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義援金パーティにゲスト出席した白鵬が義援金を預かる不思議

 異例の大相撲「技量審査場所」が始まった。各種表彰なしとはいえ、記録などは継続されるため、横綱・白鵬には7場所連続優勝がかかる大事な場所である。

 しかし本人はどこか上の空だった。本場所であれば番付発表日にあたる4月25日の会見では、こんな“不規則発言”も。

「記録は技量審査の場所だからどうでもいい。優勝しない方がいいんじゃないの」

 まるで他人事である。だが横綱はその裏で、素早い身のこなしを見せていた。

 26日、横綱の姿は、なぜか大阪にあった。場所はミナミにある高級ホテル。午後6時頃、付け人らとロビーに現われると、人目を避けるようにそそくさと宴会場の中へと消えた。そこでは、『白金会春の集い・東日本大震災義援金募集会』と題されたパーティが開かれていたが、「白鵬」の名前はどこにもない。主催者は地元の建設会社オーナー。実はこの人物、白鵬のタニマチでもある。

 宴会場入口には募金箱が置かれていたが、ステージ横には「白鵬関」の幟が立ち、会場内には化粧まわしが飾られていた。300人以上詰めかけた出席者の中には、有名料理人や大阪市議の姿もあった。行司と付け人を従えた白鵬が拍子木に先導されて登場するという演出も念が入っている。

 壇上に上がった横綱は、

「大阪、久しぶりです。“ただいま”っていいたいです」

 と、元気に挨拶。その後は各テーブルを回りながらサインや写真撮影に応じるなど愛嬌をふりまき、ゲストの演歌歌手らと『上を向いて歩こう』を熱唱する大サービス。会場では本人が手伝って、手形や土俵入り写真などのチャリティオークションも行なわれた。

 しかしながら、角界の常識として、番付発表後は、力士は場所の開催地に滞在し、稽古して本番に備えることになっている。2009年には横綱・朝青龍(当時)が、番付発表後にファッションショーに参加したり、ダライ・ラマに会うため朝稽古を休んで沖縄に出かけた際に物議を醸したことは記憶に新しい。

 別の問題を指摘する声もある。

「この日の会費は2万円なので、最低600万円は集まっている。こうした催しで横綱が出てくるときは、半額が祝儀として渡されるのが慣例だ。自分の祝儀を集めるために開いたパーティだったのではないか」(角界関係者)

 本誌は白鵬の話を聞くため宮城野部屋を訪れた。師匠の宮城野親方が、部屋関係者を通して対応した。

「激励会ではなく、大阪へは義援金集めに行ったと聞いている。額はいえないが、集まったお金は白鵬が預かっていると聞いている。詳しくは協会に聞いてほしい」

 協会の見解はこうだ。

「番付発表後に開催地を離れたのは(協会の許可ではなく)師匠の判断です。(祝儀については)個人の件なので、お答えは差し控えさせていただきます」

 しかし、主催者ではなくチャリティパーティのゲストが募金を預かっているなど、常識では考えられない話である。

※週刊ポスト2011年5月20日号

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