芸能

「海老蔵は常に主役、獅童は脇役の血筋」は歌舞伎界の常識

 前代未聞の飲酒による謹慎処分を受けた市川海老蔵(33)。しかし、歌舞伎界が市川宗家を見捨てることはないという。演劇評論家・喜熨斗勝氏はこう話す。

「市川宗家というのは歌舞伎界を真ん中で支えている大黒柱です。そもそも江戸に歌舞伎を起こしたのは初代・團十郎といっても過言ではありません。それまで京都で流行っていた歌舞伎を團十郎が江戸庶民の感覚に合うようにして、それに物語性を加えて上演したのを皮切りに、300年もの間歌舞伎を守ってきたのは市川家です。今回の騒動は大変ですが、どの家も大黒柱である市川宗家をサポートするでしょう」

 役者個人の序列とはイコールではないものの、家の格としては別格という市川家。それはプライベートでも親しい海老蔵と中村獅童(38)の間でもはっきりと表れているという。ある歌舞伎関係者はこう証言する。

「同じ歌舞伎役者でも海老蔵は江戸時代から続く大看板。海老蔵と獅童は天と地ほどの家柄の差があります。海老蔵が常に主役の家なら、獅童は脇役寄りの家柄です。獅童の叔父にあたる萬屋錦之介や中村嘉葎雄は映画の世界にはいって大スターになりましたが、歌舞伎では主役にはなれなかったんです。そして、獅童もその血筋です」

 市川宗家だけは別格、というのは歌舞伎界では常識。たとえば同じ市川の名を持つにしても、市川猿之助の家は、市川宗家の弟子筋にあたる。

「明治6年、猿之助の曾祖父、初代・猿之助が本来は宗家の許可を得ることになっている『勧進帳』を無断で演じたために破門され、家は不遇の数十年を送ることになりました。大きな公演に出させてもらえる機会が少なくなったことも、猿之助がスーパー歌舞伎を始めた一因。それほど宗家の力は絶大なのです」(前出・歌舞伎関係者)

※女性セブン2011年1月20・27日号

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン