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松尾貴史 漢字ブームは「中国を意識する人が増えたからかも」

「漢字パズル」が頭の体操として非常に優れていると評判だ。芸能人クイズ番組の常連である放送タレントの松尾貴史氏が、漢字パズルの効用をこう語る

 * * *
 仕事柄、東京と大阪を往復する毎日なので、新幹線や飛行機などの移動中に、新聞に掲載されているパズル問題などを楽しんでいます。
 
 変に思われるかもしれませんが、僕がパズルに挑戦する理由は、自分に対してストレスをかけるためです。『週刊ポスト』読者の方は、僕と同世代の働き盛りの方が多いでしょうから、仕事や家庭でストレスがかかることが特に多いかと思います。ストレスは消すことができませんが、ちょっとした別のストレスをかけると解消できる、というのが僕の持論なんです。なかでも漢字パズルは「ちょうどいいストレス」になる。 
 
 構成力の優れた漢字パズルは時間の経過を感じさせない。優れた演出家が手掛けた舞台なら2時間でも3時間でも苦痛ではないように、忘れかけていた言葉や最新の時事用語といったストーリー性のある熟語が次々とマス目に埋まっていく快感は、時間を忘れさせてくれますし、心地よい疲れも得られます。
 
 漢字ブームの背景には、近年の急成長で中国を意識する人が増えたから、あるいは漢字の読み書きができないと就職も覚束ないという不安も関係しているのかもしれませんね。はたまた、漢字の読み間違いで笑いをとる“おバカブーム”の反動か……。漢字パズルを解いていると、そんな想像も湧いてくるんです。

※週刊ポスト2011年3月4日号

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