国内

パチンコ界巨人「マルハン」韓会長 震災被災地に7億円寄付

市場規模20兆円、パチンコ業界の雄である<マルハン>の韓昌祐(ハン・チャンウ)会長。密航船で下関に着いてから64年、パチンコ界の巨人となったハン会長が、マスコミ初登場でインタビューを受けた。作家の山藤章一郎氏が報告する。

* * *
渋谷駅から東急本店に向かった右手、赤い看板の〈マルハンパチンコタワー渋谷〉。雨の午後。

「渋谷のあのビル、1階にマルハンがない。外からパチンコ台が見えない空中店舗を見上げてサーッと血の気が引きました。そんなパチンコホールはこれまでなかった」

以下、〈マルハン〉韓昌祐会長インタビュー。ハン氏はこれまで、日本のマスコミにほとんど登場していない。

戦後の混乱、昭和、平成をパチンコで生き抜いてきた伝説の人物である。日本最大のパチンコホール〈マルハン〉会長。韓国慶尚南道生まれ。80歳。インタビューは、東京駅に隣接したビルの東京本社で。

仕立てのいいスーツに高い背を包んでまっすぐ歩く姿に、老いの気配はない。質問をさえぎることなく、穏やかに話す。話の端々に「在日」の誇りをにじませる。

氏は6月30日、石巻に行った。

「テレビには映りませんが、臭いもひどい。泥が流れてきて下水が詰まり、大きな船が町に揚がって。人間は完全に自然に負けた、今こそ日本全国民が結束して復興させるべきだと思いを強くしました」

災害の3日後、寄付を決めた。総額5億円。

「日本に住む市民のひとりとして国難に立ち向かおうと。さらに、全国のチェーン店で展開した募金活動やボランティアで結局7億近い寄付をさせていただきました。

パチンコといえば、脱税してる、暴力団と結びつきがある、ボロ儲けする、ダーティなイメージを持たれています。たしかに昔はそういうこともありました。それを、マルハンが変えてきた。昔のような白いズボンに白い靴、茶髪、そんな者はひとりもいない。

売り上げは2兆円を超してなお上がっていますが、経常利益は大きな商社と同程度の2%ほどです」

渋谷店は約1000台、50億円を投資した。他の地域なら8店舗は出せる。平成7年だった。西から東京に乗り込んだマルハンの売り上げは1600億円。一方、東京から北に攻めていったライバル・ダイナムコーポレーションは、884億円。

ダイナムはその年、7億円で平均480台の店を7店舗つくった。6店舗か7店舗あれば1店舗が失敗してもリスクは少ない。マルハンは一時的にトップに立つが2年でダイナムに抜かれた。自著『わが半生』(マルハン刊)の中でこう述懐する。

〈電灯ひとつつければいくらになるか。原価計算できる店長になれ。店長は攻撃力が大事だ。相手を攻めていく力を養わないといつのまにか攻められると口を酸っぱくしました。資本主義は、商売の戦争です。戦争は、負けてはいけない。

相手に遠慮していると、こちらが死ぬ目に遭う。いまでも渋谷は家賃が高く営業上は失敗店、経営効率が悪すぎると反省しています。しかし、若い者に任せたのです。ここを切り抜けてがんばれと〉

※週刊ポスト2011年11月18日号

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン