芸能

秋元康氏結成のユニット「OJS48」 9万人の観客の前に登場

秋元康氏が結成したユニット「OJS48」

 黒いキャップを目深にかぶり、黒のポロシャツに身を包み、不届き者を許さない鋭い眼光――見るからにただ者でない彼らの正体は、いったい?

 8月1日より全国ツアーが始まったAKB 48。福岡を皮切りに全国13か所26公演という一大イベントの警備の一翼を担う彼らは、元刑事など警察官OBという。どうりで目つきが違うわけだ。この日は、西武ドームに3万人の観客を集めたドームコンサートの最終日。午後3時の開場前、会場の外は人の波で溢れる。そんななか、民間警備会社の警備員に混じって目を光らせる。

 列を乱す者はいないか、進入禁止のエリアに入る者はいないか、また場内では車イスエリアのそば近くに立ち、不測の事態に備える。また、彼らの仕事はイベント当日に留まらない。ドームコンサートでは3日間で9万人を動員するため、地元の警察署に挨拶に出向く。かつての同志たちに協力を呼びかけるのも重要な任務のひとつだ。

 リーダーを務める元大阪府警捜査一係の中谷満男さん(63)はいう。

「コンサートを無事に終わらせることが我々の使命。そのために最大限の努力を惜しみません」

 ちなみに、中谷さんは刑事時代に数多くの凶悪犯罪の摘発に尽力した。また、「トイレの場所や自分の席がわからず困っている人には、明確に説明していますよ」と語る丸尾保之さん(66)は大阪府警第四方面本部統括管理官をしていた。管理官といえばドラマ『踊る大捜査線』で柳葉敏郎演じる「室井管理官」と同じ、立派なキャリア組で剣道四段。メンバーには吹田警察署署長や府警本部第一方面機動警ら隊小隊長、大阪府警暴力団対策課など凄い経歴の面々が名を連ねる。

 彼らは昨年秋に、“AKB生みの親”秋元康氏のプロデュースのもと、オジサンを集めた「OJS48」を結成。『深呼吸』で歌手デビューを果たし、AKB48関連のイベントでステージや地域の安全運動集会に立ってきた。昨年末からはその経歴を買われ、AKB 48全国握手会の警備を担当、その力量を発揮している。現在のメンバーは20人強にも膨れ上がっており、平均年齢62歳。プロデューサーの秋元氏は語る。

「彼らの警備の力は現場で培われた長年の経験と実績によるもの。レベルが違います。遠い将来、たとえばAKB48がなくなったとしても、“OJS48”は民間の警備会社として大きく成長していくんじゃないでしょうか」

 ちなみに元捜査一係の中谷さんの推しメンは大島優子(22)だとか。「あのとびきりの笑顔に癒されます。あっ、それから峯岸みなみさんもいいですよね」。このときばかりは鋭い眼光が消え、ひとりのオジサンの優しい目に戻っていた。

【プロフィール】
OJS48:AKB48生みの親、秋元康プロデューサーが結成した新ユニット。「OJS」は「オジサン」の略。2009年『浪花刑事ブルース』でデビューした元大阪府警刑事の歌手・中谷満男を中心に、総勢22人全員が元刑事・警察官という異色のユニット。昨年10月に『深呼吸/OJS48』(ビクターエンタテインメント)をリリース、シニア世代に元気を届ける。現在は前職の経験を生かしボランティア活動にも積極的に参加している。

撮影■丹羽敏通

※週刊ポスト2011年8月12日号

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン