ライフ

「男性は夢や目的をすぐ諦める傾向あり」と脳科学者・澤口氏

 見事サッカー女子W杯で優勝し、団体としては初となる国民栄誉賞を受賞したなでしこジャパン。そんな快挙を果たしたなでしこジャパンを、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でおなじみの脳科学者・澤口俊之氏が、脳科学的観点から分析する。

 * * *
 なでしこジャパン、世界一おめでとうございます。なでしこフィーバーが続いていますが、このフィーバーには、脳科学あるいは進化学の観点から興味を持てる注目点があります。

 それは、目的や夢の重要性です。

 いま希望が持てなくても「いつか希望が持てるに違いない」という希望をメタ希望といいますが、私たち人間は、希望を持って生きることを進化的な本質としています。19世紀のデンマークの哲学者キェルケゴールが「絶望は死に至る病」といった趣旨のことを述べていますが、これは科学的に正しく、この「病」の典型となる「うつ病」は、絶望にさいなまれ、自殺に至ることも稀ではありません。

 なでしこジャパンの選手たちは目的と夢を常に持ち続け、目的を決してあきらめずに努力し続けました。これが人間の本質なのです。

 女性は「あきらめない」という性質を男性より強く持っています。それは女性の役割に関係していて、例えば出産の途中で陣痛の痛みに耐えられずにあきらめるということはできません。そして、もし育児をあきらめたら子孫(子供)を残すことはできなくなってしまいます。

 ところが男性は大昔、狩猟を役割(仕事)としていました。狩猟の場合はときに自分の命を守るため、あきらめることが重要です。むしろ、積極的にあきらめることで、狩猟の効率を高めたり、無駄なエネルギーを削減したり、生存率を高めたりします。つまり男性は、進化的にあきらめることにさほど抵抗を持っていないのです。したがって男性は、夢や目的があっても、状況によってあきらめるという傾向が強いといえます。

※女性セブン2011年8月25日・9月1日号

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン