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ダイエットクッキーやラーメンで話題の“ミドリムシ”の正体

2011.09.16 16:00

 最近『ユーグレナ』という耳慣れない健康成分が話題になっている。「ユーグレナなんて聞いたことがない」

 最近『ユーグレナ』という耳慣れない健康成分が話題になっている。「ユーグレナなんて聞いたことがない」という人も、「ミドリムシ」なら、学生時代に理科の授業で一度は耳にしたことがあるだろう。『ユーグレナ』の和名が「ミドリムシ」なのだ。

 昨今、ダイエット中の食事代わりにする『ミドリムシクッキー』や、どんぶり1杯に6億匹ものミドリムシが入った『みどりラーメン』、ハンバーガーのバンズやドレッシングにミドリムシを含んだ『ミドリムシハンバーガー』等がネットニュースなどで話題となった。ほかにもカステラやアイスクリーム、みそ汁、佃煮など、さまざまなミドリムシ入り食品が登場。

 今、なぜミドリムシに注目が集まっているのか? そもそもミドリムシとは、どんな生き物なのか? 40年間にわたってユーグレナ研究を進めている大阪府立大学大学院の中野長久名誉教授に聞いてみた。

■地球上ただひとつにして“マルチ”な栄養食品

 中野先生によると、
「ユーグレナは、光合成によって自分で栄養素を作り出すことができ、自力で運動することもできる。つまり、動物でもあり植物でもある、地球上で唯一の微生物です。

 最新の機器を使った分析によって、ユーグレナの細胞を構成する成分には、動物的な成分と、植物的な成分のどちらもが含まれていることもわかっています。


 例えば、動物的な成分としては、ユーグレナに含まれる必須アミノ酸は、牛乳カゼインに匹敵するほど栄養価が高く、脂質のうち、必須脂肪酸、EPAとDHAが35%以上と、非常に高い割合を占めています。さらに植物的な成分としては、大量の食物繊維や、ビタミンも含まれています。これほど多彩かつ栄養価の高い成分をもっているユーグレナは、類まれな“マルチ栄養含有食品”といえます」

■便秘の緩和、血中コレステロールの低減効果を実証

 実際、ミドリムシを摂取することで、どんな効果が期待できるのか。

「まず、注目すべきは、食物繊維であるβ(ベータ)-1、3-グルカン。これらは、腸管でコレステロールや中性脂肪の吸収を抑えるはたらきがあることで知られています。このため、ヒトによる試験でも、血中コレステロールの低減作用や、便秘の緩和といった効果が認められました。

 また、動物実験では、血圧の上昇や脳卒中の発生を抑える効果、免疫機能を上げる効果も確認されています。私たちの研究でも、高血圧や脳卒中を発症しやすい性質のラットにユーグレナを投与したところ、これらの病気を発症せずに、ほぼ寿命をまっとうしたという事実を確認しました。

 30年ほど前、ユーグレナを魚の養殖用飼料として与えた結果、稚魚の成長が非常によくなったという経験があります。こういった成果に強く感動したことがきっかけで、私自身も、ヒトの生活習慣病低減に、ユーグレナがどれだけ効果を発揮できるかという点に興味をもち、研究を進めています」

■気軽にミドリムシ摂取可能なサプリも登場

 豊富な栄養をもち、健康効果も期待できるミドリムシ(ユーグレナ)をより積極的に摂取できるよう、新たなサプリメント『みどりむし59フコイダン』(90粒入り・7875円)も登場。ミドリムシに含まれる59の栄養素に加えて、フコイダンを配合している。

 フコイダンはミドリムシと同じ藻類に分類される海藻に含まれる成分で、抗腫瘍作用や免疫力強化などのはたらきがあるといわれている。生活習慣病やがん、インフルエンザなどの感染症――さまざまな脅威に対抗するために、“藻の力”が注目されているようだ。

■エネルギーや食糧問題、宇宙計画にもミドリムシ!?

 日本の食料自給率を回復させるためにも、ユーグレナを有効活用できるかもしれない、と中野先生はいう。

「前にも述べたように、ユーグレナは非常に豊富で、良質の栄養素がバランスよく含まれています。

 そのユーグレナを培養し、摂取することで、耕地の少ない日本では、食料自給率の回復を目指せますし、また、栄養失調で亡くなる世界中の子供たちを救える可能性さえあるのです。

 ユーグレナを空気のない環境におくと、バイオエネルギーとして利用できるワックスエステルを生成します。また、光合成をする生物でありながら、空気中よりも40%の炭酸ガス気化中でよく生育するという、非常にユニークな特徴ももっています。

 つまり、ユーグレナは、石油資源に代わる新しいエネルギー源となりえるということで、地球温暖化問題の有効な解決策にもなりますし、遠い将来ではありますが、月や火星での基地建設にも大いに貢献する可能性を秘めているのです」

 2011年8月30日に2050年ごろの火星有人探査の行程表が発表されたが、そんなタイミングで体長約0.1mmの微生物であるミドリムシが、宇宙で活躍する――なんてことがあるかも!?

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