「銀座のクラブは夢を見る場所。舞台と同じなんです。女優もお店のママも、お客さんを癒し、元気づけ、喜んでもらうという点でとてもよく似ていると思います」
着物姿で銀座の並木通りを颯爽と歩くのは、川島なお美(50)。本誌前号で衝撃の美裸身を披露した彼女が、今度は一転、銀座で「一日ママ」を務めた。
故・石原裕次郎や王貞治をはじめ、政財界の重鎮や文化人が常連の名に連ねる銀座の高級老舗クラブ『グレ』。東日本大震災復興のための援助金を募るべく、各界で活躍する女性を「一日ママ」に迎えるというチャリティイベントに、ご指名がかかったのだ。
「この着物はさゆりママにお借りしました。その道のプロが身につけている“本物”を着ると、言葉にできない重みが伝わるものです。これまでクラブのママ役を演じたことはありますが、今日は台本のないぶっつけ本番。普段はカメラを意識しますが、今日はお客さんの目に美しく映るように振る舞いたいです」
そんななお美ママ目当ての客が、開店前から店外に並ぶほどの大盛況。
「お待たせしてすみませんね。お席があきしだいご案内させていただきますから」
と、新米ママとは思えない艶やかで落ち着いた物腰で、丁寧に接客した。
「ママを務めてわかったのは、銀座にふさわしい男の“大人度合い”です。今日はたくさんのお客さんが来てくださって、お店の外で待っていただいた方も多かった。そんなとき、『じゃ、これで帰るね』とカウンターで3分飲んだだけで颯爽と帰る方が素敵なんですね。銀座にかぎらず、女性にモテる男の条件は、余裕があって『他の人を思いやること』だと知りました」
最後まで美しく、おしとやかななお美ママでした。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2011年11月11日号