国際情報一覧/451ページ
国際情報を集めたページです。韓国、北朝鮮、中国などの最新動向や、世界各国のニュースの背景を深く分析。国際社会における日本の今が見えてきます。

ベルリン五輪日本代表・孫基禎選手の銅像 胸には太極旗
少女時代やKARAといった韓国女性アイドルグループが人気となるなど、現在は「第二次韓流ブーム」とまで言われる。だが、日韓両国には複雑な感情もある。その一つのあらわれが、「日章旗抹消事件」だ。この事件について産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏が解説する。これは、1936年に行われたベルリン・オリンピックで、朝鮮半島出身の孫基禎選手が日本代表として金メダルを獲得したことに端を発している。****************************** 彼は韓国人にとっては民族的英雄だ。しかし当時の韓国は日本統治時代だったため、日の丸を胸に日本選手として出場した。国際的には今も日本選手の金メダルとして記録されている。この「日本選手としての金メダル」が、韓国人にとっては昔から癪のタネになっている。民族的感情としては十分理解できる話だ。 そのため、当時、孫選手の金メダルを伝えた韓国の新聞で、東亜日報は孫選手の胸の日の丸を消した写真を掲載した。有名な“日章旗抹消事件”だ。おかげで東亜日報は総督府から厳しい処罰を受けたが、現在はそれが韓国ジャーナリズム史における誇らしい“勲章”になっている。 孫選手をめぐっては、戦後も似たようなことが続いている。韓国の国会議員がベルリンにあるオリンピック記念施設で、孫選手の国籍がジャパンと刻まれているのに腹を立て、勝手にコリアに書き直したという事件もあった。 韓国側は国際オリンピック委員会に対しても、公式記録にある国籍を韓国に訂正するよう求めてきた。しかし公式には当然、日本国籍のままだ。韓国人にとっては鬱憤だが、歴史的事実の記録なのだから、書き変えようがない。 それでも、韓国側の民族感情からすると、我慢できない。韓国では近年、孫選手の銅像をベルリンに立てようという動きがあり、民間の手で銅像が完成、この秋、ベルリンに送られるという。これに合わせ、現地ではドイツ在住韓国人を中心に「第1回孫基禎記念ベルリン・マラソン大会」も開かれるという。 孫選手の銅像は、金メダルを取った時の力走する姿そのままで、胸のゼッケン(選手番号)も当時の382が刻まれている。シューズも日本選手特有の地下足袋型のものになっている。 ところが、ランニングの胸に刻まれた国旗が、日の丸ではなく韓国の国旗である“太極旗”になっているではないか。これは実に興味深い。孫選手がベルリン五輪で韓国の国旗を胸に走ったという事実は存在しない。しかし韓国人にとっては「そうであるべきだった」「そうであってほしい」という気持ちから、孫選手の胸に太極旗を描いたというわけだ。 韓国人の歴史観とはこういうものかもしれない。過去に存在した事実でも、後に事情の変化でそれが気に食わないとなれば、書き直してもいいということだ。韓国ではこの夏、韓日併合百年と称して歴史回顧がにぎやかだった。その際、決まって登場するのが「歴史の清算」という言葉だ。政府もマスコミも学者たちも、日本に対しては「歴史の清算」を繰り返し要求している。 しかし孫選手の銅像のように、韓国的歴史観で「歴史の清算」を求められたのではかなわない。日韓の間で歴史認識の一致など、どだい無理な話である。 ※SAPIO 2010年9月29日号
2010.09.28 17:51
SAPIO

126回結婚し85回離婚しながら妻41人の面倒見ていたケニア人
一夫多妻が許されるのはイスラム圏で、聖典コーランは4人まで妻帯を認めている。『世界SEX百科』(データハウス刊)の著者、由良橋勢氏はいう。「ジハード(聖戦)で死んだ兵士の妻を路頭に迷わせないよう、イスラム男性が面倒を見たのが制度の背景のようです。とはいえ、複数の妻を養うには豊かな経済力が必要で、誰もが一夫多妻を享受できるわけではありません」 実は世界で一夫多妻制は珍しくなく、チベット族やアメリカのユタ州に本拠を置くモルモン教徒も近年まで数多くの妻を娶っていた。中でも極めつきがケニアで、126回結婚し、85人と離婚しながらも、41人の妻を同時に面倒見ていた御仁が実在するというから最敬礼ものだ。先ごろアフリカを訪れた商社マンが語る。「東アフリカのイスラム教国では、裁判官の前で夫が妻に“タラカ(離婚)”と3回唱えれば、その場で離婚成立らしいです」 一妻多夫制もレアケースながら実在する。インドのナイール族、チベットやネパールの少数民族がそれだ。チベットでは、兄弟が一人の妻を共有していた。厳しい自然と生活環境のもと、無駄に分家して戸数を増やし、家畜や財産を分散させるのを避けるのが目的だとされている。※週刊ポスト2010年10月1日号
2010.09.28 14:42
週刊ポスト

第二次大戦で米兵 旧日本兵頭蓋骨に「これはいいジャップ」
115万柱。先の大戦において海外で戦死した日本人のうち、いまだ現地に放置されたままの遺骨の数である。戦後65年経た現在も、遺族やボランティアによる懸命な遺骨収集が行なわれているが、収集できた遺骨は、海外戦没者総数の約半分に過ぎない。 遺骨収集を続ける遺族もすでに高齢を迎え、故人との再会を果たせぬままになるケースも増えている。しかし、東南アジアなどの戦地をまわり残り少ない時間を遺骨収集に傾ける人たちがいる中、その遺骨がアメリカ本土にあるとしたらどうだろうか。 しかも戦中の戦利品として、コレクションとしていまだアメリカを彷徨っているとしたら。在米ジャーナリストの武末幸繁氏がリポートする。****************************** 敵の遺留品を持ち帰るのは日本兵もやったことだ。インパール作戦で連合軍に撃たれ、九死に一生を得た傷痍軍人である筆者の父も英軍のフォークを持ち帰っている。しかし人の頭蓋骨や遺体の一部を持ち帰った米兵がいることには驚かざるを得ない。 第2次大戦最中の1944年、5月22日付のライフ誌に女性が頭蓋骨を眺めている写真が掲載された。日本と戦っている恋人の米兵からプレゼントとして贈られた日本人の頭蓋骨を眺めている写真だ。英語でトロフィー・スカルと呼ぶが、頭蓋骨を勝利のトロフィーとして贈ったのだ。 では、それらの頭蓋骨はその後どうなったのだろうか? 荷物になるし大戦末期は持ち物検査がうるさくなったため、帰還の際、相当数が海に捨てられたともいわれる。しかし、米国内で少なからず頭蓋骨トロフィーが発見されている。最近の例を紹介する。 2003年6月、コロラド州プエブロで、警官が麻薬捜査で家宅捜索したところ、麻薬は見つからなかったが、ベッドの下から小さいトランクを発見した。 なかには人間の頭蓋骨があり、表面に「ガダルカナル」「1942年11月11日」「これはいいジャップだ」「J・パパス」などと書かれていたほか、中佐を含む36人もの軍人の寄せ書き(サイン)があった。 保安官の調べに対し、所持者であるレイモンド・フランクリン氏(当時41歳)は「これは曾祖父のジュリアス・パパスから受け継がれてきたもので、ガダルカナル島で曾祖父の親友を殺した日本兵を曾祖父が殺し、トロフィーとして持ち帰ったと聞いた」と供述。 パパス氏の姪も若い頃、同じ話を聞かされていたことが分かり、また現地の新聞、プエブロ・チーフテン紙が42年当時にこの頭蓋骨トロフィーのことを記事にしており、その話とも一致した。 パパス氏は長らく海兵隊員を務めた人物で1960年に死亡している。 ※SAPIO 2010年9月29日号
2010.09.27 18:35
SAPIO

20分で犯人射殺&事件解決 世界最強特殊部隊候補はフランス
テロなどに備えて実戦的な訓練を積む日本の特殊急襲部隊SATだが、ヨーロッパにはそのお手本となる部隊が存在する。なかでもフランス警察特殊部隊の実力は抜きんでている、と世界各国の部隊を取材したジャーナリスト、笹川英夫氏は解説する。****************************** 犯罪が凶悪化し、テロが頻発する今、世界的に「警察特殊部隊」が必要とされてきている。多くの人がまず真っ先に思い浮かべるのが、米国のSWAT、日本のSATあたりだろう。だが世界各国の特殊部隊を取材してきた身からすれば、歴史的にも、装備やスキルの面からも、一目置かれているのは、むしろヨーロッパの特殊部隊だ。 1994年12月26日深夜。フランスのマルセイユ空港に、アルジェリアからのエールフランスの旅客機が1機、給油のために降り立った。イスラム武装集団によるハイジャックだった。 この時出動したのが、フランスの国家憲兵隊治安介入部隊GIGNだ。後に「エールフランス8969便ハイジャック事件」と呼ばれ、アメリカ同時多発テロ事件に連なる事件であったことがわかったこの事件に、GIGNはどう対処したか。 1班15人編成のGIGNは、3つの班を出動させた。突入開始のGOサインが出されてからわずか20分。双方で1500発の銃弾が飛び交う銃撃戦の結果、4人の犯人は全員射殺。残った人質を無事救出したのだった。 GIGNの本部はベルサイユ宮殿の隣にあり、隊員は国家憲兵隊10万人の中から選ばれたエリート中のエリートだ。 私は訓練に同行したが、そのスピードとテクニックは、間違いなく世界1、2位だろう。ハイジャック事件の解決の仕方を見てもわかるように、常に先手を取り、迅速性で勝負する。特に射撃の腕は秀でており、ライフル200メートル射撃で95点以上という命中精度を誇り、すべての火器のエキスパートである。ハイジャック事件でコックピットにいた犯人を射殺したことでも、その技術がわかるだろう。※SAPIO 2010年9月29日号
2010.09.27 18:12
SAPIO

チリ落盤事故で愛人続出し妻と大銭闘 鉱員が愛人持てる理由
チリ北部、サンホセ鉱山で起きた落盤事故。33人が無事だが、地上では修羅場が展開されている。それは、鉱員の愛人を名乗る女性が続々登場し、無事の帰還を求める妻と罵り合ったりしている件である。 現地紙記者がいう。「チリでは鉱員の給料は医師や弁護士よりも高く、鉱員の中には愛人の一人や二人いることは珍しくない。鉱員の月給は約10万円。国民平均給与の約2倍にあたる。8月分の給料や鉱山会社や一般市民からの約125万円といわれる寄付金を誰が受け取るかで揉め、少なくとも5人の鉱員に愛人問題が発生しています」 そのなかには元看護士で、現在鉱員たちの健康を管理し投薬などの職務を負うジョニー・バリオス(50)もいる。「バリオスの妻は、愛人が夜通し夫の名前を叫んで祈りを捧げている姿を見て腰を抜かしていた。別のケースでは夫の生還を願い、妻が作ったポスターを愛人が破って大騒ぎになっていました」(同前) 仕事上の思わぬトラブルが家庭の大問題に発展し得る、という意味で他山の石にするしかない。※週刊ポスト2010年9月24日号
2010.09.27 14:56
週刊ポスト

チリ落盤事故の鉱員に家族が「ヌード写真」を差し入れしている
チリ北部、サンホセ鉱山で起きた落盤事故。33人が命をつないだ奇跡だが、彼らには精神面での心配が残る。 仮に鉱員の救出日時を12月上旬としても発生から4か月を経ることになる。精神科医の和田秀樹氏の危惧は、次の通りだ。 「心配なのは肉体的限界よりも精神に異常をきたす作業員が出ることです。人間は密室に長期間、閉じ込められると拘禁反応が出てくる。幻覚妄想が見えたり、檻に捕獲された動物のように壁にわざと体当たりしたり、一過性の精神病状態になることもある」 過去にはこんな驚くべき実験結果もあった。東亜大学医療学部の中田敬司准教授の話。「99年末、ロシアの研究所が宇宙での長期滞在の可能性を試すため、各国被験者に外部と遮断された環境に110日滞在させるという実験を行ないました。その結果、被験者同士のケンカや人間関係の悪化が相次ぎ、ロシア人男性がカナダ人女性にキスを迫るという事態まで発生した。日本人被験者は耐え切れずに60日目でリタイヤして退室しました」 拘束期間が長引くにつれ、「性の処理」についても我慢のレベルを超えてくるという。「男性同士が密室で禁欲生活を強いられると、過去にアメリカの刑務所で起きたようにホモセクシャルの強姦のような事態になりかねない。リーダーの下での秩序だけではなく、夜間に交代で自慰行為を許すなど寛容な計らいが必要です」(前出・和田氏) 現場では、気を利かせた家族が差し入れの手紙や本に紛れてヌード写真の切り抜きなどを送っているという。それも作業員たちのストレスを爆発させないための賢明策といえよう。 ただし、救助までに超えなければならない最大の山場はこれから―そう考える専門家も多い。事故現場の心理カウンセラーたちが最も心配するのは、通称「4分の3症候群」である。 前出・中田准教授の解説。「期限やゴールを知らされると目的完了日の半分を過ぎたころから4分の3にさしかかる時期に、精神状態の悪化がピークに達する。南極基地での2度にわたる調査で報告されている現象です」 鉱員たちに4分の3症候群が出てくるのは、10月から11月頃と見られている。予断を許さない状況はまだまだ続く。※週刊ポスト2010年9月24日号
2010.09.27 14:55
週刊ポスト

チリ落盤事故のリーダーが持つ卓越した非常時対応能力とは
チリ北部、サンホセ鉱山で起きた落盤事故。33人が命をつないだ奇跡は、中間管理職の「危機管理術」という点から見ても示唆深い。採掘プロジェクトのシフトリーダー、ルイス・ウルスア(54)についてはこんなエピソードがある。 今回、落盤の強い揺れと激しい爆音に接してウルスアがリーダーとして最初に取った行動は、「現状把握」だった。鉱員に対してシェルターへの招集を促し、安否確認をする。そして鉱山経験が豊富で坑道を把握する3人のベテランを選び、落盤現場の視察を命じた。 世界120か所の災害を調査してきた防災システム研究所・山村武彦所長の解説。「非常時のリーダーに求められる能力は洞察力や統率力など複数あるが、何より大切なのは、トラブルを単純化する能力です。ウルスアは事故現場を視察することで、『地下400メートル付近の坑道が落盤で完全に塞がっている。これは救助隊を待つしかない』と長期戦を覚悟したんでしょう」 山村氏は鉱員たちが食料を食べ尽くす寸前に生存が確認されたのも偶然ではない、と続ける。「損害状況から救助隊が来る日をシミュレーションし、分配のペースを考えたのではないか」 20代初めに鉱員になって31年。まさか齢50を過ぎて、一躍、“時の人”になるとはウルスア本人も思っていなかっただろう。ただし、その資質や日常から積み重ねられたリスクへの備えを改めて見ると有事のリーダーとして、これほど頼もしい人物もいない。※週刊ポスト2010年9月24日号
2010.09.27 14:53
週刊ポスト

韓国人の7割が「不倫したら懲役刑」の姦通罪を支持している
不倫花ざかりの日本と対照的に、お隣の韓国では「不義密通」がご法度になり、懲役刑が待っている。08年12月には、夫から姦通罪で訴えられていた韓国の女優オク・ソリに懲役8月、執行猶予2年の有罪判決が下った。オクは憲法裁判所に姦通罪自体の是非を問うていたが、それも合憲ということで却下されている。現地のジャーナリストが解説する。「韓国の姦通罪は日本の植民地支配時代に施行され、かつては妻だけに適用されていたのが、53年の刑法改正で夫も対象になりました。姦通罪は親告罪で、07年は約1200人が起訴されたものの、実刑判決は50人ほどしかいません」 韓国は日本よりずっと儒教的タブーが強く、いまだに女性の社会的地位は弱い。そういう社会状況のもと、この法律のおかげで妻が泣き寝入りせず夫と浮気相手を訴えるケースもけっこうあるのだという。ジャーナリストは続ける。「韓国の民放局SBSが行なった調査では、回答者の69.5%が姦通罪の廃止に反対、賛成は21.2%だけでした。しかも反対のうち男性は58.5%なのに、女性の支持が79.6%と圧倒的なんです」※週刊ポスト2010年10月1日号
2010.09.27 14:44
週刊ポスト

アメリカの子供が思春期でも親と仲が良いのは車社会のため
アメリカ在住のジャーナリスト・小国綾子さんが、「アメリカの子供はなぜ、思春期でも親と仲が良いのか?」について分析をしている。 小国氏は「何か変だ」とした上で以下のように語る。「古今東西、思春期は親に反抗するものではないか。そこで、アメリカ人の親子にあれこれ事情聴取するうち、ある事実に行き着いた。アメリカ人親子のベタベタぶりの秘密は、『車社会』にあるようなのだ。 公共交通網が未発達のアメリカでは、運転免許を取得できる年まで、親に車で送迎してもらわない限り、どこにも行けない。友だちの家に遊びに出かけるにも、親の送迎は不可欠だ。小学生だけで電車に乗って出かけたり、子供同士で近所の店で買い食いする、なんてことは、今のアメリカの都会ではありえない。 あるアメリカ人ママの証言。『週末が近づくと、中学生の息子がニコニコと愛想良くなり、家の手伝いをし始めるのよ。私の機嫌を損ねたら、カノジョとのデートもおじゃんだからね。うっしっし』。おまけに、車で送迎すれば、車の中では親子っきり。これが親子の貴重な会話の時間にもなってるんだって。『車で送迎』は、思春期の子をもつ親にとって最強の武器ってわけか」 ただし、小国氏の友人・アンは小国氏に反論する。「でも、あんたもアメリカの親子を美化しすぎよ」。そういわれた小国氏はこう続ける。「実はカノジョ(アン)、息子の反抗期にかなり苦労したという。『車で送迎すれば、親子の会話が自然と生まれるって? 冗談じゃないわよ。うちなんか、重苦しい沈黙の中、何時間車を走らせたことか。日本みたいに子供を一人で行動させられない分、親のストレスはすごいのよ』 なるほど、車社会には車社会ゆえの苦労があるのねえ」※週刊ポスト2010年9月17日号
2010.09.24 14:25
週刊ポスト

BRICsに続く?日本のビジネスチャンスの宝庫「VISTAC」
欧米先進国の景気低迷が続く中、グローバル企業と投資マネーの新興国シフトが加速している。中心はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と、それに続くVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)にコロンビアを加えた「VISTAC」である、と大前研一氏は指摘する。以下、大前氏の解説。 これらの国には共通点がある。その大半は人口が4000万人以上、国民の平均年齢が20代後半で、豊富な労働力を有していること。そして近年の政治の安定化に伴い、先進国へ出稼ぎや留学に行っていた優秀な人材が続々と帰国していることである。 このため今後もさらなる成長が期待できると見て、グローバル企業や投資先を求める欧米先進国の余剰資金が流れ込んでいるのだ。 では、そうした新興国で最も不足しているものは何か? 実は、高速道路、鉄道、港湾、電力、上下水道、工業団地などのインフラである。BRICsとVISTACのうち、中国以外の国はインフラが全く整備されていない。資金はそこそこあるのだが、建設や運営のノウハウがないのである。 つまり、新興国には莫大な利益が見込めるインフラ関連の巨大な市場があるわけで、それらの分野で優れた技術力とノウハウを持つ日本にとってはビジネスチャンスの宝庫なのだ。 ※週刊ポスト2010年9月17日号
2010.09.24 13:38
週刊ポスト

軍事費は3倍 中国に対してここまでノーガードなのは日本だけ
通信社記者時代から40年以上にわたって外国のニュースを扱ってきた外交評論家の田久保忠衛氏は、最近の日本人に国際的緊張感が失われていることを感じ、軍事大国化する中国に「ノーガード」であることに、強い懸念を抱いている。以下、田久保氏の意見だ。 今や中国は防衛費が実質的に日本の3倍という軍事大国となった。外交と軍事を車の両輪として13億の人口を養い、日本の25倍の国土を富ませていこうという考えなのだ。当然、周辺国には大きな圧力となっているが、日本の政治家はそこまで思い至っていない。 中国の戦略的な行動はこれだけではない。中国海軍の寄港を視野に入れた、インド洋諸国の港湾整備への資本投下や、中国とミャンマーを結ぶ2380キロの原油・天然ガスパイプラインの着工などがそれにあたる。エネルギー資源、鉱産物、木材などを狙ったロシア極東部への進出、カスピ海から原油・天然ガスを引き込むためのパイプライン完成など世界的膨張をどう考えるか。 そんな中国に対し、日本は刺激をしないよう遠くから見ているだけでいる。世界でこれほどノーガードなのは日本だけといっていい。 自衛隊は軍隊ではないし、韓国、中国、ロシアなど周辺国と反対に防衛費は減らすばかりだ。さらに、日本の自衛隊は法的にがんじがらめで、緊急時に迅速に対応することができない。自衛隊を他の普通の民主主義国並みに国軍化させるべきだ。 日本の全国会議員に、中国を脅威と見るかどうかの二者択一で質問したい。次の選挙でどうやったら当選できるだろうかと私益だけを考えているような人間ばかりで、本当に外交・防衛を理解している政治家が一体何人いるだろうか。 日本が戦略的な視点と国際的緊張感を取り戻すことこそ急務なのだと私は考えている。※週刊ポスト2010年9月17日号
2010.09.24 13:37
週刊ポスト

チリ落盤事故「自慰部屋つくるべき」と海上自衛隊員指摘
2010年8月24日、チリの鉱山で起きた落盤事故で地下700メートルに閉じ込められた33人の鉱夫たち。今後は数々の大問題が待ち構える。「男33人が狭い空間で4か月も過ごしたら何が起きるのか」が心配されているが、 まずは喧嘩が起きたら一大事。そして、男性にとって重要なのが性欲の処理。 長期の航海が多い海上自衛隊員は船上でいかにして処理をしていたのか。「個室スペースはトイレしかないので、そこで自慰行為をすることが多いようだ。そのための雑誌などを持ち込むことも、黙認されている。無理に制限すると、上官への不信を招いたり、男色に走ることでトラブルが発生したりする可能性があるからです。今回も、坑道にそれ専用のスペースを設けるなどしたほうがいい」 酒が救援物資に含まれていないことも今後の課題だ。宇宙開発事業団で宇宙飛行士の健康管理を担当する井上夏彦氏がこう指摘する。「鉱夫たちが日常的に酒を嗜(たしな)んでいたとすれば、断酒は高ストレスを招きます。連絡役を務めるリーダーへの不満も募るので、節度を守って提供すべきです」※週刊ポスト2010年9月17日号
2010.09.24 13:35
週刊ポスト

北朝鮮・金正日総書記「後継・正恩」で握られた「金玉」情報
北朝鮮・金正日総書記の後継者は「三男・正恩(ジョンウン)」氏とされているが、8月末に金総書記が訪中した際の大きな関心事は正恩氏も同行したか否かだった。結局正恩氏の訪中ははっきりとはしていないが、「可能性はある」と語ったのは韓国国家情報院筋。「訪中団の中に正恩の姿は確認されていないが、長春では胡錦濤・中国国家主席が金正日とは別に“重要人物”と面会したとの情報を得ている。正恩を後継者としてお披露目した可能性は捨てきれない」中国側は正恩の同行を否定していると伝えられるが、その説明は「主要随行員のリストに正恩という名前は確認できなかった」という微妙なトーンだ。金正日の健康不安が囁かれる中、北朝鮮では9月の朝鮮労働党代表者会、10月10日の党創建65周年と大きな行事が控えている。44年ぶりの開催となる代表者会では金正日の義弟・張成沢を中心とした集団指導体制の発足が確実視されており、この新体制が若い正恩をバックアップするとみられている。着々と進んでいるように見える「3代目への権力移行」。だが、北朝鮮情勢に詳しい李英和・関西大学教授は「もう一波乱起きる」と分析する。理由は、「正恩の産みの親」を巡る新情報だ。これまで正恩の母は金正日の第3夫人の高英姫(コヨンヒ・故人)とされてきた。しかし、李教授によると、最近になって、正恩の実母は国防委員会課長の肩書きを持つ事実上の第4夫人・金玉(キムオク)であるとの説が強くなっているという。李教授はこう指摘する。「金玉は金正日が存命のうちに“実子”である正恩の後継体制を確実にしたい。しかし、これまで長男・金正男と近かった張成沢は、できるだけ正恩へのバトンタッチを遅らせて、正男の復活の可能性を残しておきたいとの意向がある。過去、金玉と張成沢は意見の対立を繰り返してきた経緯があるだけに、正恩の扱いをめぐって衝突が起きることも考えられる」※週刊ポスト2010年9月17日号
2010.09.24 13:29
週刊ポスト

落合信彦 アメリカ人の心がセコくなったとレストランで感じる
リーマン・ショックを経て、アメリカはそのプライドまで失ってしまったのだろうか――こう感じているのはジャーナリストの落合信彦氏である。そう感じたきっかけは、同氏が宿泊したアメリカのとあるホテルのレストランでのできごとだった。 「朝食をとったあと、チェックをもらうと、一番下に『gratuity』と書かれている。これはチップを意味する単語だ。 その欄に料金の15%なら何ドル、20%なら何ドルになる、ということがいちいち書いてある。もちろん、日本と違ってアメリカにはチップ文化が根付いている。チップが現場従業員の重要な収入源になっているのだから、サービスを受けたらいくらか置いていくのがマナーではある。 しかし、それはあくまでこちらがサービスの質を判断して、『感謝の気持ち』として置いてくるものだ。これでは、『この額をよこせ』と要求を突き付けられているのと変わらない。まったくみみっちい話である。 さすがに、ビバリー・ウィルシャー(映画『プリティー・ウーマン』で使われた街でいちばん高級なホテルのこと)のレストランはそういうことをしないが、四つ星以下のホテルや大部分の巷のレストランも同じである。ここまでアメリカ人の心がセコくなってしまったと、つくづく感じさせられた。 聞けば、レストランのウェイターをしている男は、リーマン・ショック前までは大学の講師をしていたのだという。不況で職を失った境遇には同情しないでもないが、貧すれば鈍するとはこのことである」 ※SAPIO2010年9月8日号
2010.09.16 15:21
SAPIO

南アフリカのプチ金持ち黒人「ブラック・ダイヤモンド」台頭中
投資対象として注目を集める「BRICs」(ブリックス)。03年にゴールドマン・サックスが作成した、中長期的に成長期待のブラジル、ロシア、インド、中国の新興4か国の頭文字をつなげた言葉だが、最近のトレンドとして注目を集めているのは「BRIICS」(ブリークス)だという。 BRICs経済研究所代表の門倉貴史氏によると、BRICs4か国のみならず、インドネシアと南アフリカも有望視されているという。「有力新興国グループ『BRICs』に次ぐ『ポストBRICs』最有力グループとして、私はベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの『VISTA』(ビスタ)を06年に提唱しました。この『VISTA』の中のインドネシアと南アフリカについて、OECD(経済協力開発機構)が最近、BRICsグループに両国を加えて「BRIICS(ブリークス)」(追加のIがインドネシア、大文字のSが南アフリカ)にしたほうがよいと言及しています」(門倉氏) インドネシアはイスラム圏の国家のため、宗教上の理由で産児制限をしておらず、出生率と人口増加率が非常に高い。同国の中産階級の台頭は巨大な消費マーケットの形成に寄与しており、中産階級以上の人口が11年には2700万人まで膨らむという予想もある。 また、南アフリカでは現在、教育水準や社会的地位の高い「ブラック・ダイヤモンド」と呼ばれる黒人の中産階級が台頭しつつあり、消費拡大を牽引する動きが出ている。「ブラック・ダイヤモンド」は15歳以上の黒人人口の約1割にすぎないが、黒人消費の5割以上を担っている。 注目の投資対象は、時代とともに変容していくのだ。※マネーポスト2010年9月号
2010.09.15 23:21
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