国際情報

外務省が拉致被害者家族に情報提供できぬ理由とは何なのか

13歳だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、2011年11月15日で34年となった。めぐみさんの両親・横田滋・早紀江夫妻は、政府からの情報が足りないと嘆く。この件について落合信彦氏が夫妻に聞いた。

* * *
落合:平壌にいる韓国と日本から拉致された人々の中でも最も重要な人たち、100人以上と言われていますが、彼らが居住地を平壌郊外の特別地区に移されたんです。移動は金正恩の命令だとされています。一か所に集められた拉致被害者たちは、これから先の日本や韓国との交渉に利用されるのではないかと見られています。

そこにはやはり、めぐみさんがいる可能性が高いと私は見ている。このことは、韓国の拉致被害者家族会の代表が韓国誌『月刊朝鮮』のインタビューで話しています。日本政府はこの情報に対してアクションを起こしているのか、甚だ疑問です。それにしても外務省からの説明や連絡はないんですか。

早紀江:一切聞かされません。だから、そういう記事をたまたま見ているかどうかということになってしまいます。

滋:最近の『週刊朝鮮』に出ていた平壌の住民票データの話は私たちの耳にも入ってきてよかったですが、それも政府や外務省から直接聞いたわけではありません。外務省とはもう、直接のやり取りはほとんどないんです。民主党の拉致対策本部の役員会があって、外務省からヒアリングをした時に傍聴するようなかたちで出席し、横で聞けることはありますが、その程度のことになってしまいました。

落合:どういう情報があって、何に取り組んでいるのかを拉致被害者のご家族と共有しないのは驚きを通り越して怒りさえ感じます。ご家族の気持ちを慮っているとは思えない。

早紀江:増元(照明・家族会事務局長)さんなんかは、「不確定でも、こういう情報がある、ということを家族に教えていただけませんか」と外務省との会合でおっしゃるんですよ。そうするとあちらは「いや、曖昧な時にお知らせすることは絶対にできません」とはっきりおっしゃるから、そうするともう何もできません。

落合:体のいい逃げ口上ですね。一番大切な人々を無視して、他人事のように振る舞っている。権力のアロガンス(傲慢さ)だと私には思えます。

※SAPIO2011年12月28日号

トピックス

石川県をご訪問された愛子さま(2025年、石川県金沢市。撮影/JMPA)
「女性皇族の夫と子の身分も皇族にすべき」読売新聞が異例の提言 7月の参院選に備え、一部の政治家と連携した“観測気球”との見方も
女性セブン
5月で就任から1年となる諸沢社長
《日報170件を毎日読んでコメントする》23歳ココイチFC社長が就任1年で起こした会社の変化「採用人数が3倍に」
NEWSポストセブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
《新体操フェアリージャパン「ボイコット事件」》パワハラ問われた村田由香里・強化本部長の発言が「二転三転」した経過詳細 体操協会も調査についての説明の表現を変更
NEWSポストセブン
元皇族の眞子さんが極秘出産していたことが報じられた
《極秘出産の眞子さんと“義母”》小室圭さんの母親・佳代さんには“直接おめでたの連絡” 干渉しない嫁姑関係に関係者は「一番楽なタイプの姑と言えるかも」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
川崎春花
女子ゴルフ“トリプルボギー不倫”で協会が男性キャディにだけ「厳罰」 別の男女トラブル発覚時に“前例”となることが避けられる内容の処分に
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
《司忍組長の「山口組200年構想」》竹内新若頭による「急速な組織の若返り」と神戸山口組では「自宅差し押さえ」の“踏み絵”【終結宣言の余波】
NEWSポストセブン
第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン