国内

第三次おひとりさまブーム 若い世代中心に一人ディズニーも

「おひとりさま」とは、ジャーナリストの故・岩下久美子さんが2001年に同名の著書で初めて紹介した用語であり、「『個』の確立ができている大人の女性」「自他共生していくための、ひとつの知恵」「通常は、1人客に対する呼称」などと定義される。グループ行動を取りがちな女性がひとりで飲食店などを訪問し、食事や娯楽などを楽しむことを「個性」ととらえてエールを送る用語だった。

 それから14年あまり。女性のライフスタイルに詳しいマーケティングライターの牛窪恵さんは、「現在は第三次おひとりさまブーム」と話す。

 牛窪さんによると、第一次おひとりさまブームは2000年代半ば。バブルの真っ只中に青春時代を送り、男女雇用機会均等法が浸透した職場でバリバリ働くキャリア女性が、高級ホテルの「ひとりエステ」や寿司店のカウンターの「ひとり握り」などを贅沢に楽しむことにステータスを見出していた。

 第二次ブームは2000年代後半~2010年代初頭。先行するバブル世代と違い、無印良品やユニクロで育った団塊ジュニア世代の「シンプル族」が、近所のカフェや岩盤浴場で安くカジュアルに過ごすことがブームとなった。

 そして2012年頃から続くのが現在の第三次ブームだ。

「今のブームは18才~20代後半の若い世代が中心です。この世代はひとりで過ごす時間が以前のブームより短く、20~30分のスキマ時間を上手に活用しておひとりさまを楽しんでいます」(牛窪さん)

 第三次ブームの特徴は、スマートフォンやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を駆使することだ。

「この世代はひとりっ子が多いうえ、小さい頃からキッズ携帯やインターネットが家にあり、ひとりで遊ぶのが当たり前。少しでも時間が空いたらスマホで『ひとりカラオケ 渋谷』などと検索し、手軽に場所を見つけて短時間だけ楽しむ。その間もスマホやSNSを駆使して友達などとコミュニケートし、“ひとりなのにつながっている”ことも特徴です」(牛窪さん)

 第一次~現在までのブームを経ておひとりさまが浸透したことと、スマホの検索が簡単になったことが重なり、1 人用サービスは拡大の一途だ。「ひとり花火」「ひとりディズニーランド」をする人まで現れ、「ひとり飯」はもはや定番となっている。

 芸能界でも「ひとり飯」を公言する女優は多く、いずれも好感度がすこぶる高い。たとえば吉高由里子(27才)は「ひとり焼き鳥」の様子をツイッターで披露。「ひとり焼き肉」「ひとり居酒屋」もお手のモノだ。

 堀北真希(26才)は「ひとり牛丼」派。バラエティー番組では「中ごはんとお肉のセットが大好き」「キムチをのせることもある」と明かし、朝ドラ出身女優の普通すぎる素顔が話題になった。

 他にも桐谷美玲(25才)、相武紗季(30才)など挙げたらキリがない。

 ひとり飯はドラマでもすっかりおなじみだ。『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)では綾瀬はるか(30才)が恋愛を放棄した“干物女”を、『ラスト・シンデレラ』(フジテレビ系)では篠原涼子(42才)がオス化した“オヤジ女子”を演じ、女性たちの共感を呼んだ。

※女性セブン2015年10月8日号

関連記事

トピックス

直面する新たな課題に宮内庁はどう対応するのか(写真/共同通信社)
《応募条件に「愛子さまが好きな方」》秋篠宮一家を批判する「皇室動画編集バイト」が求人サイトに多数掲載 直面する新しい課題に、宮内庁に求められる早急な対応
週刊ポスト
ポストシーズンに臨んでいる大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ポストシーズンで自宅の“警戒レベル”が上昇中 有名選手の留守宅が狙われる強盗事件が続出 遠征時には警備員を増員、パトカーが出動するなど地元警察と連携 
女性セブン
「週刊文春」の報道により小泉進次郎(時事通信フォト)
《小泉進次郎にステマ疑惑、勝手に離党騒動…》「出馬を取りやめたほうがいい」永田町から噴出する“進次郎おろし”と、小泉陣営の“ズレた問題意識”「そもそも緩い党員制度に問題ある」
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(左)、田淵幸一氏の「黄金バッテリー」対談
【江夏豊×田淵幸一「黄金バッテリー」対談】独走Vの藤川阪神について語り合う「1985年の日本一との違い」「短期決戦の戦い方」
週刊ポスト
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
【前橋市長のモテすぎ素顔】「ドデカいタケノコもって笑顔ふりまく市長なんて他にいない」「彼女を誰が車で送るかで小競り合い」高齢者まで“メロメロ”にする小川市長の“魅力伝説”
NEWSポストセブン
関係者が語る真美子さんの「意外なドラテク」(getty image/共同通信)
《ポルシェを慣れた手つきで…》真美子さんが大谷翔平を隣に乗せて帰宅、「奥さんが運転というのは珍しい」関係者が語った“意外なドライビングテクニック”
NEWSポストセブン
部下の既婚男性と複数回にわたってラブホテルを訪れていた小川晶市長(写真/共同通信社)
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 
女性セブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人の時効が消滅》「死ぬ間際まで與一を心配していました」重要指名手配犯・八田與一容疑者の“最大の味方”が逝去 祖母があらためて訴えた“事件の酌量”
NEWSポストセブン
男性部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長
「青空ジップラインからのラブホ」「ラブホからの灯籠流し」前橋・42歳女性市長、公務のスキマにラブホ利用の“過密スケジュール”
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン