指原さんのMCは、「考えすぎない」「無理しない」自然体スタイル。てきぱきと進行するのではなく、視聴者の延長線上にいるような立ち位置から、出演者に何気なく声をかけています。
特筆すべきは、番組のアクセントになるツッコミ。時に素朴な疑問、時に過剰気味な同意、時に確信犯的な批判など、視聴者が薄々感じていたことを代弁してくれるのです。
とりわけ笑いの要素が強い番組では、「鍋を取り分ける女はヤバイ」「空の写真をアップする女が嫌い」などの女性タレントに放つ適度な毒が出演者の持ち味を生かし、番組の盛り上がりを作っています。芸能人の発言に対する世間の目が厳しくなり、CM狙いで上品に振る舞う女性タレントが多い中、女性に適度な毒を吐ける存在は貴重なのです。
逆に指原さん自身、ルックスやスキャンダルに関するツッコミを甘んじて受けているのも好印象のポイント。むしろ、「MCなのに、他の出演者よりも立場が低い」と感じさせるシーンも目立ちます。
男性タレントにたとえると、近いのはオードリー・若林正恭さん。軽い自虐と毒舌をベースに低い立ち位置からトークを進めるほか、MCばかりではなくレギュラー出演もこなす使い勝手のよさがテレビマンたちに受けています。ただ今後は、有吉弘行さんのような強めの毒で爆笑をさらうシーンも期待できそうですし、年齢とともにトークの幅は広がっていくのではないでしょうか。
◆旬の中堅芸人との相性は抜群