ライフ

「衝動買いは麻薬のメカニズムに近い」とホンマでっか登場医

 フジテレビ系バラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、人間生活と切っても切り離せない“買い物”について、脳科学的に分析。衝動買いや無駄遣いがやめられないのには、こんな理由があったんです。

 * * *
 買い物は生活の中心を占めるといってもよいほどの行為です。ただし、むやみに買い物をしていたら経済的に破綻してしまいます。そこで、なるべく少ないコスト(お金)で、より多くの利益(よりよい食材や品物)を得たり、より満足したりすることが重要になってきます。そのためもあって脳内には「買い物の脳内センター」ともいうべき脳領域があることがわかっています。この脳領域は進化的なもので、コストと利益のバランスに深くかかわっています。

 買い物にかかわる脳内センターの一部は、麻薬や覚醒剤が作用する脳領域、つまり脳内快感系です。ですから、ストレスなどが原因で買い物中毒になるケースは、麻薬中毒とほぼ同じメカニズムによるものなのです。次から次へと買い物して、快感におぼれながらそれに慣れ、さらに買い物をするという中毒です。中毒までひどくはありませんが、「衝動買い」でも、この脳内快感系は働きます。

 ちなみに、脳内快感系にはドーパミンという脳内ホルモンが深くかかわっています。このドーパミンが適切に働かない「ドーパミン制御障害」という病気が最近になって注目されていますが、買い物中毒も衝動買いもドーパミン制御障害の一種であるらしいことがわかってきました。買い物にかかわる「健常ではない脳」の代表が「ドーパミン制御障害の脳」といえます。

 逆にいえば、衝動買いや不適切な買い物(無駄遣いなど)が多くなった場合、脳が健常ではなくなっているかもしれないと思ってください。脳内ダメージやドーパミン制御障害ほど深刻ではないとしても、ストレスによって脳の働きが鈍っている可能性が大きいです。脳の老化が進行してもやはり健常ではなくなります。

 ただし、買い物をすること自体は進化的な行為ですし、よく買い物をする高齢者ほど長生きすることがわかっているので、脳にとってもよいことであることは強調しておきたく思います。

※女性セブン2011年8月11日号

関連記事

トピックス

『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン