ビジネス

黒田バズーカ第2弾 発表は最も早ければ4月30日との見方も

 黒田東彦・日銀総裁の「異次元の金融緩和」、いわゆる“黒田バズーカ”が放たれてから早1年。為替は1ドル=90円台から100円台への円安に転じ、日経平均株価も一時は1万6000円台への回復を見せた。

 しかし、その効果は長続きしなかった。日銀が4月に公表した1年後の企業物価見通しは、目標の2%を下回る1.5%の上昇にとどまる。足元では4月からの消費増税で景気の腰折れも懸念されている。

 株価はそんな状況を見越して年初から停滞を続け、市場からは“黒田バズーカ第2弾”と位置付けられる「追加緩和」を求める声が高く、実施はもはや既定路線だ。信州大学経済学部の真壁昭夫教授の解説。

「2015年10月に予定される10%への消費税引き上げの最終判断は今年7~9月期のGDP(国内総生産)で決まるため、財務省は何としてもプラスにしないといけないと考えている。財務省出身の黒田総裁にとってみれば、4~6月期の落ち込みを挽回すべく、7月のタイミングで追加緩和を打ち出すのがベストシナリオではないか」

 市場関係者の間でも「7月本命説」がまことしやかに囁かれ、すでに追加緩和に合わせて、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産配分の見直しを発表するという観測まで浮上している。国民の年金資金を株式市場に投入して株価を上げようという作戦だ。

 仮にGPIFが株式比率を1%上げれば、市場には1兆円が流れ込むとされ、株価上昇は必至。同時期に発表することで、緩和効果はより高まるため、この時期が有力視されているのだ。

 ところが、官邸サイドはそこまで悠長な見方をしていないという。

「増税で4~6月期の景気が落ち込むのは既定路線。当初はどの程度落ち込むかを見てから追加緩和の実施を検討する予定だったが、そこまで待っていたのでは外国人投資家の日本売りが加速して、株価下落は避けられない。6月の新成長戦略発表と同時期、あるいは5月20~21日の金融政策決定会合で日銀に発表させたいという思惑がある」(官邸関係者)

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン