「報道陣に事前に配られる文書には、常に『ご体調次第』という言葉が付け加えられていました。体調の不安定さに加え、直前になって取りやめられると、お迎えする側の落胆を招いてしまうことにも配慮してのことだったのでしょう」(前出・皇室記者)
満足に公務が果たせないことへの批判を避ける意味合いもあったのかもしれない。それが最近になって、そんな“保険”のような文言がないケースも増えてきたという。
「8月2日の『フローレンス・ナイチンゲール記章授与式』では、美智子さまや紀子さまのお名前に並んで、しっかりと雅子さまのお名前が記されていました。また、10月8日に来日したデンマーク皇太子夫妻の主催で12日に行われた晩餐会にも、当初から出席が発表されていました」(別の皇室記者)
それら2つは都内で行われたものだったが、地方へのお出ましでも同様だという。
「11月上旬に、東日本大震災の被災地訪問が日帰りで予定されています。今回の高知訪問からあまり日があきませんが、“ご体調次第”の前置きはなく、皇太子さまとご一緒に足を運ばれる予定です」(前出・別の皇室記者)
退位まで1年を切れば、美智子さまが皇后として臨まれる「最後の」という枕詞がつく行事が増えることになる。前出のフローレンス・ナイチンゲール記章授与式は2年に1度行われるもの。したがって次回の開催時には、すでに美智子さまは皇后という立場にはいらっしゃらない。
「皇后陛下を筆頭に、多くの妃殿下が出席されるイベントで、独特の緊張感に包まれています。雅子妃殿下も、大変神妙な面持ちでいらっしゃいました」(皇室ジャーナリストの山下晋司氏)
雅子さまの出席は、2003年以来、実に14年ぶりだった。
「記章の授与は日本赤十字社の名誉総裁を務める皇后の役割で、次回その役を担えるのは雅子さまだけです。式典中、雅子さまは美智子さまの一挙手一投足を目に焼きつけるようにご覧になりました。美智子さまからのバトンをしっかりと受け継ぎたいというお気持ちが伝わってきました」(前出・皇室記者)
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年11月9日号