ライフ

「水槽は狭くてかわいそう」とカメを放し飼いする人に獣医苦言

 貧血のトカゲや大腸がんのヘビ、白血病の猫など、多様化するペット医療。その驚愕かつユニークな治療現場を綴った奮闘記『珍獣の医学』(扶桑社)の著者である、田園調布動物病院院長の獣医師・田向健一さん(37)によると、困ってしまうのは、いくらペットのことを思ってアドバイスをしても、受け入れてくれない飼い主だそう。

「川や池など本来、水の中に生息しているミドリガメを、部屋の中で放し飼いする人がいるんですね。そうすると、水分不足から、甲羅は反りかえり、腎不全になりやすくなる。飼い主さんにとっては、水槽の中に入れるのは狭くてかわいそうだという、ある意味の“思いやり”なんですが、カメにとってはありがた迷惑でしょう。狭いところはかわいそうという気持ちも、わかるのですが…」

「かわいそう」という気持ちをもう少し深く掘りさげてほしいと田向さんはいう。例えば、道端に落ちていたとハトを連れてくる人がいる。

「みなさん、善意で連れてくるんです。当然、優しい人だと思いますよ。でも治療しても完治しないことが多いんです。“もう飛べないですから、家で飼ってあげてください”っていうと、“えっ? 私、飼えない”って。拾うときに考えなきゃいけないのではないかと思うんです。“救ったのはいいけど、誰が面倒をみるんだろう?”というところまで考えてほしい。“命を飼う”“命を救う”というのはどういうことかってね」

※女性セブン2011年4月21日号

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン