の海外赴任アナとしてニューヨーク支局を担当、経済キャスターとしてリーマン・ショックを現場で体感してきた人です。 その後は朝の番組『ニュースモーニングサテライト』等でメインをつとめてきました(~2021年3月)。が時に株式市況を伝える口調が早口過ぎて、視聴者に「伝える」ことより株価変動に連動した自分の口調に酔って(?)いるのかと思えたり。「私、マーケットに詳しいのよ」的ノリにちょっとついていけない感じもありました。 しかし、4月からWBSメインキャスターになると話す速度もぐっと変化して、ゆったりと間合いをとりつつ緩急あり、響く声で明快に語る。その口調は落ち着きと奥行き、視野の広さを感じさせます。夜のニュース番組で視聴者に伝えるためにはどのような自己演出をすればいいのかを考えているのでしょう。 MCとして用意された原稿もただ読んでいるのでなく、政治や経済の全体状況を把握し各論についての理解を感じる。でなければ政治家から突然返された逆質問に、堂々と即応することはなかなかできない。おびえたり動揺を見せない存在感が何よりも佐々木さんの魅力です。 時には司会進行だけでなく、批評的なコメントをスッとさしはさむのも心地よい。例えば国と一体になって外国の株主に圧力をかけたとされる東芝の問題では、コメンテーターが「東芝は半導体や原発など日本の安全保障に関する企業だから国と話さざるをえない」とコメントすると、すかさず佐々木さんが「資本主義として見れば(国の介入は)問題がある」と返し丁々発止のやりとり。あるいは、システムトラブルを繰り返し金融庁が業務改善命令を出したみずほ銀行について「20年の間に(3銀行が合併した)企業文化を一つに揃えることができなかった問題がある」と指摘するなど、とにかく切れ味がいい。 さて10月、いよいよそのWBSと同じ時間帯の『報道ステーション』で変革が。メインキャスターに超大物の大越健介氏が登場とあって、注目が集まっています。大越氏といえばNHKワシントン支局長を経て『ニュースウオッチ9』『NHKスペシャル』等の看板番組キャスターを務めてきたあの人。 大越氏自身も「日々のニュースは大事な主食。例えるなら“米”。皆さんに良質な主食をお届けしたい」と所信表明。米どころ新潟県の出身ゆえの言い回しだそうですが、自分の仕事をすらっと「主食」と言い切ってしまう自信家ぶり。東大出超エリート街道を来ただけに、下手をすれば「上から目線」と批判される危険性も孕む。 仮に、ニュースが「主食」だとしても、ニュース番組同士でさらに主たる席を争うバトルがある。大越さんですらノンキに構えていられない午後10時のニュース番組ガチンコ勝負。秋の夜長、二つの番組を対比させながら見る醍醐味を存分に堪能したいと思います。
2021.09.24 18:07

菅首相辞任で女性天皇議論も進展 誰が新総理になれば「愛子天皇」実現か
安倍政権以降、遅々として議論が進まず、事実上実現は不可能とみられてきた「女性天皇」。しかし、愛子さまのご成人前という“滑り込み”のタイミングで菅義偉首相が退任を表明。状況は一変、女性天皇実現へ光明が見えてきた。 女性天皇実現の議論は、2004年、小泉純一郎元首相の下での「皇室典範に関する有識者会議」の発足に端を発する。「当時は、1965年の秋篠宮さま以降、男性皇族のご誕生がないことに対する危機感がありました。小泉政権は、女性・女系天皇を容認する方向で法案提出の準備を進めていました」(政治部記者) しかし、2006年の秋篠宮家長男の悠仁さまの誕生により、安定的な皇位継承策は喫緊の課題ではないと判断された。「男系の維持に強く固執する安倍晋三前首相は、総理に就任した10年前からこの議論を止めていました。その流れを汲んだ菅義偉首相も、表立った発言を避けてきた。 しかし、今回の総裁選を機に菅内閣の退陣が決まりました。現在、次の総理を選ぶ自民党総裁選は混戦の様相です。誰が勝ち抜くかによって、『愛子天皇』実現が大きく前進するかもしれません」(前出・政治部記者) 岸田文雄氏、高市早苗氏が立候補を表明。河野太郎氏、野田聖子氏、石破茂氏らも有力候補として名前が挙がっている(すべて衆院議員)。「安倍氏の支援を受けている高市さんは別です。しかし、彼女以外の候補が総理になれば、女性・女系天皇実現に向けて一気に議論が進む可能性が高いでしょう。国民に真摯に向き合うならば、これ以上議論を先延ばしにできないはずです」(前出・政治部記者) たとえば、河野氏は「男子がいなくなったときは、愛子さまから順番に、女性の皇室のお子さまを天皇にしていくというのが1つある」(2020年8月)、石破氏は「女系天皇という選択肢は排除されるべきでない」(2020年9月)と発言している。※女性セブン2021年9月23日号
2021.09.08 15:14

「岸田文雄氏の大局観は1点」ベテラン政治評論家が自民党総裁候補を採点
党役員人事や解散戦略など、政局をめぐる話題ばかりが先行した自民党総裁選は、菅義偉・首相の「不出馬表明」で新たな局面に突入した。9月17日の告示まで党内の綱引きは続きそうだが、政局よりも重要なのは、候補となっている政治家に総理・総裁としての資質とコロナ危機を乗り切る手腕があるかどうかだろう。(文中一部敬称略) 本誌・週刊ポストは半世紀以上にわたってこの国の政治を取材し、歴代首相の失敗と成功を見つめてきたベテランの評論家、ジャーナリスト5人に、総裁選有力5候補の「総理の資質」を10段階で採点してもらい、現職の菅氏と比較してもらった。 評者ごとに採点時に重視したポイントは違う。 非常時だからこそ、総理になるには「決断力」が求められると指摘するのは、元時事通信政治部長の政治ジャーナリスト・泉宏氏だ。「現時点の各人の決断力は、総裁選出馬をめぐる姿勢から判断した。いち早く出馬の意思を表明し、困難な状況下で政権を担う決断力を示した者には高評価、出馬を迷っている者、それまで総裁選に出馬したがっていたのに今回は非常に慎重な者は低評価をつけた」 田中角栄研究で知られる政治評論家・小林吉弥氏は「政策力」を挙げる。「総裁選を目指す政治家は政策本を出版することが多い。石破や岸田、河野は出したし、高市も出版するという。だが、本を書いたから政策力があるとは言えない。 政策力とは現在の日本にとって何が大きな課題なのかを把握する力、解決する方法を考える構想力、そして実現力を合わせたもの。田中角栄は生涯に33本の議員立法を成立させ、すべて1人で国会答弁をこなせるくらい勉強していた。そこまでやったから役人を説得できた」 さらに、浦和市議や埼玉県議を歴任した評論家の小沢遼子氏は国民への「共感力」を重視し、元共同通信政治部記者として政治史に残る数々の政争を取材してきた政治ジャーナリスト・野上忠興氏は人や組織を動かす「統率力」を基準に評価。元時事通信解説委員で鈴木善幸内閣以来、政府の行革に携わってきた評論家・屋山太郎氏は、総理の資質で最も大切なのは「大局観」だと見る。 本誌は評者それぞれの採点を五角形のレーダーチャートにまとめた。最下位は野田聖子・幹事長代行 総裁選の最有力候補に浮上した岸田氏(5位)は、党内の期待とは裏腹に、総合点19点(50点満点)で現職の菅首相(21点)を下回った。「決断力」は、「過去は安倍首相からの禅譲を期待して総裁選出馬ができずに優柔不断と見られていたが、今回は勝敗不明でもいち早く出馬を決断、『岸田は変わった』ことを印象付けた」(泉氏)と高評価(7点)を得たが、他の4項目が低い。特に低評価だったのは「大局観」(1点)だ。 採点者の屋山氏が指摘する。「岸田はこれまで大局観を語ったことがない。出馬表明会見でも経済重視で、経済重視イコール軽武装という宏池会の伝統に縛られている。アフガニスタンを見ても現在の国際情勢は安全保障を他国に委ねる情勢ではなく、そういう時代に軽武装の思想を引き継いでいるようでは大局観があるようには感じられない」「政策力」(4点)の評価も厳しい。「政調会長時代に減収世帯への30万円支給というコロナ対策をまとめたが、公明党の反対で一律10万円支給にひっくり返された。連立与党への根回しが不十分で、落とし所も間違えた」(小林氏) 総合点で最下位(18点)だったのが野田聖子・幹事長代行だ。「小泉政権時代に郵政民営化に反対して離党を余儀なくされたが、復党後は要職を重ねてきた。出戻り組でも自民党の女性議員にシンパが多く、人を動かす力はある」(野上氏)と「統率力」(5点)や「共感力」(6点)は高いが、「大局観」(0点)や「決断力」(3点)が低い。「総裁選のたびにあれほど『女性初の総理』を目指すと動いていたのに、今回は音沙汰なし。幹事長代行だから、この先、二階氏の力に頼って総裁選に出ようと計算しているように見える」(泉氏)「ただ総理・総裁になりたいだけ。女性総理誕生への期待は分からないではないが、誰でもいいというわけではない」(屋山氏)という超辛口の評価もあった。※週刊ポスト2021年9月17・24日号
2021.09.06 07:26

「ポスト菅首相」に急浮上 野田氏、稲田氏、小池氏、3人の女性候補
日本の政治は、言わずもがな“男社会”だ。しかし、いま急速に「初めての女性首相」を求める声が高まっている。菅政権の次は女性首相だろう──実は、自民党の男性議員の間からも、「女性首相の登場は時代の要請」という声があがっている。「名前があがっているのは、自民党の野田聖子幹事長代行(60才)、稲田朋美元防衛相(62才)、そして“ダークホース”小池百合子都知事(68才)です」(自民党関係者) 自民党政権下で首相の座に就くためには、総裁選で勝利しなければならない。「今年9月に行われる次の総裁選に出馬を目指しているのが、野田さんと稲田さんです。鍵となるのは『自民党議員20人の推薦』を取り付けられるかどうかでしょう」(前出・自民党関係者) 推薦人が集まらなければ、総裁選に出馬することはできない。つまり、首相になるための“スタートライン”にすら立つことができないのだ。 自民党の女性議員は現在39人だ。計算上は、その半数と少しの支持があれば立候補可能に思える。しかし、議員の多くは各派閥に所属しており、総裁選になると「派閥が決めた候補に投票するように」という、旧態依然とした“男社会”による締め付けが行われる。 野田氏と稲田氏には、ともに総裁選に苦い思い出がある。 野田氏は無派閥のため、一挙に推薦人を集めることが難しい。過去3回の総裁選は、20人を集めることができずにいずれも出馬断念に追い込まれた。その際は、「天井は開いているんだけど、足を引っ張る人たちがいっぱいいる。時にスカートをはいた女の人たちも」と無念そうに語った。 片や、稲田氏は自民党最大派閥「細田派」所属。2020年の総裁選では、「女性も総理を目指すことができるということを示していきたい」と出馬に動いた。「稲田さんは後見人の安倍晋三前首相(66才)に『私、総裁選に出たいんです』と直訴して推薦人集めに協力を頼んだ。しかし、細田派が総裁選で菅首相支持を決めたので、推薦者数が集まらずに出馬を断念するしかなかったのです」(細田派議員) 稲田氏もこう語っている。「日本の場合、女性がいない民主主義といわれるくらい政治の世界に女性が少ない」野田氏には二階氏、稲田氏には安倍氏 派閥に頼っていては、支援は見込めない──そんな2人は、次の総裁選に向けて女性議員の「推薦人獲得競争」を展開している。 野田氏は塾長を務める自民党「女性未来塾」に女性候補者育成コースを開講して候補者を募集。一方で、稲田氏が委員長代行を務める「自民党女性活躍推進特別委員会」では次期衆院選で自民党比例代表候補の15%を女性にする提言を議論している。 さらに、稲田氏が自民党女性議員でつくる「女性議員飛躍の会」や「こども宅食推進議員連盟」を主宰しているのに対抗して、野田氏は「出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」や超党派の「女性国会議員増を目指す勉強会」などを発足させた。 野田氏と稲田氏は、政策面でも「女性と子育て」の分野を競い合っている。 不妊治療の末に50才で出産し、心臓などに障害を持つ男児を育てている野田氏は早くから「不妊治療への助成」「代理出産の解禁」「幼児教育の義務化」「出産一時金の増額」など、女性と子育て重視の政策を提唱してきたことで知られる。 出馬を断念した2018年の総裁選の際には、女性や高齢者、障害者などすべての国民が活躍できるフェアな制度をつくるという内容の「落ち着いて、やさしく、持続可能な国へ」という政策集をまとめた。 ジェンダーギャップの問題についても、「法律婚と事実婚をイコールにして、選択的夫婦別姓を認め、配偶者控除の撤廃が必要」というのが持論だ。 一方の稲田氏は自民党内で「タカ派のマドンナ」と呼ばれ、これまでは憲法改正や靖国神社参拝などを主張してきた。最近は女性重視政策に大きくスタンスを変え、「婚前氏(旧姓)続称制度」(選択的夫婦別姓)やコロナ対策でのシングルマザーへの追加給付金を訴えている。 政治ジャーナリストの野上忠興さんが総裁選出馬の見通しをこう語る。「野田氏には二階俊博幹事長(82才)、稲田氏には安倍前首相という実力者が応援団について、女性議員の囲い込みを始めました。総理・総裁候補として男性議員も含めた党内の評価が高いのは野田氏です。卵子提供による出産では心ない批判を浴び、苦労しながら育児と議員活動を両立させてきた。その分、人の痛みもわかるし、包容力もあるという評価です。 稲田氏は安倍前首相に気に入られて“出世街道”を上ってきたが、防衛大臣時代の失敗で政治手腕を疑問視する声があることがネックです」「東京五輪中止」が隠し球か 仮に2人が女性議員の支持を得て総裁選に出馬しても、当選して首相になるには自民党国会議員の9割を占める男性議員の支持が必要だ。「自民党実力者に担がれて首相になったら、男性優位の政界の“操り人形の女性首相”と思われてしまう。それでは意味がない。そう思われないためにも、『自力でやっている』ことを提示することが必要です」(全国紙政治部記者) そこで野田氏や稲田氏が提唱するのが候補者や議員の一定数を女性枠にする「ジェンダー・クオータ制」の導入だ。クオータ制は、世界約130か国で採用。台湾の蔡総統やニュージーランドのアーダーン首相など女性のトップが誕生したのは、クオータ制で女性の国政進出(台湾約42%、ニュージーランド約48%)が進んだからともいわれている。 野田氏は5月12日、超党派の女性議員の勉強会で「いったん女性が(責任ある立場を)担えば、男性じゃないとできないと思われている仕事でも、女性でもできるんだと理解してもらえる。そのいちばんの早道は、クオータ制で『見える化』をすること」と発言し、稲田氏も「比例候補のなかに『女性枠』を設けるのはどうか」(女性セブン2021年4月8日号)と提案している。 しかし、実現は簡単ではない。「女性枠をつくると、それによって1つ議席がなくなるわけです。つまり、男性政治家にとっては、政治生命にかかわってくる話になるんです」と稲田氏が語る通り、男性議員から根強い反対があるからだ。 もう1人、男社会の政界に風穴を開ける破壊力を秘めているのが“ガラスの天井”を突き破って女性初の東京都知事になった小池氏だ。自民党議員時代は女性議員で唯一、2008年に総裁選に出馬した経験を持つ。「2017年の総選挙の際、小池氏は都知事の立場で新たに『希望の党』を立ちあげ、野党から多くの議員を合流させて政界再編を仕掛けた。自民党は一時“小池新党に負けるんじゃないか”とパニックになりました。新党は途中で失速したが、あのとき、小池氏が出馬して勢いが増していたら、政権交代で小池首相の可能性もあった。 小池氏は総裁選の経験から、自民党の中にいても女性が首相になるのは難しいとよくわかっており、チャンスがあればもう一度、新党で勝負を賭ける可能性がある。 現在、開催の是非が大きな話題になっている東京五輪の中止を突然訴えて、国民の求心力を高め、一気に国政に出てくるという予測もあります」(野上さん)※女性セブン2021年6月3日号
2021.05.22 00:07

ポスト菅候補を採点 有力・河野太郎氏も対抗・野田聖子氏も評価は二分
政治家の「総理としての資質」を見抜くのは難しい。「平時」と「乱世」では求められる能力も違う。コロナ危機のさなかに就任した菅義偉・首相は官房長官時代に見せた「危機管理のプロ」の手腕と、非世襲議員だからこその庶民目線の政治を期待されたが、対応が後手後手でワクチン接種も主要国で最も遅れ、危機の出口を見いだせない。 首相の手腕に失望した国民は、「次の総理」に望みをつないでいる。自民党内も大型連休明けから「ポスト菅」をにらんだ動きが本格化する情勢だ。9月の自民党総裁選には、自薦他薦10人の候補の名前があがっている(表参照)。その中に国民の期待に応えられる政治家はいるのだろうか。 本誌・週刊ポストは、半世紀にわたりこの国の政治を取材し、歴代首相の成功と失敗を目の当たりにしてきた大ベテランの評論家とジャーナリスト5人に、総理候補たちを採点(1人10点満点)してもらった。 基準はそれぞれ違う。 元共同通信記者で佐藤栄作・元首相の退陣会見(1972年)など政治史の節目となる場面を取材してきた政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、次の首相に求められる最も重要な資質をこう指摘する。「難局を乗り切るために、官僚や政治家を動かし、国民の協力を得て総合力を発揮できる能力が必要です。菅首相には、それが決定的に欠けている」 元時事通信解説委員で、鈴木善幸内閣の第2次臨時行政調査会(土光臨調)の専門委員などを務めた政治評論家の屋山太郎氏の意見はこうだ。「今の国際情勢は米中覇権競争にある。その世界観、大局観を持って国家運営にあたれるかが総理に求められる素養だ」 浦和市議や埼玉県議を経験した評論家の小沢遼子氏はこう言う。「今の時代の総理に求められるのは、格差をなくし、国民が毎日の生活に困らない社会を維持していく。それを『この時代に政治家として何をすべきか』の軸に据えている人物だと思います」 さらに元時事通信政治部長の政治ジャーナリスト・泉宏氏と、田中角栄研究や指導者論で知られる政治評論家・小林吉弥氏が採点メンバーだ。河野の言葉に欠ける「信頼性」 自民党内で「ポスト菅」の最有力候補に急浮上しているのが河野太郎・行革相だ。ワクチン担当として出番が増え、ツイッターのフォロワー数は230万を超えて政界一の発信力を誇り、自民党内には総選挙に向けて河野氏との「2連ポスター」を貼り出す議員も多い。「菅総理が途中退陣すれば、総裁選は派閥に関係なく選挙の顔として期待できる河野さんに雪崩現象が起きる」(自民党若手議員)との声もある。 選者の採点合計も2位につけたが、高評価と低評価に割れた。「河野氏は自民党の枠からはみ出す部分が魅力だが、他の政治家との協調性に欠けるのが懸念材料。トップリーダーになったとき、独善性をいかに抑えて人を束ねる柔軟性を発揮できるかが問われる」(泉氏=6点) と一定の評価や期待がある一方で、次の指摘も。「他人の意見に耳を貸さないから党内や派内の議員の信頼度が非常に低い。これでは総理になっても人を動かせないし、支える人もいない。声高に主張していた脱原発を大臣になった途端に封印したことも言葉の信頼性に疑問」(野上氏=2点) 総裁選で河野氏の対抗馬と見られているのが、「女性初の総理」を目指す野田聖子・幹事長代行(4位)だ。 こちらも評価が割れた。「小泉内閣では郵政民営化に反対して持論を貫くなど度胸が据わっている。人の話に耳を傾け、党内の女性議員にも人望がある。政治手腕は未知数だが、女性初の総理になれば化ける可能性がある」(野上氏=6点)「大局観が不在。総裁選があるから出馬して総理を目指そうというだけ」(屋山氏=0点) 小林氏の評価はこうだ。「男女格差の是正や子育てについての政策は評価できるが、経済財政政策で大きな旗を掲げていないことが総理候補としては不十分」(4点)※週刊ポスト2021年5月7・14日号
2021.04.29 15:51

餃子愛、路チュー、AKBを参考人? 菅内閣新閣僚5人の素顔
自民党総裁選(9月11日)で圧勝し、新しい総理大臣となった菅義偉氏。16日には菅内閣も発足、その直後に行われた緊急世論調査では内閣支持率が74%(日本経済新聞調べ)と、歴代内閣の発足時3位という高水準で国民も味方につけることに成功した。そんな上々の滑り出しを見せた菅内閣でめでたく初入閣となった“ピッカピカ”の新人大臣5人の人柄について、初歩的なところも含めて、よ~くわかる小ネタで紹介します!●平沢勝栄・復興相【1】安倍晋三前総理の家庭教師だった!? 安倍前総理が小学生だった頃、平沢氏は東大法学部の頭を生かし家庭教師を務めていた。当時の安倍少年に平沢氏は口癖のように「頭が悪い」と言っていた。【2】“万年ヒラ議員”が念願の初入閣 当選回数8回を重ねている平沢氏はいままで入閣なし。そのことから“万年ヒラ議員”と言われていた。安倍前総理の家庭教師時代に厳しくしすぎたことが原因という永田町の噂話も……。【3】政界きっての愛犬家 雑誌のインタビューで愛犬のパピヨン・ハッピーとの2ショットも披露したことがあるほどの愛犬家。「妻に黙って帰りに買ってきた牛丼の肉とかこっそりあげるけど、妻にバレて怒られちゃう(笑い)」とデレデレで語っていた。●岸信夫・防衛相【1】実は安倍晋三前総理の弟 安倍晋太郎氏の三男として生まれ、跡取りのいなかった岸家に養子に出された過去を持つ。本人は高校3年までそのことを知らず、大学進学の際に取り寄せた戸籍謄本を見たことで発覚。【2】政界に入る気はなかった!? 20才のときに両親から「政治家になる気はあるか」と聞かれたとき、平成7年の7月に行われた参議院選の際と二度、出馬を拒否。当時、商社マンとして頑張りたいという目標があったからだそう。【3】料亭よりも餃子を愛する庶民派「料亭で忙しく食事するよりも、空いた時間には餃子が食べたい」という庶民派ぶり。どこの店ということはなく“B級的”な気取らない雰囲気が好きな理由。●坂本哲志・一億総活躍相【1】AKB48のメンバーを参考人招致しようとした!? 選挙権年齢引き下げの議論の際に、憲法の全文暗唱が特技の元AKB48内山奈月(24才)を参考人招致する仰天プランを示したことがある。「憲法に詳しい」ということが理由と話していたが自民党内から「パフォーマンスにすぎる」と一蹴された。【2】失言の過去アリで資質に疑いあり? 2009年の1月、日比谷公園の派遣村に集まったリストラされた人に対して「本当に真面目に働こうという人たちが集まっているのか」と発言し猛反発されたことも……。翌日にすぐさま謝罪したが、野党からは罷免を求められた。【3】雨でも走る皇居ランの愛好者 坂本氏のホームページの活動日誌にたびたび出てくる皇居ラン。雨でも走るほどの愛好家で走った後に体重計に乗るのが楽しみと語っている。●井上信治・万博相【1】過去に野田聖子氏と熱~い路チュー 2005年赤坂で野田聖子氏との食事を楽しんでいたところ、“酒豪”で知られる野田氏が泥酔。井上氏によろめきながらハグした後、熱~い路チューをしたところを写真週刊誌に激写された。【2】趣味が高じて青梅マラソンの常連に 趣味がマラソンということもあり、地元・東京都青梅市で開催されている青梅マラソンには毎年のように出場。今年も10kmの部で出場し、両足の爪がはがれそうになるアクシデントのなか自己ベストを更新する快走を見せた。【3】菅内閣イチのラッキーボーイ!? 2003年に公募で候補者となり、予備選を経て当選を果たすという強運の持ち主。当初は“落下傘候補”という評判だったが、最年少で自民党副幹事長、出世の登竜門といわれている自民党青年局長などを歴任し今回の初入閣となった。●野上浩太郎・農水相【1】八村塁選手と同郷のバスケ好き 中学から大学までバスケットボール部に所属し、高校ではキャプテンとしてインターハイに出場。現在は富山バスケットボール協会会長も務めている。【2】参議院イチの真面目人間!? 政界の中でも真面目な人柄で知られており、前任の江藤拓氏(60才)いわく、「寡黙だけど、闘志あふれる人」だそう。ただ、国会で農水関係の要職経験はなく実力は未知数。【3】“ます寿司”が大好物 地元富山の郷土料理・ます寿司を好んで食べており、官房副長官時代のインタビューで「昼食に10~15分しかかけられないので、ぱっと食べることができて非常にいい」と語っている。※女性セブン2020年10月8日号
2020.09.28 12:42

令和の政治で注目される「初の女性総理」はいつ誕生するか
ポスト安倍に向けた動きが喧しいが、国民の目は冷めている。となれば、発想を転換して「総理にしてはいけない政治家は誰か」―─政治のスペシャリスト30人に緊急アンケートを実施したところ(投票者1人つき3人まで回答)、1位(14票)稲田朋美氏、2位(7票)に枝野幸男氏と茂木敏充氏、4位(6票)が石原伸晃氏、岸田文雄氏、菅義偉氏となった。 令和の政治で注目されるのは、「初の女性総理」がいつ誕生するかだろう。「令和のうちに誕生してほしいと思うが、現在の女性政治家にその資格があるか甚だ疑問」 そう語るのは政治ジャーナリスト・田中良紹氏だ。 ワースト1位に選ばれた、人呼んで「タカ派のマドンナ」稲田氏は、安倍晋三首相に目をかけられ当選3回で規制改革担当相として初入閣。以来、自民党政調会長、防衛相と出世街道を走ってきたが、周知のように防衛省不祥事の迷走答弁で事実上更迭された。ところが、その後も首相の後押しで自民党総裁特別補佐兼筆頭副幹事長に抜擢され、議員連盟「女性議員飛躍の会」を立ちあげるなど“女性議員のリーダー”として再浮上している。政治学者の後房雄・愛知大学教授が指摘する。「思想的理由で安倍首相の特別な庇護を受け、首相候補に育てようと抜擢されながら、行政組織の掌握でも、社会的な説明責任の点でも、とても政府のトップの器ではないことを露呈した」 稲田氏がワースト1位なら、「竹下派のプリンセス」といわれる小渕優子・元経産相はワースト10位(4票)に入った。「小渕恵三元首相のお嬢さんとして可愛がられ、大臣を2回経験したが、1人の政治家として能力を発揮したことはない。政治資金問題ではついに説明責任を果たさなかった。総理に祭りあげられたとしても、男性の政治家の言いなりの操り人形にしかならない」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)「麻生太郎副総理が『あの子はお酌がべらぼうにうまいぞ』と言っていた。そういう見方をされている者が総理になってはいけない」(政治評論家・屋山太郎氏) 総裁選出馬を目指している野田聖子氏(13位)も、総務相時代に仮想通貨取引規制をめぐって金融庁に圧力をかけた問題が国会で追及されたことで大きく評価を落とした。「政策面でも保守政党人とは思えないが、報じられたスキャンダルが事実なら、総理以前に代議士としての資質が問われる」(評論家・潮匡人氏) 唯一、総裁選に出馬した経験があるのが小池百合子・東京都知事。今も「総理の座」を諦めていないと見られているが、専門家の評価では「総理にしてはいけない政治家」の7位(5票)にランクイン。「都知事選や希望の党結成で見せた勝負勘はある。しかし、勝負勘だけで令和の時代に総理になれるほど政治は甘くないし、それでも目指せば無理が生じて政治混乱を招く」(田中氏)「何のために権力の座を目指すのか。政治信条が少しも見えてこない。知事としての挫折はその証左だろう」(外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏) どうやら女性総理誕生はまだまだ先になりそうだ。政治家は国民の批判で鍛えられる。ランキングに名前があがった中から、識者たちの批判に謙虚に耳を傾けて自分を磨き、「令和の名宰相」と呼ばれる総理は登場するだろうか。※週刊ポスト2019年5月17・24日号
2019.05.10 18:01

総理にしてはいけない政治家ランキング 2位に枝野氏と茂木氏
永田町ではいよいよ「ポスト安倍」に向けた動きが喧しくなり、メディアにもさまざまな名前が取り沙汰される。だが、それを見る国民の目は冷めている。3月に行なわれた産経・FNNの世論調査では、約7割が「ポスト安倍」の具体的名前を聞かれて「いない」と答えているという現実がある。 では発想を転換し、こう問うてみるのはどうだろう。「総理にしてはいけない政治家は誰か」──政治のスペシャリストの答えからは、逆説的に「令和時代の総理の条件」が浮かび上がってきた。 令和の時代にはどんな総理が生まれ、この国をどこに向かわせるのか。 永田町では「岸破義信」(岸田文雄氏、石破茂氏、菅義偉氏、加藤勝信氏)と呼ばれるポスト安倍世代の政治家たちをはじめ、「次の次」をうかがう河野太郎氏や小泉進次郎氏、「初の女性首相候補」としては野田聖子氏、稲田朋美氏、小渕優子氏など多くの名前があがっている。 だが、政治ジャーナリストの田中良紹氏は「人材が乏しい」という。「総理になるには天の時、地の利、人の和が必要とされ、運に左右される。また、政治家は何かを契機に大化けする可能性もある。それだけに、現在の資質でその政治家の将来の可能性を判断することには抵抗があるが、令和の首相候補とされる顔ぶれを見て寂しい現実を突きつけられる」 総理となるべき資質と資格がない人物が国を率いれば新しい時代に国民は不幸になる。平成の時代に国民はさんざんそのことを思い知らされた。 そこで本誌は政治家OBや政治学者、評論家、ジャーナリストなど30人にアンケート調査し、「令和の総理にしてはいけない政治家」をあげてもらった(投票者1人つき3人まで回答)。◆しょせんはナンバー2 ダントツの票を集めたのは人呼んで「タカ派のマドンナ」、稲田朋美氏(14票)だった。 安倍首相に目をかけられ、当選3回で規制改革担当相として初入閣。以来、自民党政調会長、防衛相と出世街道を走ってきたが、周知のように防衛省不祥事の迷走答弁で事実上更迭された。ところが、その後も首相の後押しで自民党総裁特別補佐兼筆頭副幹事長に抜擢され、議員連盟「女性議員飛躍の会」を立ちあげるなど“女性議員のリーダー”として再浮上している。政治学者の後房雄・愛知大学教授が指摘する。「思想的理由で安倍首相の特別な庇護を受け、首相候補に育てようと抜擢されながら、行政組織の掌握でも、社会的な説明責任の点でも、とても政府のトップの器ではないことを露呈した」 評論家・古谷経衡氏は主義・思想面でも見るべきものはないと評した。「彼女は南京百人斬り訴訟(日中戦争時に「百人斬り」をしたと虚偽の報道をされたとして旧日本軍将校2人の遺族が毎日新聞、朝日新聞などに損害賠償などを求めた)の弁護団で一躍保守論壇の寵児になったが、その歴史観はネット右翼の範疇を出ていないように見える」 ワースト2位は同票(7票)で、枝野幸男・立憲民主党代表と茂木敏充・経済再生相。枝野氏は菅内閣の官房長官として東日本大震災の対応にあたった。「野党をまとめる能力がないのに政権運営ができるとは思えない。福島第一原発事故当時の『ただちに人体や健康に影響はない』発言を聞いた時に、国民の命と生活を守る政府のトップになってはいけない政治家だと思った」(政治ジャーナリスト・藤本順一氏) 茂木氏は自民党竹下派の会長代行で、次の総裁選への出馬が有力視されている。「政策能力はもの凄く高いが、人望がないから仲間がいない。桜田義孝・前五輪相が答弁を間違った時も閣僚席で大笑いしていたが、自分は頭がいいから他人が幼稚に見えるんだろう。人望は総理に必要な資質だが、いつの間にか備わるものではない」(政治評論家・屋山太郎氏) 奇しくも茂木氏に投票した全員が「人望」を理由に挙げた。 4位(6票)には菅義偉・官房長官、岸田文雄・政調会長、石原伸晃氏という3人の次期総理候補が並んでランクイン。ポスト安倍の最有力とみられている菅氏にも多くの注文が付いた。「安倍政権のナンバー2として、総裁選出馬する前にやるべきは安倍政治の総括。それができなければ総裁候補の資格はない」(毎日新聞客員編集委員・松田喬和氏)「しょせんはナンバー2でトップに立つ政治家ではない。政策的にも、彼が導入したふるさと納税は故郷とは無関係に物欲しさに納税させ、人間を卑しくさせた」(元参議院議員・筆坂秀世氏) 前回総裁選で出馬を見送った岸田氏には“戦わない姿勢”を疑問視する声が強い。「安倍首相からの政権禅譲が岸田の基本戦略と見える。しかし、首相とは憲法改正など政治路線が異なるのだから、戦わない者は去るべし」(外交ジャーナリスト・手嶋龍一氏) 最近出番がない石原氏がこの2人と並んで久々に登場した。「彼は何か起きたときに反応が恐ろしく鈍い。発言も軽い。オヤジ(石原慎太郎)が大きすぎて、オヤジが引っ込んだら存在感がなくなった。総理が務まる人物とは思えない」(屋山氏) 安倍首相のライバル・石破茂氏は1票差の7位(5票)で追う。「石破氏はいつも正論を言う。憲法改正でも9条2項を削除すべきとか。だが、できることを着実に進めるのが総理の重要な能力。石破氏が総理になれば正論を押し通して反発に遭い、物事が進まない。内閣は長持ちしないだろう」(ジャーナリスト・長谷川幸洋氏) ちなみに「岸破義信」のもう一人、加藤勝信・自民党総務会長(13位)は、「官僚の狡さを身につけ、厚労相時代の責任逃れのうまさには目を見張った。国益を担える人物ではない」(元経産官僚・古賀茂明氏)との評だ。 自民党内で「ポスト安倍」を目指す政治家に加え、野党第一党の党首まで上位に名を連ねるのだから、人材不足がよくわかる。※週刊ポスト2019年5月17・24日号
2019.05.09 07:13

「菅義偉内閣」の閣僚名簿が出回っている!
新元号発表という「歴史的な瞬間」を国民に届け、スポットライトを浴びた菅義偉・官房長官。いつも会見で見せているポーカーフェイスが一転、元号発表当日は朝から高揚感を隠しきれない様子だった。「新時代の到来」は、菅氏、そしてそれを取り巻く永田町にも“ある変化”をもたらしていた──。 菅氏は「総理を目指さない政治家」と言われ、これまで一度も政権への意欲を見せたことはない。『総理の影―菅義偉の正体』(小学館刊)の著書があるノンフィクション作家の森功氏が語る。「菅という政治家は風貌は地味で表舞台に立って政治を行なうことが上手ではない。安倍(晋三)首相のような明るさもない。本人もそのことをよく自覚している。むしろ実務家として官僚を動かすタイプで、政権を支える官房長官を天職だと考えている。政治家になった以上、総理への野心が全くないとは思わないが、非常に慎重な人だから、今も総理・総裁を目指して動くことは考えていないと思う」 近い人物ほど同じ見方をする。 菅氏が「影の総理」と呼ばれる力を持ったのは、安倍首相が時に衝突しながらも、“野心”のない菅氏に内政を任せてきたからだ。政権の看板である成長戦略は菅氏の政策と言っていい。「財界の要請で外国人労働者受け入れへと国の基本方針を転換したのは菅さんの判断。観光立国のためにビザ発給要件を大幅に緩和したし、水道法改正なども主導した。携帯料金の値下げが決まったのも菅さんの鶴の一声だった」(内閣官房の中堅官僚) 新元号発表についても保守派の猛反対を押し切って新天皇即位の1か月前に発表する剛腕を見せつけた。◆「偉駄天の会」を結成 人事権も握っている。内閣改造の際、大臣は安倍首相が選ぶが、各派閥へのポスト配分が必要な副大臣、政務官の人選は菅氏が中心に調整するとされる。そこで無派閥議員が不利にならないよう配分してきた。菅氏は地元・神奈川新聞のインタビューでこう語っている。〈派閥をつくる気はない。無派閥で当選4回以下の衆院議員に、政治家として歩んできたことをアドバイスしている。派閥に所属しなければ役職に就けないといったことをなくしていこうと。党全体を見て必要な人は応援していくということだ〉(2018年8月12日付) しかし、官房長官として実績を積み上げた菅氏は党内で「次の総理の最有力候補」と見られるようになり、周囲に人が集まってきた。 派閥の役割はポストの配分だ。菅氏がいくら「派閥をつくる気はない」と言っても、ポストで世話になれば、菅氏を「親分」と頼りにする議員が増える。党内には無派閥議員を中心に菅氏を囲むグループが次々に生まれている。「偉駄天の会」はインドの神・韋駄天の韋の字を菅義偉の「偉」に変えた派閥横断的なグループで、その中で当選4回以下の無派閥の若手議員たちの集まりが韋駄天の兄弟・歓喜天(別名ガネーシャ)の名前を取った「ガネーシャの会」。菅側近の梶山弘志・前地方創生相、小此木八郎・前防災相らの「無派閥有志の会」もある。その数を合わせると無派閥議員約70人のうち30人とも50人ともいわれる。 昨年の自民党総裁選では、菅氏自らそうした無派閥議員たちと安倍首相の食事会をセットし、安倍支持票を取りまとめた。ポストを配り、総裁選で一糸乱れずに動く。派閥そのものである。“菅派”議員の1人が匿名を条件に語る。「われわれが表だって菅さんを次の総理にと動けば菅さんに迷惑をかける。仲間はその時まで声を上げないようにしようと申し合わせている。もちろん、安倍政治を引き継げるのは実力的に菅さんしかいないという思いはみんな同じです」 そうした「待望論」が菅氏の背中を押している。◆「菅学校」で大臣を養成「正真正銘3期目が最後の任期となります」 安倍首相は日本商工会議所の総会で、総裁4選論を強く否定した。 それでも絶対ないとは言えないが、「安倍4選がなければ次は菅」と先物買いに走る動きが相次ぎ、早くも菅内閣の大臣の顔ぶれを予想した「閣僚名簿」まで流れている。そこには自薦他薦、自民党の次世代のホープから中堅議員までの名前が並んでいる。筆頭格で登場するのは菅氏が目をかける、地盤(神奈川)を共にするこの2人だ。〈次のリーダーは、とりわけ河野太郎外相と小泉進次郎氏には期待している。当選同期の河野氏は非常に胆力があり、当初から「総理大臣になりたい」と言っていた。今、外務大臣として水を得た魚のように活躍している。小泉氏は若くして注目され、党の農林部会長としてもしっかり役目を果たした〉(神奈川新聞2018年8月12日付) 河野氏は麻生派の後継者候補だが、外相に起用されたのは菅氏の強い推薦があったからとされる。安倍首相とは距離を置く自民党のホープ・進次郎氏も山梨知事選、沖縄知事選など菅氏が応援に入る先に同行して“忠臣”ぶりを発揮している。 菅氏の腹心といわれるのが梶山氏と小此木氏だ。梶山氏の父・静六氏は菅氏の「政治の師」であり、小此木氏の父も菅氏が長年秘書として仕えた恩人だ。菅氏は2人を前回の内閣改造で入閣させ、“恩返し”した。 女性議員で菅氏の“側近”とされるのは沖縄補選に出馬する島尻安伊子・元沖縄担当相、三原じゅん子・参院議員だ。三原氏は菅氏の選挙応援行脚に影のように従う。かつて菅氏が所属していた竹下派からは、小渕優子・元経産相が入閣候補にあがっている。「菅さんは竹下派の顧問格で“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏に参院の運営について相談している。その青木氏は小渕氏を派閥の後継者としてとくに目を掛けているから、菅内閣となれば小渕氏は党3役や大臣で復権する可能性が高い」(竹下派議員) 候補者は二階派の林幹雄氏らなど他派閥にも及び、さらにサプライズ人事として“盟友”橋下徹氏の民間登用を期待する声もある。 こうみると“菅内閣の閣僚名簿”のコンセプトは「世代交代」とも読める。将来の総理候補を大臣にズラリと並べて養成し、自分がやめるときに直接バトンを渡す。かつて吉田茂・首相が佐藤栄作氏、池田勇人氏ら若手を大抜擢して「吉田学校」と呼ばれたように、菅政権はいわば「菅学校」の性格を帯びる。 その時には、安倍首相も二階俊博氏も麻生太郎氏も、石破茂氏、岸田文雄氏、野田聖子氏ら「中二階」組も“過去の人”になる。政界の“代替わり”は水面下で進み始めている──。※週刊ポスト2019年4月19日号
2019.04.06 23:09

“地方政界のドン”になる条件は「知事の後ろ盾になる」こと
4月に行なわれる統一地方選を前に、永田町が慌ただしい。国会議員の選挙マシンとなるのは、地元の有権者に密着する県議や市議たちだからだ。 かつて内田茂氏(80)が、「都議会のドン」と呼ばれたことは記憶に新しいだろう。こうした「ドン」は東京だけでなく、各地に存在する。地方政界のドンになると、議長や副議長ポストを配分することで議員を束ね、県や市の事業や役人人事に影響力を持って業界を仕切り、地元で「票とカネ(選挙資金)」を握ることで国会議員も逆らえないほどの力を持つ者が現われる。 大臣経験者はおろか、安倍晋三首相(64)や菅義偉・官房長官(70)ですら、そうした地元有力者の顔色を窺わなければならない。 当選9回を数える愛知県議会の実力者、水野富夫・県議(69)の事務所は早朝から門前市をなす。「水野さんの個人事務所は毎朝6時10分に開かれるが、その時間には列ができている。県議や県庁の課長クラスの職員から、中央官庁の役人や自衛隊幹部まで午前中だけで毎日30人くらいやってくる。『オレは隠し事はしない』が水野さんの口癖で、会って話をするのは全員一緒。人はどんどん入れ替わっていくが、座に加われば自然に県の情報が入ってくる。選挙になれば中央の大物政治家の為書き(*注)をもらってくれたり、困った時に泣きつくとなんとかしてくれる」(地元議員)【*注/候補者が支援者にもらう選挙応援ポスターのこと。選挙事務所に貼り出される】 隣の岐阜県にも12期、45年間県議を務める自民党の重鎮、猫田孝氏(79)がいる。小泉郵政解散の時には党本部の方針に反対して造反組の野田聖子氏を応援し、野田氏は頭が上がらないといわれる。「県議は200人、国会議員は1200人の党員集めを達成しなければ選挙で公認を出さない」というノルマを課して岐阜を「自民党王国」にした。 そうした大物地方議員にとって、統一地方選は書き入れ時だ。彼らがドンへとのぼる階段は、自分の手で知事をつくり出すこと。 愛知の水野県議は大村秀章・知事をバックアップし、神奈川では、小泉純一郎・進次郎父子を支えてきた横須賀選出の竹内英明・県議(68)が黒岩祐治・知事を擁立することで「県議会のドン」にのしあがった。「知事を後ろ盾にする」のではなく、「知事の後ろ盾になる」のが、地方政界のドンたらしめる“条件”なのだ。週刊ポストでは、内田氏のほか「地方政界のドン」と言える50人の全実名を紹介している。※週刊ポスト2019年4月5日号
2019.03.26 13:05

女性政治家は「マドンナ旋風」から脱却して成熟したのか
故・土井たか子氏ら、平成の初めに「マドンナ旋風」を起こした女性議員は政界に1人も残っていないが、いまや女性の大臣や知事、党首、首相候補が生まれ、スキャンダルの主役になっている。果たして、女性政治家は「成熟」したのだろうか。「政治の世界はいまだ男社会。女性が首相になるためには、男たちから権力を奪い取らなければならない。女性議員にその覚悟があるのでしょうか」 そう指摘するのは『女政治家の通信簿』(小学館刊)の著者で文筆家の古谷経衡氏だ。「政界のマドンナ」と呼ばれるのは、男性政治家から権力闘争の相手ではなく、“花を添える存在”と軽視されている証拠という。「男性優位の政界に女性が飛び込むとチヤホヤされる。それは政策や胆力を評価されてのことではなく、女性だから。本当は見下されていると屈辱を感じるべきです。 唯一、自民党総裁選で安倍首相に挑もうとした野田聖子氏には反抗精神を感じたが、今では与野党問わず、男に媚びへつらう型の女性政治家が大半を占めている」 安倍政権には「女性大臣枠」があって、人数が少ない女性議員は男性より出世が早い。中には稲田朋美・元防衛相のようにスピード出世で「将来の女性首相候補」と持ちあげられた政治家もいた。 だが、稲田氏は大臣の務めを果たせずに更迭された。「女性の国会議員には市議から県議と地盤をつくって国政にのし上がった叩き上げの政治家が少ない。 世襲議員の小渕優子氏が当選したときに『これから勉強します』という言葉を聞いてあ然としたが、女性議員の多くが党からお飾りでも勝てる選挙区や比例代表の議席を与えられた政治の素人です。それで叩き上げの男性政治家に勝てるはずがないし、男から権力を奪う発想も生まれない。一国の総理なんて夢のまた夢でしょう」 実力で権力を奪い取る「真の女性総理」が誕生するのはまだまだ先になるのだろうか。※週刊ポスト2019年1月1・4日号
2019.03.11 15:33

選挙で勝つために必要なのは政策ではなく「分かりやすい物語」
選挙の時期が近づくと、街じゅうに選挙ポスターが貼られるが、そこで目立つのは候補者の顔写真と名前、政党名ぐらいで、細かい政策について触れられているケースは多くない。本来なら政治家を選ぶ際には、政策の良し悪しで判断すべきだと考える人は多いが、なぜそうならないのか。『言ってはいけない』(新潮新書)、『朝日ぎらい』(朝日新書)などの著書がある作家・橘玲氏と、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)などの著書があるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が語り合った。(短期集中連載・第9回)中川:日本でも、選挙で一番強いのは握手をすることだ、みたいなやり口がずっとまかり通っているじゃないですか。政策を読もうという気が全くなく、ルックスとか「あの人は握手をしてくれた」、「あの人はこんな山間部の奥地の集落まで来て声をかけてくれた」みたいなのが、投票する際の判断材料になっていますね。橘:それもあるでしょうが、そもそもなんで選挙に行くのかを考えてみる必要があると思います。これはじつは経済学では大きな謎で、普通に考えたら自分の1票で選挙結果が左右されるわけはないのだから、「合理的経済人」が投票なんかのために時間を費やすはずはない。その結果、先進国はどこでも低投票率に悩んでいるわけですが、それでも猛暑や嵐、大雪のなかを有権者の半分が投票にいくというのは驚くべきことです。 もちろん、「お隣さんに頼まれたから」とか、「お父さんの葬式に来てくれた」などの理由は大きいでしょう。ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ブキャナンは公共選択の理論で、これは有権者がなんらかの見返りを期待している合理的な選択なんだと主張しました。私が選挙に行くようになったのは友人がたまたま国会議員になったからで、なにかの便宜を期待したということはもちろんないんですが、これも「ほんとうに困ったことがあったら頼みにいこう」とひそかに思っている、ということになる。でも、ほとんどのひとは政治家と知り合いでもなんでもないのに選挙に行ってますよね。都市部はとくに顕著ですが、公共選択の理論でも、やっぱりなぜ投票に行くのかはうまく説明できないんです。中川:握手をしたけどオレの目を見てくれなかったとかで、嫌になって投票しなかったというのもありますよね。投票するかしないかは、その程度の差だったりしますね。橘:そこで最近いわれるようになったのが、わざわざ選挙に行くのは自分の「党派性」すなわちアイデンティティを確認するためなんじゃないか、ということです。アメリカはとくにはっきりしてますが、トランプ支持者と反トランプが憎み合っている。これは典型的な「善」と「悪」の対立ですが、そうなると、自分が「善」の側に属していることを確認するためだけで、投票に行くじゅうぶんな動機になる。熱烈なトランプ支持者にとっては、共和党に票を入れることが「悪」を倒すパフォーマンスで、気分がいいんでしょうね。日本でも親安倍と反安倍で分断されているのかもしれませんが、それよりも保守派の政治家がよく使うのは、生活保護の不正受給のような「分かりやすい物語」で票を取りにいくことですね。中川:ある芸人の母親の不正受給疑惑も大きな話題になりましたね。片山さつき氏がこの問題を取り上げたことで一躍、有名になりました。彼女は、政策の難しい話をしたって、そんなの何の票にもならないから、この問題を叩けばいいと考えたんでしょう。橘:あの事件のちょっと前に地方の市長さんと雑談する機会があったんですが、「市民からの電話がたいへんなんです」と頭を抱えていました。「なにかの苦情ですか?」と訊くと、「近所の母子家庭の母親をパチンコ屋で見かけたんだが、あれは不正受給じゃないのか」というようなものばかりなんだそうです。そのうえ、調査しないと何度もしつこくかかってくるので、職員はその対応で疲弊していているそうです。じつは生活保護への不満が日本社会にマグマのように溜まっていて、あの事件をきっかけに噴き出したんじゃないのかと思いました。保守派の政治家が煽っているというより、有権者が求める話をしようとするとかぎりなくネトウヨに近づいていく、ということなんじゃないかと思います。中川:そこで解せないのが、8月に野田聖子さんが「LGBT対策が自民党総裁選のテーマになる」という発言したことです。結果的に野田さんは20人の推薦人を集められず総裁選出馬を断念しましたが、そもそもこのテーマで自民党の地方党員とかの票を取れると彼女は踏んでいたんですかね?橘:「日本人アイデンティティ主義者」の中核にあるのは「嫌韓・反中」すなわち「反日」バッシングなんですが、もうひとつ彼らが許せないのは「弱者利権」で、「自分より列の後ろに並んでいた奴が抜け駆けしていい思いをしている」という怒りなんじゃないでしょうか。その怒りがLGBTやフェミニズム、ベビーカーなどのマイノリティにも向かうわけですが、生活保護の不正受給と比べて「悪」と断定するのが難しいので、実際には多くの日本人は「同性婚も夫婦別姓も本人の自由でいいんじゃないの」と思っている。野田さんや自民党のなかのリベラルな議員はそのことをわかっていて、LGBTを票田のひとつとして取り込んだ方がいいと思っているのでは。 日本ではまだあまり理解されないのですが、世界はいまリベラル化の大きな潮流のなかにあって、ガチガチのカトリックの国であるアイルランドですら国民投票で中絶が合法化されました。北欧では首相がゲイやレズビアンなのはもう珍しくないし、世界的に同性愛者など性的マイノリティに対する許容度が広がっている。「べつに私が迷惑するわけじゃないんだから、みんな好きに生きればいいでしょ」という価値観に、伝統や道徳で対抗するのはますます難しくなっている。日本もこうしたリベラル化の潮流を半周遅れて追っているので、保守の野田さんにとっても、LGBTの側について批判されるリスクより、「保守だけどリベラル」として安倍政権と差別化した方が有利だと考えたんじゃないでしょうか。実際、保守派の政治家が同性婚や夫婦別姓を口にしても、ネットで大炎上するなんてことにはならないですよね。それに対して、「韓国の徴用工判決にも一理ある」なんて言ったらどうなるか?中川:とんでもないことになりますよね。思い返せば、元東京都知事の舛添要一氏が、新宿区に韓国人学校を作ろうと言ったときにも「待機児童の問題があるのに、そんなもん作っている場合か!」という反発がすごかったですから。橘:それは「韓国」「中国」が日本人という脆弱なアイデンティティを逆なでするからです。これは「右傾化」と呼ばれていますが、その実態は「(日本人だという以外に誇るもののない)日本人アイデンティティ主義」で、従来の保守・伝統主義とは別なんじゃないかと考えています。◆有権者の多くが世界を善悪二元論でしか理解できない中川:ネットで安倍首相の支持層の発言を見ると、嫌韓・反中は多いのですが、一方でアメリカに関する発言を見ると、オバマ大統領の時は嫌いだったけど、トランプ大統領が誕生したら好きになっているという印象もあります。 逆に、安倍支持層はヒラリー・クリントン氏のことは嫌いだと思います。女性で自分より頭良さそうだし、あと夫(ビル・クリントン元大統領)の不倫を許したように見せて、結局、夫婦間でマウンティングをとっているのも、いけ好かない要素なんだと思います。橘:政治的に保守派を支持するひとたちの性格が反エリート主義や女性嫌悪で共通しているという研究はアメリカにはたくさんあります。日本の親安倍とアメリカのトランプ支持者が似ているのも、心情的に通じるものがあるんじゃないでしょうか。 保守とリベラルで分けると、どの国もドメスティックス(保守派)の方が多いから選挙では勝つんです。ただグローバル世界を見るとこの関係は逆転して、リバタニア(リベラル共和国)が圧倒しています。これが、オバマ大統領の就任式でビヨンセがアメリカ国家を歌ったのに、トランプ大統領の就任式ではすべての歌手が出演を断った理由です。アメリカだけでなく世界じゅうにファンを持つグローバルなスターにとって、わずか2億人のアメリカの保守派の機嫌をとるために70億人の全世界の潜在的なファンを失うリスクを冒す理由はないんです。 日韓の慰安婦問題にしても、日本国内では保守派が圧倒していますが、グローバル世界では国連、アメリカ下院、EUなどで次々と日本政府の謝罪を求める決議をされている。そうなると「韓国の陰謀だ」みたいな話になるんですが、韓国が国連やアメリカ、EUの議会を自由に操れるんなら、いまごろ世界を支配しています。日本政府の大きな失策は、慰安婦問題を日韓のナショナリズムの対立(歴史問題)だと考えて、リバタリアでは女性の人権問題として扱われていることに気づかなかったことですね。「性的な被害を受けた女性は救済されるべきだ」というのがリバタニアの価値観なのに、「慰安婦は売春婦だ」なんていっていたら、「性差別主義者」のレッテルを貼られて排除されるだけです。中川:ネット上でよく言われる「在日が日本の経済界と政界を牛耳っている」というロジックにもつながりますね。すべてのマスコミに韓国人が入りこんで支配しているという説まであります。橘:日本だけではありませんが、世の中には、自分の不幸や生きづらさを「どこかに“敵”がいるからだ」と考えるひとが(ものすごく)たくさんいます。これが陰謀論なんですが、そういう善悪二元論でしか世界を理解できないひとも1票を持っているわけですから、落下傘候補で選挙区の支持が安定せず、落選したら「人間以下」になってしまう政治家がポピュリズムの誘惑に負けるのも仕方ないのかなと思います。中川:そう考えると、先ほどの片山さつき氏の政治戦略がよく理解できますね。杉田水脈氏のLGBT発言なんかは、その流れを踏襲しながら地雷を踏んだということでしょうか。(続く)◆橘玲(たちばな・あきら):作家。1959年生まれ。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『言ってはいけない 残酷すぎる真実』『(日本人)』『80’s』など著書多数。◆中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):ネットニュース編集者。1973年生まれ。『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』『縁の切り方 絆と孤独を考える』など著書多数。
2019.03.11 15:35

宮崎県のふるさと納税返礼品 北海道産ホタテと博多明太子の取り扱い断念
実質自己負担2000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」は、返礼品競争に拍車がかかり、ブームが過熱。ついに返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定するよう総務省から「待った」がかかり、大きな曲がり角を迎えている。 各地の混乱は、野田聖子総務相の“変心”によるものでもある。就任直後の昨年9月、野田氏は新聞社のインタビューのなかで、各自治体に通知を出した総務省に対し、「自治体にお任せするのが当然」と発言していた。「今回のご自分が発した言葉と比べてください」と、佐賀牛のももスライス500g(寄付額1万円)や家電製品などを返礼品としてきた佐賀県みやき町の末安伸之町長が首をひねるのももっともだろう。ふるさと納税で食費0円生活を送る「ふるさと納税の達人」こと金森重樹氏は、次のように指摘する。「“返礼品の額”を寄付額の3割以下に抑えるという『3割ルール』は、返礼品の小売価格なのか卸価格なのか、それとも原価をもとに考えるのかが明確ではない。『地場産品ルール』も、たとえば県外で生まれた牛が何歳までに移ってくれば地場産とするのかといった点がはっきりしない。いずれも基準が曖昧としかいいようがない」 各地の混乱に拍車がかかるのも当然だろう。 博多の明太子1.2kg(寄付額1万円)や北海道産ホタテ貝柱1.5kg(同1万円)などを返礼品とする宮崎県都農町では、苦渋の決断を迫られたという。「ホタテは友好都市である北海道の佐呂間町産で、今年6月時点では県に『友好都市のものならばOK』といわれたのですが、9月には国から『地場産品以外』と名指しされた。この3か月の間に方針を変えたという周知もありません。仕方がないので、今後は取り扱わないことになった」(ふるさと納税係の担当者) 北海道産の海産物については10月末で申込受付を終了する予定だという。 和歌山県産みかん10kg(寄付額1万円)などを扱う和歌山県湯浅町では「3割ルール」に従うべく、昨年から少しずつ、返礼品の見直しを進めてきた。今、気になるのは「地場産品ルール」のほうだという。「みかんも、厳密にいえば、町ではなく和歌山県産。ただ、近隣の紀北のみかんではあるので、認め続けてほしいところです」(ふるさと納税推進課の担当者) 総務省は11月1日時点での返礼割合の再調査を行なう予定だが、すでに見直しを表明する自治体も相次ぐ。 だからこそ、「いまのうちに」という“駆け込み納税”の動きもある。「9月11日の大臣会見後、1日で7億7000万円ものふるさと納税がありました」とは前出・佐賀県みやき町の末安町長の証言だ。※週刊ポスト2018年10月5日号
2019.03.11 15:38

ふるさと納税ルール変更に自治体悲鳴 「地元の店は潰れる!」
実質自己負担2000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」は、返礼品競争に拍車がかかり、ブームが過熱。ついに総務省から「待った」がかかり、大きな曲がり角を迎えている。しかし、そんな状況下でもまだ、賢く利用できる術はないのか。日本全国の自治体の対応を取材し、探った─―。 地方創生の一環として整備されてきた「ふるさと納税」だが、規制強化の動きが加速している。全国各地の自治体からは怒りや戸惑いの声が噴出している。 昨年度、町税の税収25億円を大きく上回る72億円の寄付金を集めた佐賀県みやき町の末安伸之・町長の訴えは切実だ。「ふるさと納税を通じた寄付によって給食費や医療費の無料化、新たな保育所の整備などを進めていたので、寄付が減れば町の財政を直撃します。せっかく地方が独自の取り組みで自立しようとしてきたのに、国はわかっていない」 野田聖子・総務相は9月11日の記者会見で、一部自治体が高額な返礼品で多額の寄付を集めていることについて「制度そのものが否定される不幸な結果を招く」として、返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定。違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置が受けられなくなるよう、来年の通常国会に地方税法改正案を提出して規制強化を目指す方針を打ち出した。 2007年に創設されたふるさと納税は故郷や応援したい自治体に寄付すると返礼品がもらえるうえ、所得税・住民税の還付・控除が受けられて、実質的な自己負担は2000円で済むことから、ブームと化してきた(還付・控除の上限額は所得などによって異なる)。一方で寄付金集めに走る一部の自治体は地場産品とは思えない高額返礼品を掲げて競うようになり、総務省は「3割ルール」「地場産品ルール」を守るよう2017年4月に通知。それに従わない自治体が多かったことから、総務省は今回の大臣会見と同時に調査結果を公表した。 そこでは、9月1日時点で「3割ルール」に違反している246自治体(全体の約14%)を実名で公表。名指しされた自治体では混乱が相次いでいる。 佐賀牛のももスライス500g(寄付額1万円)や家電製品などを返礼品としてきた前出・みやき町もその一つ。「肉の加工工場では設備投資や人員増をすでに進めている業者もいるのに、急すぎる見直しでは混乱を招くばかり。家電製品はすでに取り下げましたが、これはもともと、大手の家電量販店の進出で地元の電機店が困っているので、返礼品を出荷してもらえるよう手を差し伸べる試みだった。このままでは地元の店は潰れますよ!」(末安町長) 豚肉切り落とし5kg(寄付額1万円)などを用意する宮崎県都城市では、返礼品を供する約90の企業で構成される都城市ふるさと納税振興協議会から困惑の声が漏れる。「急増する寄付者の期待に応えられるように、設備投資も人員も増やして量産体制をとっていますが、規制が厳しくなれば、連鎖倒産も避けられない。国の方針がコロコロ変わると困るのは、僕ら現場です」※週刊ポスト2018年10月5日号
2019.03.11 15:38
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