芸能

「モテたためしない」三國連太郎 女優と付き合ったことない

役者人生60周年を迎えた俳優、三國連太郎(87)。その名は誰もが知れど、その素顔を知る者は、意外や少ない。インタビューでコンプレックスゆえの屈折した女性観を語った。

* * *
――三國さんの対談集『おんな探求』(1977年)で「そういう臆病ってどこからきてるんですか?」って岩下志麻さんに聞かれたとき、三國さんが性的悩みを告白したことがあって(笑)。

三國:「ハハハハハ! だからコンプレックスがあるんですよ」

――コンプレックスはみんなあるわけですけど、それをここまで堂々と言ってる俳優さんを初めて見てビックリしたんですよ(笑)。

三國:「ああ(笑)。僕、女優さんとのスキャンダルがさもありなんというようにマスコミで書かれたりしてましたけど、本当はそんなこと全然ないんですよ」

――なぜなら自信がないからってことですか(笑)。

三國:「そう、自信がないんです。有馬(稲子)さん(1932年生まれ、『夜の鼓』などで共演)とのことにしたって、みんな嘘っぱちで関係ないです。金がないからコーヒー代をたかっただけ(笑)。逃がしちゃいかんと思うから、宝塚の公演してると、有楽町の駅の裏の喫茶店に寄るのを待ってるんです。で、コーヒー何杯か飲んで、彼女の名前でつけちゃう。だから、「え、私こんなに飲んだ?」って、後で怒られたこともありますよ(笑)」

――ただのたかり(笑)。

三國:「たかり専門だった。だってあの頃、松竹からもらったのが映画1本5000円でしたから、コーヒーなんか飲めないんですよ。だから、日劇の裏の喫茶店に必ず宝塚で公演した連中が来るんで、それを狙うんです。そのままついてって、船橋の、有馬さんの後援会やってたお医者さんのところに泊まり込んで。もう帰れないから。そうすると、なんかあったってことになるわけですよ。だからご迷惑かけちゃったんだよね。関係ないんです、全然」

――モテそうな俳優さんがそういうこと言っても信じられないですけど、コンプレックスがあったと聞くと納得できますね(笑)。

三國:「ホントにダメだったんですよ。モテたためしがない。たかってるもんだから、逃げられたことはありますけど。昼飯を食べる金もないもんですから、ちょっと遅れ気味に食堂に行くと、みんなお昼食べてるわけ。そうすると、全部彼女や彼らのツケにして、それでサッと帰っちゃう」

――たかりの天才じゃないですか(笑)。それなら貧乏にも強そうですよね。

三國:「はい。その頃、僕は練馬のほうの田んぼの中の一軒家に世話になってて、どっかの喫茶店で知り合った女性の実家だったんですよ。『寝るとこねえんだ』って言ったら『じゃあ、ここにいらっしゃい』ってなって。農家だから、米はいくらでもあるだろうなと思って」

――ちなみに、その練馬の女性とも肉体関係はなく?

三國:「あ、なかったです。あと、これまで女優さんを好きになった記憶はないですね。ひとり夢中になった人はいますけど、『あ、怖い人だ』って思ったから」

――ダハハハハ! それは女優という生き物が怖いっていうことなんですか?

三國:「女優さんの習性なんじゃないでしょうかね。ナチュラルな感じで女性対男性という関係の中でお付き合いができないと思うんですね。日常的にお芝居をしてるような気がするから」

聞き手■吉田豪

※週刊ポスト2011年1月21日号

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン