雅子さまに向けた《長く、一緒に》
岸田政権が発足して1年半近くが過ぎたが、安定的な皇位継承を巡る議論は停滞したまま。政府は2022年1月、皇位継承策などを検討する有識者会議による報告書の提出を受けた。しかし、そこにある皇族減少に対する具体的方策案や、女性天皇を認めるかどうかの議論は始まっていない。
「議論らしい議論はこの1年間、進みませんでした。ようやく2月26日になって、首相が安定的な皇位継承策の検討を急ぐように指示を出しましたが、具体的な道筋は示されていません。今後も迷走状態が続くのではないかとみられています」(全国紙記者)
議論が始まらない理由の1つには、政府が陛下のみならず雅子さまのお考えも図りかねている点があるのかもしれない。
「皇室制度改正に関することは政治の範疇です。憲法上、陛下や皇族方が政治的な活動や発言を禁じられている以上、議論の対象である愛子さま自身のお気持ちも考慮されることはない、というのが建前です。ただし実際には、生前退位の希望を表明された上皇さまの事例がある通り、陛下や皇族方のお気持ちやご発言が民意を動かすことも、まったくないわけではありません。
現実には、政府・官邸も宮内庁や側近などを通じて、重要な案件については、陛下や皇族方のお気持ちを把握しておくことはよくあるのです。
今回の安定的な皇位継承の議論では、当事者であられる愛子さまのご心中はもちろんですが、陛下のお考えや、愛子さまにピタリと寄り添われている雅子さまの意はどこにあるのか、政府関係者も把握しておきたいはずです。それだけに、雅子さまの立ち振る舞いが、議論の行方を左右する可能性もあるのです」(前出・全国紙記者)
愛子さまご自身のお考えはというと、成年会見で記者から両親へのメッセージを問われこう答えられている。
《これからも、長く、一緒に時間を過ごせますように》
ある皇室関係者は、愛子さまの“覚悟”を感じたという。
「愛子さまは結婚をするしないにかかわらず皇室に残り、公務を続けながら両陛下をお支えするお気持ちをお持ちなのではないでしょうか」
愛子さまと雅子さまの強い結びつきは、皇位継承の議論の行方を、より見えにくいものにしているという。
「愛子さまが皇室に残れば、“愛子天皇待望論”が再燃するかもしれません。有識者会議の報告書では、悠仁さままでは“皇位継承の流れをゆるがせにしない”とされているため、愛子さまが“女帝”となることは現時点ではあり得ないものの、それに異を唱える声の高まりも予想されます。
さらに、愛子さまに寄り添われる雅子さまのお気持ちも、度外視することはできません。これまで同様、愛子さまの今後についても、雅子さまは“プロデュース”されたいというお気持ちを持たれているのではないでしょうか。愛子さまのお気持ちさえ、雅子さまがカギを握っていると捉えている皇室関係者は少なくない。しかし、その肝心の雅子さまの胸中は正確に伝わってきていません。
そうであれば、皇位継承問題の議論はなおのこと慎重に進めなければならなくなり、迷走はさらに続くでしょう」(皇室ジャーナリスト)
雅子さまは、愛子さまの将来像をどのように思い描かれているのだろうか。
※女性セブン2023年3月30日・4月6日号