国内

引退の山崎拓氏 女性醜聞なければ総理の可能性あったとの評

 山崎拓・元建設相(75)は、誰もが惚れる“男気”で知られた。1998年、旧渡辺派から離脱し、約30人を引き連れて山崎派を旗揚げ。多くの領袖は派閥を引き継いだだけの“サラリーマン領袖”だが、山崎氏は自ら結成した派閥の「オーナー」だ。

 その強烈なリーダーシップをいかんなく発揮したのが、2000年11月の「加藤の乱」だった。

 自民党の加藤紘一・元幹事長が野党の内閣不信任決議案に賛成する姿勢を見せて森喜朗・首相に退陣を要求。それに対し、主流派の野中広務・幹事長らが加藤派と、それに同調する山崎派に切り崩し工作をかけた。ご存じの通り、加藤派は大分裂。しかし、山崎派は1人の脱落者も出さず、反乱をやりきった。結果は“討ち死に”だったわけだが。

「この時の山崎さんの人心掌握力には高い評価の声が上がり、滅び去る前の“最後の派閥領袖”として注目されました」(作家・大下英治氏)

 だが、好事魔多し。その“男気”はあらぬ方向にいってしまった。

 2002年に地元・福岡の元ホステスとの間に10年に及ぶ愛人関係があったことが露見。愛人は週刊誌で山崎氏の異常な性癖をベッド写真付きで暴露してしまったのである。後に、愛人は全裸ヌードまで披露して告白を続けた。

 それだけでも大ダメージだが、さらに美人女医とのトラブルや女性番記者とのディープな関係など数々の女性問題を報じられ、今では永田町イチの性豪として名を馳せている。

 あり余る“男気”が選挙民の反感を買い、2003年11月の衆院選で落選し、31年保った議席を失う。2005年の衆院補選では議席を回復するが、2009年に再び落選し、今年9月、次の選挙には出馬しないと引退を表明したのだった。

「政治家として高い見識や理論を持ち、求心力も併せ持つ器の大きな人と見ていました。女性スキャンダルさえなければ、やがては総理になる可能性が高かった。自分の派閥議員への面倒見の良さを付き合った女性にも示していれば、あんな醜聞は招かなかったでしょうに……」(大下氏)

※週刊ポスト2012年10月26日号

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン