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昼飲み流行「夜より太りにくい。どうせ飲むなら昼」と医学博士

 依然、外食産業に元気はない。庶民の味方であるはずの居酒屋もご多分に漏れずで、業界の総売り上げは(2010年は約2.1兆円 富士経済調べ)1998年頃を境に右肩下がりだ。
 
 ただし、外食市場調査に強いエヌピーディー・ジャパンによると、昼食時(11~13時)の居酒屋利用率は5年前と比べて全営業時間帯で唯一、伸びている(2012年3月発表)。使っているのは50歳以上のシニア層だという。
 
 これが何を示しているかというと、「昼酌」の浸透・流行である。
 
 もともと、夜勤明けの労働者のものだった昼酌が一般化しつつあるのは、団塊世代の大量退職が始まった(2007年)ことと不可分だ。最近の60代は元気ハツラツ、まだまだ隠居するには早い。ニーズの増加に伴って、真っ昼間から飲める店も増えているのだ。
 
 一方で、昼酌と聞いて気になるのはカラダへの影響。医学博士の森田豊氏が、解説する。
 
「肥満に大きく影響するといわれる体内時計遺伝子のひとつ『BMAL1』の血中濃度が昼は夜の約30分の1。つまり昼に飲食するほうが太りにくいので、どうせ飲むなら昼のほうがいいという見方もできます。
 
 シニア層は外出の機会も減りがちでしょうから、適量の範囲内なら昼間に仲間と集まり楽しくグラスを酌み交わすことはストレス発散にもなって、精神衛生上もいい。多少食べ過ぎたら、カラオケで解消するのもお勧めですよ」
 
 何とも心強いアドバイスではないか。

※週刊ポスト2012年6月1日号

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