国内

夏に活躍の大物歌手 自ら警察に赴き暴力団との縁切りを宣言

警察組織と暴力団のせめぎ合いは水面下で激化している。ジャーナリスト・伊藤博敏氏が、暴力団排除条例の全国施行から1か月が経とうとする中、芸能界にどんな動きがあるのかを報告する。

* * *
暴力団排除条例を担当する警視庁組織犯罪対策3課が、対応に追われている。

警察庁幹部の解説。
「まず彼らは、暴排条例適用第1号に相応しい目立つ案件を手がけなければならない。その他、暴力団と親しい芸能人などが『私は大丈夫でしょうか』と、相談にくるのに対応したり、企業はもちろん警視庁の他の部署からの問い合わせに応じてもいる」

島田紳助の引退で“破壊力”を見せつけた暴排条例だが、「暴力団と付き合ってはいけません」といっても、その範囲が明確ではない。

ことに組対3課が「芸能班」を組織、「第1号案件は、芸能プロダクションの代表か大物芸能人」と観測されているだけに、「暴力団が関係する興行に行って歌うのはアウトか」「一緒に酒を呑んだだけでもダメなのか」と、暴力団とのつきあいが生じやすい芸能界には戸惑いが広がっている。

夏になると大活躍するJポップ界の大物歌手は、警視庁に赴いて、過去の暴力団との関係を告白、「縁切り」を宣言したという。うまい「対処法」である。

「東西の暴力団幹部と交遊、組対3課が目をつける存在でした。でも、条例なので摘発ではなく、関係遮断が目的です。まず、『密接交際者』と認定、次に関係を断つように勧告、従わなければ名前を公表して社会的制裁を加えます。その機先を制してカミングアウトされたら、認定もできない」(警視庁関係者)

もちろん絶縁が「偽装」であることが発覚したら、制裁はより厳しくなる。いきなり名前が公表されて、テレビ出演は不可能になり、会場が借りられずにコンサート活動も中断、歌手廃業に追い込まれる可能性もある。

※SAPIO2011年11月16日号

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン