国内

宗教法人への優遇措置なくせば4兆円の財源生まれるとの試算

 消費増税議論がかまびすしいが、宗教法人への課税を強化すれば十分代替できる可能性がある。現在、全国に約18万2000あるといわれる宗教法人は、税制上、数々の優遇措置を受けている。

 お布施や戒名料など、宗教活動による収入(公益事業)は非課税。宗教施設に関しても、不動産取得税、固定資産税はかからない。寄付金を運用して得た利子や配当も非課税だ。

 さらに、宗教活動以外の営業(収益事業)でも優遇されている。一般企業の法人税率(国税)が30%であるのに対して、宗教法人は22%と低い。地方税も国税分をベースにして算出されるので、やはり一般企業と比較して優遇されるケースが多い。しかも、課税対象所得の2割を宗教法人本来の業務への寄付金として計上でき、控除を受けられる。

 ジャーナリストの山田直樹氏は、憲法学者で税法学の専門家である北野弘久・日本大学名誉教授(故人・肩書きは2009年当時)や税理士の協力を得て、一般と同様の課税をした場合の税収総額を試算したことがある。

「全国18万2000の宗教法人の所有不動産の推定から、固定資産税、不動産取得税などの税収は2兆円ほどと試算された。事業収入の優遇税制をなくせば1兆円が上乗せされ、法人事業税、道府県民税、登録免許税なども一般企業と同じ扱いにすればプラス1兆円。合計で年間4兆円規模だ」

 4兆円という金額は、消費税の国庫収入の2%分に相当する。宗教法人はそれほど優遇されてきたのだ。

※週刊ポスト2012年5月4・11日号

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン