スポーツ

古田敦也氏 日ハム大嶋について「守備は苦労するだろうな」

 早大ソフトボール部出身の異色ルーキー、北海道日本ハムファイターズのキャッチャー・大嶋匠に注目が集まっている。キャンプでは斎藤佑樹、中田翔らを差し置いてメディアの注目を集める大嶋をプロたちはどう見ているのだろうか? ノンフクション・ライターの柳川悠二氏がリポートする。

 * * *
 日ハムの春季キャンプを取材した野球解説者の古田敦也は、元捕手の立場から、大嶋の挑戦にエールを送る。

「得意の打撃を活かすためにも、守備機会を増やしていった方がいいと思います。ただ守備は苦労するだろうなと思います。キャッチャーはピッチャーのボールをピタッと捕らなければならない。ワンバウンドもしっかり体で止めなければいけない。盗塁を刺せないといけないし、打者の心理を読んでリードしなければならない。大嶋君はまだ22歳と若く、勘が良さそうなので、対応できるでしょう」

 大嶋が今季一軍で生き残る道があるとすれば、守備に難がある分、主に代打となるだろう。無論、打撃で結果を残せなければ、オープン戦期間中にも二軍に戻されるはずだ。

 日ハムの新監督・栗山英樹は、世間の注目を集める新人選手を試合で積極的に使ってきた。大嶋にとって初めてのキャンプを、指揮官はこう総括した。

「キャンプ当初から二軍と一軍を行ったり来たりさせて無理をさせた面があるので、終盤は疲れが出た。見逃し三振するような場面は序盤にはありませんでしたから。ただ、頑張ろうとはしている」

 打席に入ればメジャー選手のようにクルクルとバットを回し、デッドボールを受ければ一塁まで全力疾走。並み居る先輩選手に向かって、ペロッと舌を出す。そういう新人らしからぬ茶目っ気と度胸も影を潜め、ボックス内で試行錯誤する脳内が透けて見えるほど、現在の大嶋はもがき苦しむ。

 キャンプ終盤のある日、大嶋に「疲れている?」と訊ねた。

「ぜんぜん疲れていないっすよ」

 その直前、沖縄まで激励に訪れていた友人に「疲れてるよ~。早くご飯が食べたい!」と話していたのはこの大嶋だ。メディアの前で強がったのか、それとも心を許す友人に愛嬌を振りまいたのか。いずれにせよ、この明るく憎めない人柄が、ソフトボール界の至宝から球界の至宝へと大嶋を導く一助となるだろう。

※週刊ポスト2012年3月16日号

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン