国内

木嶋佳苗 鈴が鳴るようなソプラノ声に記者から「声かわいい」

 連続不審死事件で約100日に及ぶ法廷劇の末に死刑判決をいい渡された木嶋佳苗被告(37才)。

 2001年、リサイクルショップを経営する福山定男さん(享年70)という“パトロン”にインターネットを通じて出会う。その情報サイトには、こんな自己紹介を書き込んでいた。

<国立音大卒で今はヤマハに勤務していますが、ケンブリッジ大学に音楽留学したいと思っています。資金援助をしてくれる方を探しています>

 当時、妻と別居中だった福山さんはこの言葉を信じ、援助を続けた。2007年8月に不審な死を遂げるまで、福山さんが木嶋被告に渡した金は合わせて1億円にものぼった。

 また、2009年8月に死亡した大出嘉之さん(享年41)さんに対しては、

<私は学生です。結婚を前提にお付き合いできる方を探しています。学生生活を応援してくれる人を希望しています>

 というメールを送り、やはり学費の援助という名目でお金を引き出した。

 1850万円を貢いで2009年1月に死亡した寺田隆夫さん(享年53)、銀行口座から180万円を引き出され、2009年5月に死亡した安藤建三さん(享年80)、そして大出さんを含め、木嶋被告に金を貢いできた男性は約30人にものぼる。

 出会ってすぐに「援助」を切り出されれば、普通なら詐欺を疑うはず。にもかかわらず、多くの男性たちがいとも簡単にお金を振り込んでしまった。

 大きな疑問だが、太め女性の恋愛応援カウンセリングを行っている羽林由鶴さんは「私からすれば何の不思議もない」という。

「彼女は相手に応じて自分を演出するのがものすごく上手なんです。言葉も相手によって使い分けていた。例えば80代の男性には『ご立派ですね』という言葉を使う。さらに『運命』という言葉で、普通に考えればあり得ない80才と30代の自分の恋愛関係を演出している。本当に言葉選び、距離の取り方が上手なんです」(羽林さん)

 お金を要求するときも「○○を買って」ではなく、留学や料理学校など、自分磨きの目的を説明したうえで、「あなたのためにも、もっと頑張りたい。だから援助してほしい」と当たり前のように切り出す。羽林さんによれば、それもまじめな中高年男性に未来を想像させ、「妻を養う」という古典的な考え方を、上手にくすぐっているという。

「相手の呼び方もだんだん変えていくんです。最初は名字で、それが名前になって、ニックネームになって。この距離の詰め方も高等テクニックですね。こうして彼女は相手に幸福感を与えている。男性はすすんでお金を出したと思います」(羽林さん)

 そして写真を見るだけではわからないのが声。木嶋裁判を20回以上にわたって傍聴しているコラムニストの北原みのりさんが次のように話す。

「それが鈴が鳴るようなソプラノ声なんです。優しく上品で、傍聴席にいた男性記者たちも“声、かわいくないか”とささやきあっていました」

※女性セブン2012年4月26日号

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト