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拉致被害者と家族には命の限りがある 早く解決をと家族会

 一向に進展しない北朝鮮による日本人拉致問題。家族会事務局長の増元照明氏が解決へ向けて切実な願いを訴える。

 * * *
 北朝鮮では、金正日から金正恩体制への移行が近づいているとされている。
 
 拉致工作は、金正日が金日成の後継者になると決まってから、その実績作りのひとつとして行なわれたという側面がある。同じように金正恩も、自らの実績作りのためにさらなる日本人の拉致や、テロを企てないとも限らない。そういう意味では、北朝鮮の動向を注視しておくべきだが、体制の変化は拉致問題の解決にはチャンスでもあると思う。それをどう解決へと繋げていくか、日本側の姿勢が問われている。

 私たちが1997年に支援者の方々の協力を得て家族会を立ち上げた時には、「これで1~2年のうちには解決できるのではないか」と思っていた。2002年に小泉純一郎元首相が訪朝して金正日が拉致を認めた時にも「やっと解決に近づいた」と思った。しかし、あれからもう9年が経ち、10年目に入ってしまった。

 拉致問題が他の外交問題と決定的に違うのは、拉致被害者にも被害者家族にも命の限りがあるということだ。だから一刻も早く解決に向けて手を打たねばならない。

 現政権は継続性のない人事をしたという点ではマイナスからのスタートであるが、野田首相という新リーダーの取り組み次第では流れが変わる可能性がある。ニューヨークでの日韓首脳会談で野田首相は拉致問題について「主権、人権の侵害だ」と言及したが、今後はさらなる毅然とした対応を、切に望みたい。

※SAPIO2011年10月26日号

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